なぜ、妻は夫を「敵」のように感じるようになってしまうのか
今日、発見があった。
なぜ、「夫を敵として見てしまっている自分がいるのか」という、ワーママのほぼ9割が感じている謎について、わたしは気づいてしまったのである。
結論から言うと、現在の日本の多くの家庭において、夫は妻にとって、真に「敵」だからなのだけど、これでは身も蓋もないのでもう少し詳細を書こうと思う。
男性と女性には脳の仕組みに違いがある、というのを以前、脳科学者の黒川伊保子さんの書籍で読んだ。うろ覚えだが、男性脳は自分より少し離れたもの、つまり外側に意識が向き、反対に女性脳は自分の周囲にあるもの、究極的には自分に意識が向くものだ、と記憶している。
女性が自分の近くにあるもの、つまり住環境や子供など「ウチ」を大切に思い守ろう、維持しようとするのに対し、男性は、「ソト」つまり仕事や社会などの方に気が向いてしまうということだ。
そして、「ソト」にばかり意識が向く男性は、家や家族など「ウチ」にあるものをおざなりにする。なんなら「都合の良い休息場所」として、好きなだけ散らかし、鋭気を養ってはまた「ソト」に出かけていく。
厄介なのは、男性にとって単なる都合のいい場所である「ウチ」は、女性にとっては愛でるべき自分の分身である、ということだ。つまり妻にとっては、「ウチ」をないがしろにする夫は、自分の最愛の分身を一番近くで毎日毀損する天敵なのだ。
毎晩遅くに帰宅し、家事も育児も全く関与せず、風呂にも入らずソファで横になりながら、
「俺はソトで働いて疲れてきてるんだ。労わって欲しい」
といった行動をとる夫の、なんと多いことか。妻にワンオペをさせている多少の後ろめたさもありつつも、「その分稼いできているのだからプラマイゼロだ」なんて思っているとしたら、勘違いも甚だしい。「ウチ」を散らかすだけの存在は、妻にとって、損なう者、つまり敵だ。ゼロではなく、マイナスなのである。
おそらく、家事や育児をしない男性は、自分の行いが妻にとってプラスになっていない(ゼロ)だという自覚はあっても、攻撃を加えている天敵(マイナス)だとは思っていない。しかしこれが、妻と夫の間にある深い谷なのである。
夫にだって、「おいおい待ってくれよ、自分は外で働いて金を稼いでいるじゃないか。間接的にうちの維持にも(プラスにも)貢献しているはずだ」という反論はあろう。妻もそのことについて、頭では感謝はするけれども、残念ながら、家事育児に非協力的な夫を感覚的に受け入れられない。いくら、敵にわずかばかりの良いところがあったとしても無理なものは無理なのだ。
男性脳が「瑣末なもの」と思っているものを、女性脳は「愛しく大切なもの」として見ている。そして、そのズレが原因の夫の何気ない行動が、妻の大事なものを損なう行為となり、妻は夫を敵視するようになるのだ。
だから、世の中の男性陣は、本当に本当の高給取り以外は、そこそこに勤務時間を切り上げて家に帰り家事育児に尽くした方が、圧倒的に家にいる妻との時間を快適に過ごせる。
妻の「敵」ではなく「同志」となるべく振る舞うのだ。
稼ぎはわずかばかり少なくなるかもしれないが、長い目で見たら絶対に人生のクオリティは上がるはずだ。
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