Raspberry Pi Pico(GP2040)でアケコンを作る(1) 部品・工具の確認
GP2040は、Raspberry Pi PicoをはじめとするRP2040マイコンを搭載したボード向けのゲームパッドファームウエアです。パソコン、Android、Raspberry Pi、Nintendo Switch、PS3、PS4(レガシーコントローラ対応)などのUSBゲームパッドとして使うことができます。
GP2040を書き込んだRaspberry Pi Picoにレバーやボタンをつなげばオリジナルのコントローラーを作ることができます。またGP2040に連射機能を追加したGP2040-PicoAnnもあります。
今回は仮組みでMDF板とブレッドボードで10ボタンのアケコンを作り、動作を確認したいと思います。なおRaspberry Pi Pico自体はとても安いですが、構成する部品を持っていなければ8500円、必要な工具がそろっていなければさらに15000円かかります。
単純にアケコンで楽しみたい方は既製品を購入することをおすすめします。
自分で木工アケコンを作ってみたい、以前に購入したRaspberry Pi PicoをLED点灯以外で活用したいという方は以下の部品や工具でお持ちでないものをそろえましょう。100均で入手できるものはそちらを優先しています。
使っていないアケコンをお持ちで、中身をGP2040に置き換えるということであれば必要な部品や工具は少なくなります。この場合にはRaspberry Pi Pico、ブレッドボード、配線で55x84x35mm(幅×奥行×高さ)をケース内部に設置する空間が必要になります。
◇ 必要な部品
点数が多いため、今回は必要な部品と工具に分けました。既成のアケコンを改造するのであれば下の1,2,3,4,7,8,9,10で合計3000円程度に抑えることができます。高額なジョイステック・レバー、ボタンを流用できるのが大きいです。
1. Raspberry Pi Pico
GP2040を導入するハードウエアです。アケコンの中心となる部品です。(640円)
2. 1×40ピンヘッダ(2.54 mmピッチ)
Raspberry Pi PicoとPico Audio Packを接続するとき、Raspberry Pi Picoにピンヘッダーをはんだ付けをする必要があります。20ピンずつに割って使えるこちらのパーツがおすすめです。(35円)
3. USBケーブル(TypeA/MicroB)
Raspberry Pi Picoとパソコンを接続するUSBケーブルです。アケコンとパソコンの位置に合わせて長さを選びます。(110円)
4. ブレッドボード
接続は少ないため400穴の一般的なもので十分です。(270円)
5. ジョイスティック・レバー、ボタン
レバーは三和のJLF-TP-8YTにレバーボール35φ(LB-35)を組み合わせました(2850円)
ボタンはハメ込み式押しボタン30φ(OBSF-30)を8個、スタート、セレクトボタン用にハメ込み式押しボタン24φ(OBSF-24)を2個にしました。(2300円)
6. 超極低頭小ねじ、ナット、ワッシャー(M4 x 12mm)
ジョイステック・レバーの天板固定に使います。4組のねじ、ナット、ワッシャーを使います(230円)
7. 耐熱電子ワイヤー(AWG28) 1.2m
ボタンのGNDケーブルを数珠つなぎ配線するときにこちらの細いワイヤーを使います。(300円)
8. 耐熱電子ワイヤー(AWG24) 3.0m
レバー信号、ボタンの信号側に使います。ジョイステック・レバー専用コネクターハーネスも三和で取り扱っています(5PINコネクター付ハーネス(JLF-H)が、今回は使いません。(330円)
9. QIコネクタ(オス、メス)、ハウジング
ジョイスティック・レバーやボタンをブレッドボードに接続する端子です。これらはオス端子(16個)で、ジョイステック・レバー側はメス端子です(5個) (400円)
10. ファストン端子(#110メス)、絶縁スリーブ
ボタンとの接続に使用する端子です。ボタン1個につき2個必要になります。今回は10ボタンで作るため20個必要です。(520円)
11. MDF材
仮組みなので、加工がしやすくて頑丈なMDF材を使います。ダイソーの300*400mmが1枚あれば十分です(110円)
なお板厚が6mmのため、ボタンのツメが完全に引っ掛かりません。
12. すべり止めシート
アケコンのすべり止めに使います。こちらもダイソーのものを使います(110円)
13. パイン集成材 角材(25x25x1000)
天板の高さ調整のために角材を四隅に入れました。自分の感覚に合う高さにしたところ60mmでしたのでこれを4本用意しました。(300円)
◇ 必要な工具
既成のアケコンを改造するのであれば木工に必要な工具はいらないので、はんだごて、はんだ、圧着ペンチで済みます。
1. 定規
30cm定規を用意します。ステンレスのプレートが入っていますとカッターを使うときに便利です。
2. のこぎり、ソーガイド
MDF材を切るときに使います。MDF材はやわらかいのでダイソーでそろえてしまいます。まっすぐ切るためにのこぎりガイドも使います。
3. 自在錐、ホールソー
MDF材にジョイスティック・レバーを通す穴、ボタンをはめ込む穴など比較的大きな穴をあけるときに使います。今回は24φを3つ、30φを8つ開けます。使った自在錐は30~120mmの穴に対応しているのですが、今回は24φを30mm、30φを35mmで穴を開けました。
4. ドリル刃
電動ドライバーで使用できるドリル刃です。ジョイスティック・レバーを天板に固定するための穴を開けます。使用するネジがM4なので、ダイソーの3.4mmドリル刃を使いました。
3. サンダー、ハンドサンダー
MDF材の切断面や手首が当たる面を整えます。中目、細目の順番で削ります。
4. 電動ドライバー
自在錐でのカット、ジョイステック・レバーのドリル刃での下穴開け、ジョイステック・レバーの固定に使用します。MDF材を使っているのでそんなに強力なものは必要ないです。
5. レンチ
ジョイステック・レバーを天板に固定するときにレンチでナットを固定しながらねじを止めます。
6. はんだごて、はんだ
Raspberry Pi Picoのピンヘッダーを取り付けに使います。
7. ワイヤーストリッパー
ジョイステック・レバー、ボタンをブレッドボードにつなげる配線にコネクターを着けるときに被膜を剥がしてコネクタを取り付けます。圧着ペンチに付いていることがありますので、その場合は不要です。
8. 圧着ペンチ(オープンバレル端子用)
配線に取り付けるコネクタ(QIコネクタ、ファストン端子)を圧着するための工具です。
9. プリンター
ジョイステック・レバーとボタンの配置を示した設計書を印刷します。コンビニエンスストアのネットワークプリントで代用できます。
10. 木工用ボンド
天板と角材の接着、角材とすべり止めシートの接着に使います。
今回は使った部品、工具の紹介で終わってしまいました。次回は天板の加工を行います。
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