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ホリエモンが時代を先取り「飲食店革命」コロナから救う〜新規の時代から顧客の時代に〜

今後の飲食業界は、どうなっていくのか?コロナの影響もあり見通しがつかなくなってきました。ただ、悲観的になる必要はありません。飲食店は、室町時代から存在し700年もなくなることはなかったです。今尚、引き継がれる歴史があります。ただ、飲食店の存続は時代の変化への対応するか否かです。

飲食店に立っていると時代の変化がわかりづらいものです。消費者のお声を聞きながら変化するのも良いでしょう。ただ、それでは競合店の多い業界であるが故に、ライバルから差が開く一方です。

まずは、現在立っている飲食業の変化を見ていきましょう。そして、飲食業界の歴史から今後どうなっていくのかを仮説してみましょう。

POS革命                

1970年〜1985年は、「POS革命」とも呼ばれています。外食産業問わずPOSの導入で飛躍的に経済の変革が行われたと言っても過言ではないです。POSとは、"Point of Sales"や”Point of Service"の頭文字をとったものです。「商品を販売した時点での情報を取得・管理する仕組み」を意味します。            

POSが誕生したのは、アメリカです。そして、日本上陸が1887年と言われています。100年以上前から存在していたんですね。そして、1970年代にアメリカにて先行導入し「販売時点情報管理」と呼ばれ小売業の総合情報システムとして発展を遂げました。日本でも機会レジ(レジスタ)から、1970年代の電子式レジ(ECR)を経て、1980年代行以降にPOSシステムは導入台数を爆発的に増加しました。1995年にはWindows95が発売され、そのWindowsのOSをベースにすることにより、周辺機器間の互換性が飛躍的に向上。そして、開発コストが格段に抑えられた「オープンPOS」の接続仕様が発表されました。

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そして、現在大手となっていった企業が次々と出店をしていきました。 

                      その時代に生まれた主要外食チェーン 

1970年日本初のファミリーレストラン「すかいらーく」1号店出店。             1970年ケンタッキーフライドチキンが大阪万博に実験店を出店。              1971年マクドナルドの日本1号店が銀座に出店。                    1973年吉野家がフランチャイルズ1号店を出店。 80年代には、フランチャイルズ方式の居酒屋も登場してきた。

外食産業にとって、このPOS革命により顧客・商品管理が効率化されたことで、大規模な戦略へ移行してきた。          

業態開発には未来がない  

昨今、効率化ばかり問われ、外食産業はひたすら「業態開発」に人力を注いでいった。これは、ニッチ市場への競合比較と、差別化に勤しんだとも捉えられる。                70年代以前は、「外食したい」からPOS革命以降「〇〇産の〇〇を、〇〇な雰囲気で楽しみたい」といったニッチなターゲティングが求められるようになった。  

しかし、ニッチを極めていった結果、これ以上ニッチにすることができなくなっています。この先、業態開発に勤しむのであれば未来は見えてこない。

新規の時代    

ここでは、「POS革命」=「新規の時代」と例えたい。そして、この時代は、2015年まで続いた。 メニュー開発や空間作り、店舗拡大をメインに新規顧客獲得への戦略をしていきました。お客様も目新しいお店を好み、食通と呼ばれる方の出現していった。食通の方は、美味しいお店やおしゃれなお店を探し求めていく。そして、SNSの発達から「インスタ映え」といったワードが生まれ、次から次へとお店を転々と食べ歩くものも出てきた。

例えば、「ミシュランのお店に行った」から「ミシュランのお店を全制覇した」と行った方もいる。これは、お客様にとってスーテータスとなり、SNSへと投稿されるようになっていく。ただ、その話題も見慣れ影響力も薄れていくでしょう。

「新規の時代」の課題      

そんな「新規の時代」から課題として浮かび上がっていくものがあります。それは、常連化の低迷です。競合が増え、新規客1000人獲得したら、2年後には2人しか残っていないというデータもあります。新規客の強化を図った行き先は、常連化の低迷だ。       

