夫婦は狂気を見せ合うから関係が深くなるのかもしれない
夫婦の間に「狂気」が横たわっていると考え始めたのは、結婚5、6年目頃からです(私は今年結婚11年目! です。書いててびっくり)。
恋愛期間というのは、ドーパミンやアドレナリン(闘争と逃走の神経伝達物質)が出ていて、「ドキドキしたり、興奮したり」と楽しい時期です。しかし、そんな状態で日常を送るわけにもいかず、年月が経って関係性が安定してくると「幸せホルモンのセロトニン」がメインで分泌されるようになります。
つまり「ドキドキや興奮」は落ち着いて「愛着や安らぎ」の関係性へと移行していくのです。私はここが、夫婦間の「狂気」をひしひしと感じ始めるタイミングだと思っています。
この「狂気」という言葉は、江國香織さんの発言や小説などから引用しています。
「離婚するってどんな気持ちのもの?」そよちゃんは鍋をみたまま少しだけ考えて、それから微笑を含んだ声でおっとりと「そうねえ、半殺しにされたままの状態で旅にでるような気持ち、かしら」と言う。
「結婚されて、幸せですか。」おもいきって尋ねたが、道子は小さくわらってこう言っただけだった。「みんなどうして結婚と幸せを結びつけたがるのかしら。」
今回はこの夫婦間の「狂気」について、最近思うことをまとめてみたいと思います。
この記事はマガジン記事です。ワーママはるマガジン580円。月4〜6回更新しています。
男女の関係性には3段階ある
男女が恋愛して結婚し、夫婦の関係性が深まるまでには3段階の変化があります(子持ち前提にしています)。
① カップル段階
このときは、まさにドーパミン全開。ドーパミンは、脳の側頭頭頂結合部のコントロール(客観的判断、冷静さ)を緩めてしまう効果があるので、相手のことが必要以上によく見えたり、気になるところがあっても許せてしまいます。
この時期に結婚を決めると、このままの2人の関係性が維持されるような気がしてしまう
② 結婚後の2人段階
結婚して夫婦2人になると、ドーパミンの分泌量はだんだん減ってきます。するとセロトニンが分泌されるようになってくる。セロトニンにはドーパミンの過剰分泌を抑える役目もあるため、理にかなった流れです。
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