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KPI管理にも使えるAARRRモデル

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
皆さんはKPIの設計ってどうされていますか?事業フェーズや事業部ごとに見るべき指標は違うと思います。設定すべきKPIに迷った時に使えるフレームワークがAARRR(アー)モデルです。字面がちょっと間が抜けていますが、内容を理解しておくと課題の抽出やビジネスステージの確認に役立てることができます。
ということで、今回はAARRRモデルについて記していきます。


AARRRモデルとは

AARRRモデルは、デジタルマーケティングにおける5つの重要なステージを示すフレームワークです。各ステージ「Acquisition(獲得)」「Activation(活性化)」「Retention(継続)」「Referral(紹介)」「Revenue(収益)」の頭文字を取ったものです。ビジネスの成長段階ごとに可視化するフレームワークなので、企業がユーザーの行動を段階的に最適化し、効果的なマーケティング施策を立案する際に活用されます。

Acquisition(獲得)

Acquisitionフェーズでは、「ユーザーはどこから獲得できているか?」という点に着目します。
企業がターゲットとするユーザーを見つけ出し、自社のプロダクトやサービスに導入することが目的です。SEO、SNS広告、検索広告といったマーケティング施策や、オフラインイベントの開催、メディア露出などPR的な施策を実施していくフェーズです。これらの取り組みによって得られるセッション数、新規ユーザー数、広告クリック数、LP コンバージョン率などの指標をKPIにすることが多いです。ユーザー獲得の最適化を図っていく段階ですね。
重要なのは新規顧客獲得数です。

Activation(活性化)

Activationフェーズでは、「ユーザーは好ましい経験をしているか?」に着目します。
獲得した顧客を製品・サービスの有効活用者に変えていくことが重要です。オンボーディング体験の最適化、ユーザーに対する価値提供の強化、継続的なエンゲージメント施策の実行が求められるフェーズです。顧客満足度などがKPIになりえます。ユーザーの活性化状況を確認していくフェーズですね。
アンケートを通じてのフィードバック収集などを行い、サービスの改善を図っていくことが重要になります。

Retention(継続)

Retentionフェーズでは、「ユーザーは継続利用しているか?」に着目します。
一度獲得したユーザーに継続して製品・サービスを利用してもらうことが目的になります。顧客ロイヤルティ向上施策、季節限定商品などでリピート購買の促進、ユーザーエクスペリエンスの改善などに取り組みます。継続利用率、チャーン率、LTV(顧客生涯価値)などの指標がKPIとして扱われることが多いです。ユーザーの定着度合いを把握していくことが重要になります。離脱ユーザーが多い場合は、その原因の特定と改善も求めらますね。

Referral(紹介)

Referralフェーズでは、「ユーザーは周囲にこの製品・サービスを伝えているか?」に着目します。
既存ユーザーから新規ユーザーを獲得することが重要です。ユーザー間での口コミ促進、SNSでのシェア機能強化、紹介プログラムの運用などの施策に着手します。NPS(ネットプロモータースコア)、紹介件数、紹介経由の新規獲得数などがKPIとして挙げられます。アーンドメディアによってユーザー間での拡散効果を高めていくことが求められます。

Revenue(収益)

Revenueフェーズでは、「マネタイズできているか?」に着目します。
ユーザーから得られる収益を最大化していくことが目的になります。これまでの施策を振り返って効果の高いものにリソースを集中させる、アップセル/クロスセルの推進などに取り組みます。ARPU(平均顧客単価)、売上高、利益率といった指標を分析し、収益化の最適化を図ります。
これまでのステップがうまくサイクルに乗り、安定的に収益化していくことが求められるフェーズです。

まとめ

AARRRモデルは、デジタルマーケティングにおける重要なステージを体系的に整理したフレームワークです。ユーザー獲得から収益化までの一連のプロセスを理解し、各フェーズで適切な施策を実行し、対応する指標を計測・分析することで、マーケティング活動の最適化を目指すことができます。このモデルを活用することができれば、デジタルマーケティングの全体像を把握し、効果的な施策立案が可能になります。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ウェブ解析士を名乗っていると、解析するのが仕事のように捉えられがちですが、解析の良し悪しって解析する前にある程度決まっているような気がするのです。ビジネスフェーズの理解、目的の把握、解析項目の設計など実際に動き出す前にやっておく事前準備がしっかりしていると、適切な解析ができそこから仮説を再設計して次のアクションを描くことができます。そのためにも大枠を理解するという意味でAARRRモデルは有用のような気がします。

更新頻度がどうなるか分からないと言っておきながら、ちゃんと毎週更新していますね(笑)気張らなくなったら、案外書けるのかもしれません…
来週かは分かりませんが、またお会いしましょう。

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