常連率

外食産業は、大幅な出店が相次ぎ、価格競争に巻き込まれ、薄利多売の業界とも言われるようになっていった。特に常連化の低迷は他業種に比べ、かなり目立っている。

顧客の時代へ        

2015年から、フランチャイルズのお店から、そのお店にしかできない価値観や世界観を提供するようになっていった。そして、お客様はそれを共感し、居心地の良い空間を求めるようになって行きました。スタッフとの関係性、好ましい雰囲気、親しみのある味といったように居心地の良い空間に継続的に利用していく。また、お店は売上が安定していきます。

顧客の時代から生まれた実例① 

WAGYUMAFIA                                                    今回のテーマにあげた、堀江貴文氏こと”ホリエモン”と和牛の輸出王浜田寿人ユニットを組み経営する飲食店です。国産高級牛が破格で提供される完全会員制でスタンディング焼肉バーである。

”日本の和牛を世界へ”をコンセプトに、最高級の尾崎牛を独自ルートで入手し、世界中に和牛の素晴らしさを届けている。

ただ、和牛を調理し提供するだけでなく、塊肉の状態からの磨きパフォーマンスに加え、独自の掛け声”いってらっしゃい”やオリジナリティな提供方法が話題を呼んでいる。

ここで、挙げたいのは、完全会員制である事、お客様との対話を重視している事だ。      また、飲食提供だけに留まらず、アパレルのグッズ販売や自宅でも楽しめるキッドといった通販アイテムも好調のようだ。顧客は、"WAGYUMAFIA"の文字を目にする機会が増え、知らず知らずにお店を選択する際に、頭の中に過る。また、それを使う顧客はステータスとなっていくようなブランディングまで最大化した実に素晴らしいお店だ。       

顧客をターゲット層に絞り込んだ時代を象徴するお店です。

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顧客の時代から生まれた実例②        

アルゴリズム                広尾にあるフレンチレストラン「アルゴリズム」は、ミシュランレストランでも有名だ。”イタリアン方式”をコンセプトに全てにおいてアルゴリズムされたお店です。

席に着くとiPadが登場し動画が始まります。動画は、本日のメニューではなく、メニューの食材がそこに表示されいたり、ソースの材料が記されています。どんなお料理が出てくるのだろうと期待感が溢れ出てきます。そういったパフォーマンスが魅力的だが、現2020年5月では珍しいシステムを導入しています。

それは、テイクアウトのサブスクを導入している事だ。現在、世界中で苦しめられているコロナの影響もあり、飲食店では、テイクアウトやデリバリーが増えています。

そういった中、次の一手としてサブスクを導入した事は、飲食店では、珍しい先読みをし、注目を浴びている。

サブスクを簡単に説明します。サブスクとは、定額料金を支払う事で、一定期間のサービスが受けられる事を意味します。雑誌の定期購読や、音楽・動画の配信サービスなどはあるが、飲食店では珍しい取り組みです。コロナの中、毎日テイクアウトをサイトから選ぶ事にストレスを感じるお客様にとっては、何も考えず毎日違う食事を楽しむ事ができる。

そういったスブスクは、常連化する緒となり、生活する中でなくてはならないものとなるだろう。

これから求められる飲食店      

新規の時代に求められていた事   

・商品開発 

・業態開発  

・システム開発               

顧客の時代に求められる事         

・生涯価値               

 ・空間                 

 ・人とのつながり

ここまでを、まとめると以下のようになる。

飲食店時代マップ

「顧客の時代」は、当分終わらない      今、社会問題となっている少子高齢化、人口減少や、経済の移行として地方創生や物価上昇。こういった点からも、顧客がお店に対して”共感”し、継続的な来店をしてくれるかで、お店の売上が決まってきます。また、人とのつながりを拒む飲食店は、低迷するでしょう。

「顧客と、価値観を一緒に共感し、絆を作り、生涯価値を最大化する」これが、これからの飲食店に求められていく事になります。​



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