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ホリスティック・マーケティングという考え方

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
最近は「〇〇マーケティング」という言葉が氾濫していて、そのどれもが部分最適を指しているなぁと感じています。もっと「全体を見ようぜ!」みたいな考え方はないのか、と思っていたらありました。しかも、コトラー先生の本の中に。基本的な考え方というか、マーケティングの大枠みたいなところをすっ飛ばしていたのだなぁと汗顔の至り。
ということで、今回は、マーケティング活動全体を包括する考え方をご紹介します。


ホリスティック・マーケティング・コンセプト

ホリスティック・マーケティング・コンセプトは、コトラー先生が提唱する考え方です。ホリスティック(holistic)は「全体的な」という意味合いを持ちます。つまり、マーケティング活動全体に対して幅広い統一的な視点が必要だよね。という考え方なのだそうです。
情報のデジタル化が進み、大量の情報が高速で行き合うようになったことで、包括的な視点の必要性が高まっていると言われています。

ホリスティック・マーケティングには、関係性(リレーションシップ)マーケティング、統合型マーケティング、インターナル・マーケティング、社会的責任(ソサイエタル)マーケティングの4つで構成されます。それぞれの幅と相互依存性を認識した上で、マーケティングプログラム、プロセス、活動を開発設計し実行するすることが大事なのだそうですよ。
それぞれの構成要素を見ていきましょう。

関係性マーケティング

リレーションシップ・マーケティングと呼ばれるものです。利害関係者(顧客、サプライヤー、流通業者など)との長期的な関係性を志向するマーケティング活動を指します。企業と関係者の間に強力なネットワークを作ることが目的になります。
近年注目されるファンマーケティングやCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、それに付随するLTV(ライフ・タイム・バリュー)を意識した施策がこれに該当するのだと思います。
注意しなければいけないのは、顧客にだけフォーカスするのではなく、サプライヤーや流通業者、株主など事業を行うにあたってのパートナーとの関係性も深めていく必要がある点です。PRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)と言うそうですが、多くの利害関係者と絆を結び、そのネットワークを資産化していくことが重要になります。

統合型マーケティング

統合型マーケティングは顧客の視点からコミュニケーションを捉え直し、提供価値を最大化させていく取り組みです。と言われていますが、要するにマーケティング・ミックス(4Pや4C)を用いてターゲットに価値を届けていく活動です。マーケティングの王道といった感じですね。

インターナル・マーケティング

これは顧客や市場に対してではなく、企業内部に対して行う活動になります。経営陣や従業員に対してマーケティング活動を適切に理解してもらうための教育活動などが含まれます。
コトラー先生はインターナル・ブランディングの重要性を以下のように語っています。

賢明なマーケターは社内向けのマーケティング活動も、社外向けのマーケティング活動と同等か、むしろそれ以上に重要なものだと認識している。

『コトラー&ケラーのマーケティングマネジメント(第12版)』

社内向けの活動ということで、SPC(サービス・プロフィット・チェーン)の実現に向けた活動などもインターナル・マーケティングの範疇となりそうですね。

社会的責任マーケティング

ソサイエタル・マーケティングと呼ばれるものですね。企業利益や顧客満足だけでなくソーシャルグッドも目指しましょうというマーケティング活動です。
特に今日では、ビリーフ・ドリブン(参考過去記事:https://note.com/waca_associates/n/neaf435e7ebe5)による購買活動も見られるようになってきました。企業が果たす社会的責任は一層重要なものになってきています。

まとめ

ということで、今回はホリスティック・マーケティングについて記してみました。ホリスティック・マーケティングは4つの構成要素からなり、それぞれ関係性・統合型・インターナル・社会的責任となっています。噛み砕くと、マーケティング活動のベクトルが関係者・顧客・社内・社会に向かっていく活動です。
ホリスティック・マーケティングで目指すのは、上記それぞれのマーケティング活動の融和であり、包括的な視点に立ってマーケティング活動を推進することです。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
マーケティング活動しているとどうしても部分最適に偏っていくので、たまにこうして俯瞰的に全体の活動を見直せると良いですね。
ホリスティック・マーケティングについて調べるのに、久しぶりに『コトラー&ケラーのマーケティングマネジメント』を開きました。その分厚さと文字の多さから気が遠くなりました。笑

今回で108記事目、煩悩の数に並びましたよ!笑
では、またお会いしましょう。


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