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関係性マーケティングの概要

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
以前、「ホリスティック・マーケティングという考え方」をご紹介しました。
関係性マーケティング・統合型マーケティング・インターナルマーケティング・社会的責任マーケティングという4つの軸に対して包括的な視点に立ってマーケティング活動を推進していきましょうという考え方でしたね。
今回はその中でも関係性マーケティング、とりわけ顧客関係管理について掘り下げてみようかなと思います。


顧客関係が重要視される背景

今回ご紹介する関係性マーケティングがなぜ重要視されるのかについて先に触れておきましょうか。マーケティングに関わる方であれば、CRMツールを使っていたりLTVの計測をしていたり、関係性マーケティングの領域に触れたことがあると思います。では、なぜ重要視されるかを考えたことはありますか?正直にいうと、「中の人」は大事だという認識はありつつも、「何故か」を深掘りしたことがなかったので調べてみました。

市場の成熟化

現代のマーケティングを語ると必ずと言っていいほど目にするワードが「市場の成熟化」ですよね。関係性マーケティングが重視される第一義もここにあります。
どういうことか考えてみましょう。
市場が成熟化するということは、市場規模がある程度固定されるわけですから、全くの新規顧客を見つけるのは難しくなります。すなわち、競合他社の顧客を奪う=シェア獲得競争になるわけです。顧客からするとわざわざ慣れ親しんだ製品から乗り換えるわけですから、相応のメリットがないと動いてくれないですよね。なので必然的にマーケティングコストは上昇します。新規顧客を見つけてくるよりも、相対的に既存顧客に向けた施策の方がコストが低くなります。
加えて、シェアの奪い合いですから、自社の顧客が他社に引き抜かれないようにしなければなりません。そこで、関係性マーケティングが重要になってくるわけですね。

販売後に生じる需要機会の増大

小見出しには難しい言葉を使いましたが、「アフターマーケット」と呼ばれる市場が拡大しているということです。アフターマーケットは、簡単にいうと修理や点検など、販売に付随して後々生まれる需要を対象とする市場です。
使い捨ての商品よりも、メンテナンスして長く使う商品が多くなってきたことから、こうしたアフターマーケットが拡大しています。この市場にアプローチするためにも、販売した顧客に対して関係性を維持しておきたいといった思惑が関係性マーケティングの重要度を高めています。

情報技術の発展

ちょっとウェブ解析士らしいワードが出てきましたね。
膨大なデータ量を有する顧客データベースを構築できるようになり、その分析から個々の顧客ニーズに対応できるようになったことから、より関係を築きやすくなったことも、関係性マーケティングが重要視されるようになった契機と言われています。

長期的な関係を築くメリット

顧客と長期的な関係性を築いていくことが大切なのは分かった気がします。では、顧客と長期的な関係を築けると、どんないいことがあるのでしょうか?

取引コストの低減

まず挙げられるのが、取引コストの低減です。取引コストとは、金銭的なコストだけでなく、「どこの商品がいいかな〜」という探索コストや、「ちゃんと商品が届くだろうか」あるいは「ちゃんと支払いしてもらえるのか」と言った心理的コストも含まれます。すでに一定の取引がある状態で、売り手・買い手双方に一定の信頼関係があると、この辺りのコストを削減することができるので、両者にとって好ましい結果になりますね。

販売機会の増加

とある顧客の購買行動を長期間にわたって把握できるようになると、ニーズの変化などを特定することができます。そうしたタイミングで別の商品を提案(クロスセル)したり、商品のグレードを上げる提案(アップセル)が行いやすくなります。つまり、販売機会を逃さずに捉えることができるわけですね。
クロスセルやアップセルを行なっていくと、その顧客の中での自社のシェア(顧客シェア)を拡大することができ、ロイヤルティの向上に寄与します。

顧客獲得コストの低減

出張などで知らない街に行ってランチする時、全く知らないお店に入るのは勇気がいるので、安心して入れるチェーン店を選んでしまう。みたいなことないですか?
全くの新規顧客を獲得するには、興味や関心を引くための工夫が必要になるということですね。一方でチェーン店のように経験のあるものは、過去の経験を基準として、価格や品質をある程度予測できるので利用しやすいわけです。
このように、長期的に良好な関係を築けていると、顧客獲得コストが抑えられる場面が出てくるのですね。

顧客関係を維持する手法

長期的な関係を築くといいことがあるのが分かりましたね。では、そうした関係を築くための手段ってどんなものがあるのでしょうか?
よく使われるのは、顧客の購買の蓄積に対してインセンティブを与えるというロイヤルティ・プログラムです。
代表的なのは、支払い金額に応じて付与される「ポイント・プログラム」です。その他にも、飲食店で会計時に配られる「次回使える割引券」、キャッシュレス決済ツールで実施される「キャッシュバックキャンペーン」、ECモールの「お買い物マラソン」などなど、挙げ出したらキリがないですね。
特に、ポイントプログラムは他社への乗り換えを躊躇させる「スイッチング障壁」としての役割も果たすと言われているので、効果的とされています。
様々な店舗で採用されているのも頷けます。
ウェブ解析士としては、ポイントの利用率・失効率や配布したクーポンの利用率、キャッシュバックキャンペーンの参加率などを数値として把握して、実際に効果があったのかどうかを測定したいところですね。

まとめ

今回は、ホリスティック・マーケティングの一角を担う関係性マーケティングにフォーカスして書いてみました。顧客関係の重要性やメリットついてご紹介しました。ロイヤルティ・プログラムなどを活用して顧客にインセンティブを与えることで、長期的な関係を築くことができるみたいですね。
ウェブ解析士としてはその効果測定まで責任を持って担っていきたいところです。

あとがき

今週も最後までお付き合い、いただきありがとうございました。
114記事目の投稿ですが、そろそろ持ちネタが尽きてきており、「テーマを決める→勉強する→記事に起こす」という一連のサイクルに時間がかるようになってきています。(笑)
ですので、投稿するタイミングが週末になってしまっていますが温かく見守っていただけますと幸いです…
引き続きテーマのリクエストも募集していますので、ぜひ。
それではまたお会いしましょう。


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