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逃避行1日目。神津島。
超濃厚な旅行をしてしまったので、まとめるのが難しいが感銘を受けた旅だったので頑張って記録しておきたい。一旦文字に起こさねば。
超逃げたい。とにかく、知っている景色…部屋から人から逃げたい。
東京から離れたい。
恋人のお盆休みのタイミングで旅行することに決めた。
旅行先は伊豆諸島。3泊4日の贅沢プラン。
2泊は神津島。1泊は大島。大島では恋人の母親Aさんと合流して過ごすことに。
実は東京都内なので移動もそこまで時間がかからないし交通費も比較的に安い。が、離島なので都内の感覚は無い。良い穴場だと思った。
1泊目、神津島。浜松町駅から少し歩いて竹芝からジェット船で行けば3時間で到着する。
1日目の予定・・・宿→昼食→神社→夕食→ナイトクルージング
船が動き始めて今まで見ていた硬い地面と建物だらけの景色は段々と遠ざかり深い海とスカッとした空だけの景色に変わっていった。
恋人だけは離さずに、私は今鬱屈とした生活から逃げているんだと思うと嬉しくて楽しくて高揚感でいっぱいになった。
神津島の港に着き船から出るとジリっと焼きつく日差しと風と、そしてとんでもなく綺麗な海が広がっていた。お、沖縄?!かと思っちゃった。都内なのに。
港の先を歩いていくと宿の女将さんが車でお迎えに来てくれていた。サバサバしている人だった。私と恋人、それとサーフィンをしにきたのであろうサーフボードを持ったおじさん二人組が車に乗った。
ちなみに宿屋は「ふもと屋」さん。
車で結構坂道のぼったところにあった。ふもとじゃねえじゃん。と、内心。
港から宿までは少し道のりがあったので車窓から景色を眺めることにしたのだがまぁ景色が綺麗だった。目に飛び込んでくるエメラルドグリーン、澄んだ水色、ブルーが日差しでキラキラ光っていて...大きな果てしない宝石みたい。本当に綺麗な海だった。綺麗な海が見れることは知っていたがそれが実際の景色になると全く変わってくる。今まで見ていた色と全く違う、日常にこんな色はなかった。自然ってこんなに、こんな色をしているんだと思った。視界が開けて光が入ったような感覚。
宿に着く頃にはお昼だったので荷物を下ろし、お昼を食べに出ることにした。出る直前に丁度、先ほど一緒に乗っていたおじさん達が声をかけてくれ連れて行ってくれた。助かった。
よっちゃーれセンターで漬け丼を食べた。
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思った以上に美味しくてびっくりした。醤油漬けされた刺身もそうなんだけど、一番びっくりしたのは海苔だった。美味すぎ何この海苔。しかも思った以上の量だったので食べ終わったら少し苦しくなってしまった。
待っている間カウンターから見える景色も、ずっとキラキラした宝石みたいな海とスカッと晴れた空でどこを見ても新鮮でずっとワクワクしていた。
よっちゃーれセンターの近くに目当ての神社があったので徒歩で向かうことにした。
物忌奈命神社。画像検索で鳥居と階段の出立に惹かれて楽しみにしていた。
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暑い、食後、ということもあり階段はキツかったが登り切ると鳥居の向こう側から見える海というのがまた良かった。
鳥居がフレームになっているみたいだった。
本殿境内にある木陰のベンチに座るとどっと疲れが押し寄せてきた。
あぁ、こんなに綺麗な景色があったんだ。こんな色があったんだ。こんな世界に住んでいたら、日常だったら、私の心は描く絵は使う色はもっと違ったのに。こんな色はなかった。希望の白と絶望の黒と血の赤ばかりだった。開けた視界を前に今まで見ていた世界を思い出し悲しくなってしまった。
そこからはもう疲れと悲しみですり減った残り少ない体力を更に消費しながら自力で宿へ帰った。宿に帰ってシャワーを浴びようとしたが先客がいて入れず、中々入れないので広間で待っているうちに今度はサーフィンおじさんに先を越されて烏龍茶を飲みまくる謎時間が発生した。しんどかった。
シャワーを浴びると先ほどのサーフィンおじさん...もといリュウさんとナベさんが広間にいて声をかけてくれた。「良かったらお姉さんもどう?」と言ってビールをお裾分けしてくれた。旅先の交流って良いな。
リュウさんとナベさんはサーフィン仲間だそうでまぁ適当に話を聞いたりしながら宿の夕食を食べた。魚がいっぱい。特に煮魚が本当に美味しくて気分も体力も少し回復した。
夜はナイトクルージングで夜光虫を見る体験にいった。
先に言ってしまうと、夜光虫は全然見れなかった。漁船のしぶきの中に一、二匹光ったものが飛んでいくのが見える程度だった。ポスターと全然違った。
けれどナイトクルージングに向かう道中の下り坂に夕焼け、夕陽でオレンジ色に染まった海、漁船のしぶき、音、暗くなると月が内陸よりもずっと大きくて黒くなった海に反射した月の光が思った以上に眩しくて、優しくて。
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好き、好きだと思った。愛しくなった。今が、隣にいる恋人が。「月が綺麗ですね」って言葉が納得できた。
目の前に飛び込んできた景色に圧倒されて、旅先でも過去の話を繰り返してしまった、ウンザリされるんじゃないかと怖くなった。それでも側にいてくれた。海が空が人が出会うもの全部が楽しくて優しくて共有したかった。そんな時にも側にいてくれた。
今を好きになることは過去を受け止めることでもある。ここまで来て良かったって思えた。いつもそう思わせてくれる人だ。
クルージングを終えてまた徒歩で帰ったのでへとへとになってしまい、二人ともすぐに眠りについた。ぐっすりだった。
私が変わり始めた気がする、そんな1日目だった。
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