脱ファストファッション、ファストライフ!
最近は、海外のファッション通販が安いんですよね。
膨大な種類のおしゃれな服が、驚くほど安い価格で売られています。
1000円を切るTシャツや、100円程度のピアスが売られています。
デザインもとても良いんです。
日本では、あまり見かけないような奇抜なデザインの服が私のお気に入りです。
そんなふうに、とても気に入って、一時期よく利用していました。
でも半年ほど前、九谷焼の陶器市で若手の作家さんが作った陶器のピアスを購入する機会がありました。
葉っぱを模した手捻りの陶器がゆらゆら揺れるデザインのピアスです。手作りなので、もちろん左右の形は微妙に違います。指紋が見て取れるんじゃないかという位、人の手のぬくもりを感じる作品です。
購入したときの作家さんの嬉しそうな顔も印象的でした。
気に入って毎日のようにつけていました。
そんなものをつけていると、この1000円で買ったTシャツはどこの誰が作ったんだろう?と思えてきたんです。
確かに魅力的なデザインだけれど、陶器のピアスに感じるような深みを感じないんです。
よく「心がこもった作品」というような表現をしますが、まさにその「心」の違いなのかもしれません。
•••でも海外の工場でも、誰かが心を込めてこのTシャツを作ってくれたのかもしれません。
この違いはなんなのでしょう。
そんなことを思いながら、またある時、友人がやっている会社のバックを買いました。お気入りで毎日使っています。
このバッグもまた、かわいさや使い勝手だけではなく、深みを感じるんです。
でも、このバッグは友人の会社のものではあるけれど、友人がハンドメイドしたものではありません。
どこでどの職人が作ってるのかも、私は詳しく知りません。
そこで考えました。この、モノに対して持つ感情は、作り手の「心」以上に、私の「心」に由来しているんじゃないかと思ったんです。
要は、私がそのモノに対して、つながりや持つ理由、一定の感情があると、思いが深くなるんだと思いました。
自分で買ったものよりも、誰かからのプレゼントが嬉しいという感覚に似ていると思います。
それ以降、モノを買うときは極力、そのモノとのつながりを意識するようになりました。
アクセサリーは、ハンドメイドのものを。可能であれば、作家さんが直接手売りしているものを本人から買うようにしています。最近は安く通販で買ったアクセサリーは一掃し、地元のハンドメイド作品ばかり集めています。
洋服も通販で買ったものは、処分しました。以前のように前向きな気持ちで着ることができなくなってしまったんです。
洋服は、本当に気に入ってずっと着ているもの以外は処分し、自分で作った数着と知り合いの会社の商品くらいしか残っていません。
でもすべてがお気に入り、全てが勝負服です。以前のようにたくさんの服はありませんが、すべての思い入れがあります。
これまでのような大量生産、大量消費には疑問を抱く人が増えている時代だと思います。でも、やっぱりおしゃれはしたいし、買い物自体は楽しい。
大量の服に囲まれて、虚しさを感じたことがある人もいると思います。
でも、おしゃれは止めなくていいし、買い物も楽しめばいい。
買うモノとのつながりをちゃんと感じられれば、満足度は数段上がるはずです。
作り手と買い手の想いを交換し、共有する。そんな購買活動ができたら、素敵な世の中なんじゃないかなと思います。
そうなってほしい。そうしていきたい。
がんばるぞ。
あおやま みさき
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