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今では金融業界に限らず、コンテンツ産業や教育産業など様々な業界がブロックチェーン技術を用いたサービスを始めており、特に注目されているのが NFT(Non-Fungible Tok…
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NFT_#1: はじめに

この章の学習目標今では金融業界に限らず、コンテンツ産業や教育産業など様々な業界がブロックチェーン技術を用いたサービスを始めており、特に注目されているのが NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)です。NFTは様々な“価値”を保証し、発行や交換が自由にできるように捉えられがちですが、NFTが保証できるものには限りがあります。 また、Ethereum(イーサリアム)ではNFTを発行・移転するために、ERC721という規格のスマートコントラクトが最も一般

NFTを含むデジタルトークンがどの法的分類に該当するか、どう判断したらよいですか?

Web3やブロックチェーン技術に関して、よくある法規制の疑問に「法律事務所ZeLo・外国法共同事業」の弁護士がワンポイントで糸口となる考え方を紹介します。Web3事業開発のヒントにぜひご活用ください。 Q:NFTを含むデジタルトークンがどの法的分類に該当するか、どのように判断すればよいですか? A:NFTを含むデジタルトークンを分類する際の基準として以下の5点が挙げられます。 (1)無償発行がされるか (2)利益の分配があるか (3)決済手段等の経済的機能を有しているか

NFTを含むデジタルトークンは法的にどのように分類されますか?

Web3やブロックチェーン技術に関して、よくある法規制の疑問に「法律事務所ZeLo・外国法共同事業」の弁護士がワンポイントで糸口となる考え方を紹介します。Web3事業開発のヒントにぜひご活用ください。 Q:NFTを含むデジタルトークンは法的にどのように分類されますか? A:NFTを含むデジタルトークンは主に以下、6つの法的性質に分類されます。 NFTを含むデジタルトークン(以下、単に「デジタルトークン」と言います)が数多く発行されていますが、デジタルトークンの法的性質は

今さら聞けない? Web3/NFTゲームの歴史と最新トレンド総まとめ(コラム)

日本の大手ゲーム会社がWeb3/NFTゲームに参入する事例も増え、2023年から2024年にかけて多くのWeb3ゲームタイトルが登場しています。そこで今回、Web3ゲームトレンドがどのように作られてきたのか、世界における事例を振り返ってみましょう。また、最新のトレンドについても紹介していきます。 モンスター対戦バトルゲーム「Axie Infinity」「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」は、Axieと呼ばれるモンスターをNFTとして使ってバトルをするこ

NFTはデジタルデータの「唯一無二」「所有権」を証明できる?(コラム)

NFTについて「デジタルデータの唯一無二性」や「デジタルデータの所有権」を表すと説明がされることがありますが、表現の仕方には注意が必要そうです。 「デジタルデータが唯一無二」であることは証明できない所有権は有体物(空間の一部を占める有形の物)に関して与えられる権利であり、「無体物であるデジタルデータに所有権は適用できない」などと否定する向きもあります。ただし、それは法律の話のため、法律が変われば変わりうる考え方です。NFTでデジタルデータの所有権を表せないことにはもっと原理

スクエニがNFTコンテンツで目指すエンタメのかけ算、「SYMBIOGENESIS」開発現場の思い(コラム)

スクウェア・エニックスは近年、ブロックチェーン・エンタテインメント領域の推進に注力しており、2023年12月には同社初となる NFT コレクティブルアートプロジェクトであるファンタジーアドベンチャー「SYMBIOGENESIS(シンビオジェネシス)」を本格展開しています。エンターテイメントにブロックチェーン技術を掛け合わせることでどのような価値創造を目指しているのか、インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクターの畑圭輔さんと、同部

地域の体験をNFTにして関係人口を増やす、JAL・博報堂らが展開する「KOKYO NFT」(コラム)

NFTを通じて地域と人をつなぎ、“故郷”のような存在を育んでいく。そんな想いを込めた「KOKYO NFT」の実証実験を、日本航空(JAL)と博報堂の2社が中心になって進めています。 KOKYO NFTは各地域の体験をNFTにしたものであり、RWA(リアルワールドアセット)の一種です。2024年3月に実証実験の第2弾として、国内6地域にゆかりのある体験が商品化されています。KOKYO NFTで目指すことをJALの事業開発部戦略・企画グループの高橋翔アシスタントマネジャーと、K

地方創生×Web3で価値創造を 「ファン向けデジタル会員権」の実証から見えたこと(コラム)

