詩集 幻人録

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焔花

花瓶に骨を生けました

綺麗な花弁が咲いております

花瓶に骨を生けました

真っ赤っ赤っ赤 燃えるようです

花瓶に水を注しました

じゅうじゅうじゅわっと

鎮火します

花瓶の花は消えました

燃ゆる花弁が炭になります

これでゆっくりおやすみなさい

花瓶に花を生けました

あなたの様な大きなダリアを

不安が焦げる匂いとともに

ありがとうございます😭🎈

僕は『三』
みんなからは「さん」とか「three」とか呼ばれてる

僕の名を読んで阿呆になる芸で有名な三です。
あの時はなんだか複雑な気持ちでした。

早起きは三文の徳
とか言われた時は嬉しかったな
なんか僕が良い扱いを受けている様でね
でも「たったの三文なら寝てるわ」
という意見は僕からしたら辛辣だった

三度目の正直
って時には僕も力を入れて全力だすね
全力だすけど
二度あることは三度あるって

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感謝します!ありがとう🎈

小鳥の謳

拗らせた時代にも
小鳥は空を駆け抜ける

縁とゆかりの風呂敷で
空ごと小鳥を包んでる
小鳥もきっと
私達と同刻に生きているもんで

違いなんてのは
ただのひとつも無いもんで

小鳥も私も
シンプル故の穢れなき風と謳う
ひとつの元素とひとつのこころ

ゆけゆけ
荒野も
バッサバッサ

ゆけゆけ
都会も
くーるくる

拗らせたのは
時代じゃなくて
頭を捻ったぐるぐる人間

ほどいて
ほどいて
すーるす

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感謝します!ありがとう🎈

Rain

葉も霧に隠れる
星が避難した夜

降る雨は屋根を濡らし
コンクリートは黒くなる

風はそんなに強くないから
時折走る自動車の顔も
そこまでしかめっ面ではない

私はアパートのベランダで
なにもない時間を過ごす
残暑を疎む季初めに丁度いい雨さん

翌日の朝にはどっかに行くっちゃね
今のうちにここいら一帯通らしてな

そう言ってきたのは
頭の垂れる意を込もった優しい雨さん

雨さんはひたすらに私の手を

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感謝します!ありがとう🎈

季蝶の文

彼方には薄浅葱の空

カステラ色の蝶の群れが一斉に羽音をたて

私と空の真ん中のビル間を横切る

其れ等は青柳色の蝶が住む木に

押し掛けるように群衆で集った

青柳色の蝶の群れは其れをうけると

羽根いそいそと一斉に飛び立ったては
ビルの影裏に消えていった

私はひとつ また夏を見失った

きっとこれから中禅寺湖への
峰いろはでは
ポスト色の蝶の群れがばさばさと
青柳色の蝶が眠り落ちそうな頃合い

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励みになります。ありがとう🎈

食パン

カビの生えた食パンにはなんの罪名も病名もない

ただ台所の棚のなかで失念されていただけ

悪いのは私

私が食パンを放置したから

カビが生えて食べれなくなった

贖罪に私がこのカビの生えた食パンを食べても

お腹を痛める程度だろう

食パンは命を落としたのに

私は数日で寛解する

これはとても悲傷的な

人間の自覚のない行いのひとつにすぎない

食パンに着いた汚点を直視できないのは
重ねて心の

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うれしいです!ありがとう🎈

傘の教室

あの子は足がとてもはやい

その子はいつも授業で褒められる

給食を残さず食べる子も

風邪をひかない子もいる

僕は足も遅いし
授業で手は挙げられない
きのこだって食べられないし
すぐに鼻水がでる

先生は僕のこと嫌いかな

みんなみたいになれないな

だから学校に傘をいっぱい持ってきた

何日にもわけて10本くらい

お父さんたちの傘は無くなっちゃったけど

これでみんなと一緒になれるかな

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感謝します!ありがとう🎈

まえがみ

切りすぎた前髪が言う

あんたが勝手に切ったくせに

私に眉間を見せつけないで

シワが集まった溝なんか

誰が見たいものですか

私は前髪が五月蝿くて

もう一度鋏をいれた

そしたら私の前髪は

ひらひらと落ちるその最中に

私の鼻の頭を毛先でぶった

もう伸びてなんかあげないから

五月蝿い前髪いらないもん

夏休みが終わってく

学校なんて行きたくないな

本当はかわいい前髪と一緒に

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感謝します!ありがとう🎈

水平線まで行かなくたって

白い甲板には半袖を捲り上げたのあなたが立っている

揺らいだら危ないよ

と僕が言うと

小心者の貝殻さんって
白い歯を見せては僕の顔に微笑み
睨んだフリをした

勝手によそ様のヨットに乗ってはいけないよ

と言うと
臆病者の貝殻さんって
僕に呟き誰もいない沖を眺めていた

長くて少し茶色い髪が
時間の流れが一日のなかで最も穏やかな
昼食明けの時間の隙間で太陽と戯れている

部屋のなかより明るい髪

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ありがとうございます😭🎈

欠けるほどに

彼女の左半身は肩くらいまで欠けている

君の左手に触れたいと言ったら
君は笑ってごめんねって言った
仕方がないから私は君の右半身を抱きしめた

眠るときは不安
だから君に触れていたいが
毎晩の様に君に助けてもらっていたせいか
欠けた部分は侵攻していく

気がつけば顔は半分
週末には顔もなくなり右半身だけになるだろう

ごめんね 私が強く締めつけたから

君はとうとういなくなった

私はその晩 布団

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ありがとうございます😭🎈