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Web3.0/Web3_#8:Web3にまつわる疑問 - MVD編

Web3について学ぶ中で、「これは本当なの?」と疑問に感じる概念や理論もあると思います。そんなWeb3にまつわる疑問について、3回連続で取り上げていきたいと思います。まずはWeb3開発に関するトピックでたびたび見かける「MVD」の考え方について解説していきます。


MVDは役に立つのか?

Web3のプロダクト開発には、MVD(Minimum Viable Decentralization)という考え方があります。これは、分散化の度合いを最小にした現実的なプロダクトを開発し、そこから改善していくというアプローチで、MVP(Minimum Viable Product)の考え方をベースにしています。

分散取引所(DEX:Decentralized Exchange)の開発を例にしてみましょう。MVD
MVDの考えに従って開発すると、いきなり スマートコントラクト だけで運用するのではなく、まずはユーザーを管理する中央を設けます。その上で、ユーザーをサポートするとともに問題点を抽出して改良を重ね、自動的な運用ができる状態に近づけていきます。

このMVDのアプローチはMVPと同様、最小限の開発で個々のユーザーやマーケットからフィードバックを得ることができ、プロダクトを効率的に改善できるというメリットがあります。しかし、分散化を重視するユーザーにとっては、理想的な分散化が実現されていないことから、不満を感じることもあるかもしれません。

とは言え、重要なのは分散化そのものではなく、どのような価値をユーザーに提供できるかでしょう。開発者やサービス提供者がMVDの考え方に則りつつ、ユーザーのニーズに焦点を当ててプロダクトを改善していくならば、最終的には、ユーザーに価値を提供できるサービスを実現するための考え方として、MVDは有益なアプローチであると言えるでしょう。

不誠実であることが疑われる場合は?

ユーザーが自己主権的で検閲から自由な活動を求めている場合、MVDは分散化が進行するプロセスの一部であるべきです。その場合、開発者やサービス提供者は、MVDを活用しつつも、分散化を段階的に進めていくことが重要です。

しかし、運営企業がMVDを利用して、実際には分散化を進行させずに、支配力を維持しようとする意図がある場合をリスクとして把握しておく必要があります。このような状況に対処するには、ユーザー自身がサービスの背後にある意図や進化の過程を見極める力が必要です。

ユーザーは、サービスの開発や運営に関する情報を収集し、それを評価することで、適切な選択ができるようになります。また、コミュニティや評判をチェックすることも、サービスの信頼性を判断する上で役立ちます。

次回の第9回も「Web3にまつわる疑問」として「fat protocol」という概念について解説します。インターネットや書籍等でFat Protocolを調べると、「アプリケーションよりもプロトコルに価値があるという理論」と解説されているものが多いですが、果たしてこの理論は正しいのでしょうか。ぜひ、ご確認下さい。


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