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NFT_#5:NFTマーケットプレイスに採用されているLazy Mintingとは

NFTマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)などで採用されているLazy Minting(レイジーミンティング)には、メリットとデメリットがあります。利用にあたって具体的にどんなことに注意が必要なのかを解説します。


Lazy Mintingとは

Lazy Mintingは、トークンの所有者から指示があるまで、そのトークンを実際にブロックチェーンに書き込むことを遅らせる方式です。この方式は、NFTを発行(ミント)する際のガス代(ガス使用料)を、NFTを作りたいユーザに負担させることを避けるという名目で、多くのマーケットプレイスで採用されています。

Lazy Mintingのメリットとリスク

■NFTマーケットプレイスとユーザにとってのメリット

ブロックチェーンに書き込まれていないトークンのマーケットプレイス内での売買は、マーケットプレイス事業者が管理するデータベース上でトークンを所有するユーザを単に書き換えるだけなので、ガス代は発生しません。これは、コストを抑えるという点で、マーケットプレイスとユーザの双方にとってメリットとなるかもしれません。

■ユーザにとってのリスク

しかしながら、Lazy Mintingはブロックチェーン上には存在しないNFTの取引を行うことを意味します。つまり、ユーザが多額のお金を払って購入したトークンは、ブロックチェーンに記録されていないため、何かの拍子で消えてなくなってしまう可能性もあります。

例えば、マーケットプレイスの運営者が事業をたたむと、ブロックチェーンに記録されていないNFTは、どこにも存在しなくなります。誰かがその事業を継続してくれれば別ですが、いずれにせよそのNFTの存在は事業者の努力に依存していることになります。これは言うまでもなく、NFTについて多くのユーザが期待している、ブロックチェーンが提供する「不変性」と「検証可能性」を損なっています。

NFTを購入する前に考えるべきこと

■Lazy Mintingに関する注意点

Lazy Mintingは、NFTマーケットプレイスとユーザの双方にとって、ガス代の負担軽減という大きなメリットを提供します。しかし一方で、ユーザが所有していると思っているトークンが、ブロックチェーンには存在していないというリスクを生じさせます。

このため、NFTを購入する際は、購入先のマーケットプレイスがLazy Mintingを行っているかどうかを事前に確認することが重要です。また、NFTマーケットプレイスの信頼性を慎重に評価することも、ユーザにとっては重要です。

■ブロックチェーン上に存在しないNFT取引の意義とは?

それでも、ブロックチェーン上に存在しないNFT取引を行う意義は何か、という疑問が残ります。NFT取引の主な目的は、デジタル・アセットに関わる権利を確認し、それを永続的に記録することにあります。しかし、トークンの所有以外は技術的には保証されないため、所有以外の権利についてはNFTが表すデジタル・アセットのステイクホルダーらと合意している必要がありますが、そのためにもトークンの所有が明確であることは役立つでしょう。

Lazy Mintingを採用している場合、この永続性と検証可能性が失われる可能性があるため、ユーザは取引の安全性と信頼性について慎重に検討する必要があります。

次回の第6回では、NFTの具体的な活用方法について解説します。


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