Message to me -オーダーご希望受付フォーム活用-
この度、初めての試みとしてGoogle Formを使ってオーダーご希望の受付をしてみました。
作り手の方にとっては、こういう方法もあるのか。という参考例になれば幸いですし、作品をご覧くださっている方、オーダーしてくださった方にはその背景を知っていただければと思います。
個別オーダーへの対応
ものづくりをしている者同士でお話をすると、よく聞かれるのが
「オンラインショップや個別オーダーを受け付けるほどの余裕がない」という声です。
SNSで作品を発信しているのは、たくさんの方に作品をまずは見てもらい、その次には購入して使って欲しい、という目的が大きいと私は思います。
発信するとリアクションがいただけて、どこで作品が見れるか?購入できるのか?という質問につながるのですが、作品を展示販売する場所は主要な都市であることが多く、実際に足を運んで選んでいただき、購入できる方は結構限られてしまうのではないでしょうか。
そういった理由や現状の制作環境から、私は近年オンラインでの販売には特に力を入れてきました。
個別にお客様とやり取りをするのは確かに大変です。何の情報もないところから始まるとお客様の方も聞きたいことがたくさんあるでしょう。私もたまにハンドメイド作品を購入するのですが、Instagramにはあったこの作品、ショップにはないなー。作って貰えるかな?というような事態が往々にしてあります。安いものではないので後悔しないように購入したいと、購入者目線で思うのは当然です。サイズは?価格は?納期は?…お互いにストレスなく、簡潔に分かりやすくやりとりが出来る場合もあれば、文面だけのやりとりだと誤解が生まれてしまうこともあります。
ただ、私の場合はオンラインショップで主要な作品の情報をまとめて掲載し、Instagramでは特注の作品や使用例、コーディネートなどを紹介する。というある程度のスタイルを何年かかけて整えることが出来ました。Instagram投稿は私自身の記録と趣味のような発信も兼ねておりますので、自由に楽しく継続できています。なので、その延長線上のようなオンラインでの販売は全く苦ではなく、私にはこの方法が合っていると感じていました。
需要と供給
昨年ごろからInstagramのフォロワーさんが大幅に増え(本当にありがとうございます)、個展や委託の販売ではほぼ初日〜数日で作品が売れてしまい、行ったのに買えなかった〜という声が多くなってきてしまいました。早くから並んでくださったり、遠方から伺ってくださったり、皆さんの貴重なお時間と労力が…と思うと、本当にありがたくも胸が痛いです。
とはいえ、極端に頑張ってこれまでの倍作ろうとするときっと私が潰れてしまいます。これは自分の20代の頃の働き方や、まわりの作り手の方のご経験などから実感していることです。身体が資本です。
オンラインでの販売でも、出来るだけ不平等感がないように出品する必要があると感じました。しかし販売開始日時を決めて販売すると、争奪戦のようになってしまっています。ショップの仕様上、カートに入れただけでは商品が確保されないので、その間に他の方が決済完了してしまうと、買えなかった〜という悲しい事態に。。
そのため、早く手続きを完了しなければ何も買えないということが分かった皆さま、1点ずつしかご購入いただけないという現象が起きました。そうすると今度は発送件数が増えるので発送作業も正直手間になってしまいますし、最小60サイズの箱にはグラスだと2点まで入るのですが、同じ送料で1点しかお届け出来ないというのは申し訳なく感じます。送料も日々値上がりしてきておりますのでいたずらにお安くは出来ず…。
こういった理由からペアでの販売、抽選販売、すこしでも多くの方に楽しんでもらえるようにわけあり品も積極的に販売する、など試行錯誤しながらやっております。しかし結局、争奪戦のような状態です。
購買欲を満たしたい
ある日、とてもご丁寧な方から切なるメッセージをいただきました。
「ずっとずっと手に取ってみたくて、販売のたびに仕事の後お店へ走ったけど、いつも買えませんでした。オンライン抽選販売も、応募数を見て当たるはずがないと思いました。(過去2回行った抽選販売では1作品に100名以上の応募をいただくことが多かったです…)いつまでも待ちますのでオーダーさせていただけないでしょうか。」といった内容でした。
もう本当に嬉しいやら申し訳ないやらで、お待ちいただけるのでしたらとご連絡しご希望の作品をお伺いしました。
他にもこんな気持ちをされている方はきっといらっしゃるんだろうな。1点でも2点でも手に取ってもらいたい。どこでも買えない、という作家にはなりたくないと思いました。SNS上の写真だけでなく実際に手に取ってもらうことで、1人でも多くのお客様の購買欲を満たしたいと感じ、どうにか方法を考えようと思い立ちました。
個別オーダー受け付けます、と言った瞬間にワーっとメールが届くであろうことが予想されたので、見落としや優先順位のつけかたで混乱してしまわないような方法を考えました。私が知りたい事としては、
・お客様のお名前、ご連絡先(DM等だと最初にお名前をおっしゃってくださらない方も多く、後からはお聞きしづらく…そこのやりとりも煩雑に感じてしまいます)
・自宅用か、ギフト用か(ギフトを優先したい)
・お届け時期
・アイテム、個数
また、過去のご購入やご購入を試みていただいたかなどもぜひお伺いしたいと思いました。
最近はお店や器を使ったお仕事で使いたいと言ってくださる方も増えてきましたので、そのような場合もぜひ知りたい!
