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ウェディングフォトグラファーへの道

とにかく少女時代から、写真が好きでした。

お店で気に入ったポストカードを探し出してはアルバムに加えていくのが趣味で、気がつけば何冊ものオリジナルのポストカード写真集が本箱に並ぶようになりました。

はじめは何の気なしに「良いな」と感じるものを集めていましたが、
だんだん自分の選ぶ写真のテイストが決まっていることに気づきはじめます。

そして、偶然にも同じフォトグラファーの作品を何枚も集めていることを意識するようになりました。

高校生くらいから始めたポストカードコレクションの一部。
アウグスト・ザンダー(田舎紳士※上段左から2番目)、植田正治(砂丘シリーズ※上段右)、ボブ・ウィロビー(オードリー・ヘップバーン※下段左)、エドワード・スタイケン(グレタ・ガルボ※下段右)など。

このようにして
「写る側」から「写す側」へ…
すなわち写真を「観る」だけでなく「撮る」ことへと、
関心が広がっていったのです。

カルチャースクールの写真講座に通ったりするようになった20代前半の頃、姉が結婚。
習いたてのモノクロフィルムで撮影してアルバムを作り、プレゼントしようと思いつきました。

そのとき生まれて初めて目の当たりにした、ウェディングの「おしたく」風景・・・

人生の一大舞台に立とうとしている1人の女性(自分の姉)の、これまで見たことのない横顔...

戸惑いや緊張が次第に花嫁としての特別な輝きに移ろいでいく様子にカメラのレンズを向けた、このとき、
「私の写真の世界が、ここにある。」と、
はっきり意識したことを覚えています。

まさしくそれは、私のポストカード・コレクションの中の、優雅でちょっと切ないベル・エポックの世界であり、
古き良きハリウッド映画撮影の舞台裏であり、
報道写真から伝わってくる真実のヒューマニズムと相通じる世界であるように、
私には思えたのです。

当時、私が撮った写真は未熟なものだったけれど、
それでも自分にとって「好きな写真」と思えるものが撮れたし、
何より、姉夫婦はじめ、
アルバムを観た人に心から喜んでもらえる写真が撮れました。

それで夢中になった私は、友人・知人の結婚式に参列するたびにウェディング・アルバムをプレゼントするようになり、やがて、それを観た方々から、お仕事として写真のオーダーを受けるようになっていったー
というのが、ウェディングフォトグラファーの道のはじまりです。

もうずいぶん前の話ですが
不思議なくらい
写真ーウェディングフォトへの私の思いは
今も変わりません。


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