07 【読了本まとめ6】 - 非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 -

今回は元電通、現株式会社dof のCEO 齋藤 太郎さんが2022年に出版された、「非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術」をまとめていきます。

この投稿でわかる事:読了目安 9分
1 本の概要、どんな方にオススメか
2 本を読んだ所感、気づき
3 知らなかった、為になった知識

1 本の概要、どんな方にオススメか

本書は「クリエイティブ=創造的解決」と定義し、クリエイティブを
「表現のクリエイティブ」と「ビジネスのクリエイティブ」に分類分けし、
クライアントの課題の本質を見つける役割を持つ
「ビジネスのクリエイティブ」の課題発見から、施策実行までの
プロセスを非常にわかりやすく体系化した一冊です。

タイトルにある「非クリエイター」というのは、
いわゆるビジュアルデザインやアートディレクションを行う人ではなく、
アカウントディレクターやプランナーといった、
顧客とフロントで向き合う職種の人たちを指しています。

そういった「非クリエイター」の方々でも、
クライアントの課題に対して以下のプロセスを踏むことで、
一流のクリエイティブディレクターの方々が実践しているような
ビジネス課題の解決に近づけられると本書では語られています。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92212?page=5
  1. 課題の本質を見つけ出す

  2. 解決策の仮説を立てる

  3. 解決策につなげる

冒頭触れた「表現のクリエイティブ」は「3.解決策につなげる」の部分で
解決策の具体的な表現方法を体現する際に登場します。

この本を読む事で、以下が知れる内容になっていました。
・一流のクリエイティブ ディレクターのビジネス課題解決プロセス
・どのようにクライアントと関係性を構築するか、その重要性
・齋藤さんが手がけられた過去の事例(サントリーの角ハイボールなど)

また本書は、以下のような方にオススメだと思いました。

  • クライアントワークを行う代理店(広告/PR問わず)の方

  • 営業やビジネス開発など、社外の方と関係性を構築する業務のある方

2 本を読んだ所感、気づき

自分の所属チームで内容が非常に良いと
話題になっていたため、買って読んでみました。

著者の齋藤さんは電通出身の方ですが、
自分のようなPRコンサルタントでも非常に参考になる点ばかりでした。

一例として、「2. 解決策の仮説を立てる」の「生み出す」の部分で
で書かれたトピック「飛び地に行かない」を例にとって書くと、

解決策に新しい方法を持ち込むことは非常に大切だが、
今のビジネスと地続きのところで行わないとビジネスの観点でも、
消費者からの目線でも「無理」が生じるためうまくはいかないと。

説明に合わせて図で表されている点も、非常に良いなと思いました。

飛び地に行かない

個人的にIDEOの書物などを読み漁ることが多いので
dofとデザインファームとの違いを比較しながら読んでましたが、
読んでいて少し感じた点は、

デザインファームのように
本書で言うところの「表現のクリエイティブ」の人達は、
課題発見、解決のフェーズからプロジェクトに入る想定ではないため、
デザインリサーチャーのような人を置いて
「革新的なインサイト発見から仮説を立てる」というような内容ではない

というところでしょうか。

同じ部分は2、3名の少人数でチームを組みRole&Responsibilityを明らかにすることで、チームのクオリティを高くする部分でしょうか。
この方法は一人一人の実力が高く、チームワークに長けた人々が集まらなければ成り立たない方法なので、
相当やる気がある人たち、もしくは過去仕事を一緒にやって「この人なら大丈夫だな」という勘所がないとなかなかできない事だなと思いました。

また文章内にあった、「コンペには参加しない」であったり「疑問をストレートに投げかける」など、この辺りは斎藤さん(大島さん)の実績があったり、特定のクライアントと信頼関係がないとできないことなので、
このアクションの目的(課題の本質を見つける)を忘れないことは大切ですが、自分のような若輩者が実践する場合はやり方は少し気をつける必要があるかなと思いました。

全体的には、事例含め非常に簡潔に内容がまとめられていて、
こんなまとめをする必要がないくらいわかりやすかったな、と思いました。

3 知らなかった、為になった知識

この本を読んで自分が参考になった情報や、知識を記載します。

  • 課題は何 と聞いちゃいけない理由 
    「これが課題」とクライアントに聞いてしまうと
    クライアントも気づいていないような、本質的な課題を見落としてしまうから

  • クライアントが認識している課題はすでに解決方法含め検討されている
    →認識していない課題を見つけてきて、それを伝えて、解決することが価値

この本の内容が気になった方はぜひ一度読んでみてください。
少し内容など間違ってる部分もあるかもしれませんが、
ご指摘、コメントなどいただければ幸いです。

2022.7.3

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