・過去のご購入(いつ、どこで?)
・使用用途
・私に伝えたい事があれば…
などなど。
これらを書いてメールで送ってね、というのもお客様にとってかなり面倒だろうなと思われました。また、メールボックス上での管理も難しそうです。
職業柄Webシステムに強い夫に相談したところ、アンケートなどでよく使われるGoogle Formはどうか?と教えてもらいました。
そこで今回のオーダーご希望受付フォームが実現したという訳です。
フォームを作るのはとても直感的で簡単だと感じました。
チェックボックスを作成できたりこちらから伝えておきたいことも記載できたり、本当に便利です。
展示会や作品のレビューを収集するのにも使えるのではないかと思います。
お客様のお声は作る側にとって何よりも嬉しく、モチベーション向上に繋がります!
初めての試みでしたが、出来る限り伝わりやすいようにSNSで何度も詳細を流した…つもりです。お陰様でクレームのようなものは一切ございませんでした。重ね重ねありがとうございます。
私が強調してお伝えしたかったことは
・どのくらいの数を受注しようか、長期的に見て制作を割り振りたいため全てのオーダーは受注できないと思われるが、お客様のご希望がどんなもんなのかをまず知りたい。そのためのアンケートも兼ねており、ご記入=オーダーではない ということ。
・受け付けた時点では何個分受注するか未定だったので、どのくらいの人数にお返事できるかも分からない ということ。
・一旦受け付けますが続報をお待ちください ということ。
でした。
Instagramでお知らせ後、まる一日で100件を越えたご記入がありましてびっくりしました。
最初はギフトのお客様、ぜひお受けしたいと思うお客様約20名様にご連絡をし、納期等を予定とすり合わせながらオーダーをお受けしていきましたが
いつまででも待てます!というお声も結構多く、お言葉に甘えまして…という感じで納期に幅を持たせたり、オーダー可能個数を設けたりして最終的に101名様にご連絡差し上げました。(ご返信いただいていない方も保留とさせていただいております)
一つ一つですが確実に作ってお届けさせていただきますね。
フォームにご記入いただいたものは、スプレッドシート化して一覧でチェックすることが出来ます。
また、決済は今回からStripeを活用しております。便利でお得な点がたくさ
んで作り手さんにはぜひおすすめいたします。
手数料が限りなく安く(振込手数料¥0なの神)、カードやその他お支払いをご案内出来ます。
これまではBASEショップで専用ページを作成しておりましたが、納品まで数ヶ月かかるご注文だと(そういう風な売り方は推奨していないシステムなので)色々と難しい部分があり、こちらも夫の助力により新しいシステムに移行しつつあります。夫すごい…ありがとう!
コメント一部ご紹介
フォームの最後にご自由にお気持ちをぶつけていただけるような記入欄を設けたのですが、そちらにはたくさんのご記入をいただきました。読むのも楽しく嬉しくて、何度も何度も読み返しました。
一部ご紹介させてください。
その他も、温かくお優しいコメントをたくさんいただきました。
ご記入くださった皆さま、ありがとうございました。
選外とさせていただいた方へ
今回、大変申し訳ございませんがご返信を差し上げなかった方は選外とさせていただきました。
受付フォームの趣旨がよく分からなかった、という方もおられたようですみません。私の主観でご返信の優先順位をつけさせていただきましたため、
主にコメントがなかったり、イレギュラーな作品(大きめのサイズなど)をご希望の方はご返信に至りませんでした。
1点のご注文につき、1点制作してそれがA品になる場合もあれば、B品なども含めて複数個制作する場合もあります。
その際、ペアのご注文だけど1点はサイズが微妙…などの作品は他のご注文に融通できたほうが効率が良いです。
そういった点から、他に融通の効かないイレギュラーなものはできたら避けたい、という内情があります。
またの販売の機会をお待ちいただけますと幸いです。
おわりに
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。
今回の企画では結果的に多くの方のご希望に少しでも添えたのではと思っております。
小規模ですが、たくさんの方に支えられこつこつ作り続けてまいりました。楽しく、好きなものを作る贅沢な仕事です。
作品の向こうに皆さまのストーリーがたくさんあるんだということを実感し、より一層頑張りたいと思えました!
今後ともSNSなどで見守っていただけますと幸いです。