ファンベースカンパニーと岩手県紫波(しわ)町は2023年10月、Crypto Garageの技術支援のもと、紫波町ファンとの共創および新たな財源確保を目的とした「ファン向けデジタル会員権」の実証及び体験会を実施しました。地域コミュニティの活性化や地方創生に向けたプロジェクトにWeb3・ブロックチェーン技術をどう活かせるのか、今回の紫波町との取り組みについてファンベースカンパニーの池田寛人(ひろと)CFO兼コミュニティ事業部長とCrypto Garageの加藤岬造(こうぞう)C

NFTプロジェクトを成功に導く五つのヒント(コラム)

NFTの人気が高まるにつれ、多くのWeb3開発者や起業家がNFTの開発やNFTへ関与することに前向きになっています。そんなNFTをプロジェクトとして長期的に成功させるには、どんなことが必要なのでしょうか。成功のために役立ついくつかのヒントを検討してみましょう。 1. コミュニティを重視する今では大企業が主導しているNFTもありますが、元々NFTはユーザーコミュニティが主導して盛り上げてきた歴史があります。米プロバスケットボールリーグとコラボレーションしたNBA Top Sh

海外子女の学習塾が受講NFTを始めた理由、DAOコミュニティで感じた子ども達の変化(NFTコラム)

香港で誕生した海外子女専門の学習塾「epis Education Centre(エピス・エデュケーション・センター)」(運営はTBX Company Limited、以下、エピス)は2023年夏、Web3技術を活用した子ども向け学習プロジェクト「Learning Ecosystem(ラーニングエコシステム)」の実証実験を行いました。内容は、中国・深センの教室にて夏期講習またはSTEAM学習を受講した中学生20人に学びの修了NFT(受講NFT)を付与するとともに、香港(香港・ホ

古本市場に新しい風を! 早川書房が新書からNFT電子書籍を始めたわけ(コラム)

株式会社早川書房は2023年6月、新レーベル(新ブランド)「ハヤカワ新書」を創刊しました。同社の新書は2010年に終了した「ハヤカワ新書juice」以来、13年ぶりとなります。注目を集めたのが、メディアドゥとの協業で世界初という「NFT電子書籍」付きとして展開することでした。老舗出版社がなぜ今、NFT電子書籍を始めたのか。早川書房の事業本部本部長・山口晶さんとハヤカワ新書編集長の一ノ瀬翔太さんに、ハヤカワ新書に寄せる思いを聞きました。 「未知への扉をひらく」がコンセプト――

「SBINFT Mits」開発に寄せた想い - マーケティングも含めた総合NFT運営支援を(コラム)

マーケットプレイス運営からコンサルティングまで、NFTに関する様々なサービスを展開するSBINFT株式会社は2023年9月、総合NFT運営支援サービス「SBINFT Mits(ミッツ)」オープンベータ版の提供を開始しました。「NFTを通じてWeb3のインフラを整えたい」と話す事業戦略室長の中村恭一郎さんと営業推進部長の葛西駿さんに、SBINFT Mitsの狙いとNFTに寄せる思いをうかがいました。 NFTプロジェクトは「社会にどう浸透させるか」が大事――SBINFTはこれま

NFTはコレクター市場にどんなビジネスモデルをもたらすか(コラム)

現在、NFTの最も大きな活用方法は、デジタルデータのコレクターアイテム化であるといっても過言ではありません。初期はNFTアートがこの市場を開拓し、2021年にはネット上でBeeple(ビープル)として知られるアーティストMikeWinkelmannの「Everydays―The First 5000 Days」が約75億円で落札されるなど、大きな盛り上がりを見せました。そこで、NFTニーズを支えるコレクター市場についての概況を紹介します。 コレクション市場とは昔から人はモノ

情報時代が、NFTが、アートを変えた 事業に立ちはだかる三つの壁(コラム)

「情報時代がアートを変えていくだろう」 施井泰平(しい・たいへい)さんはアートの価値を見つめ、まだブロックチェーンもNFTも定義されていなかった2006年に、作品が二次流通した際に還元金が作家に支払われる仕組みの特許を日米両国で取得。2014年にはスタートバーン株式会社を起業し、アート作品の信頼性担保と価値継承を支えるインフラを提供しています。NFTがアート業界をどう変えていくのか、起業家とクリエイターの立場から施井さんに想いを聞きました。 NFT作品が75億円の価値を持