インサイドセールスへ最高のバトンを渡すリードマネジメント
はじめまして。株式会社プレイドでマーケティングチームに所属している稲葉です。普段は山のことしか話さないので、3年ぶりに仕事に関するnoteを書きます。
プレイドのマーケティングチームでは事業拡大における採用強化のため、noteによる情報発信を進めています。興味のある方はご応募お待ちしています。
このnoteのテーマはインサイドセールスへ最高のバトンを渡すリードマネジメント。特に、顧客視点に立った施策によってマーケティングとIS/FS組織とを連動させるお話です。
※IS(インサイド・セールス)/ FS(フィールド・セールス)
プレイドのざっくりbiz組織体制
プレイドのビジネスチームではThe Modelのようなファネル型の組織で、顧客情報・顧客体験をkeyにチーム間をつなぎ、問い合わせ〜成約〜活用に至るまでの顧客体験向上を推進しています。
この顧客情報・顧客体験をkeyにするというのが重要で、keyがなければファネル間の分断を生み、極端に言えば「自身の数値的なKPIさえ達成すれば良い。」といった顧客の存在を無視した事態になる可能性もあります。 重要なことは、後ろに続く仲間に最高のバトンを渡すこと、職種・チームを超えた連携によって、より良い体験を提供できるよう取り組んでいくことです。
過去には、インサイドセールスからフィールドセールス、カスタマーサクセスまで一企業(顧客)に対して一人が全てを一気通貫に担当する組織形態を取っていた時期もありましたが、企業の成長・プロダクトの拡大に伴い、高速で学習を進め、顧客に最大限コミットするために現在の形に落ち着きました(まだまだ変わっていきますが
リードマネジメントとは
リードマネジメントとは獲得から商談化までのデマンドジェネレーションにおける習熟度に応じてリードライフサイクルを管理することです。ナーチャリングであったり、再MQL化であったり、もっと細かくいうと色々あるし、会社によっては異なる認識だったりすると思います。(弊社の認識も一般に正しいものではないかもしれません)初めて聞いたという方は色々調べてみてください。
リードマネジメントとは、「あー今それほしかった」と思わせること
皆さんはこんな経験ありませんか?
仕事中、知らない番号から着電。訝しがりながら電話に出ると、こっちの状況も興味もお構いなしに一方的に浴びせかけられる営業文句。
朝、メールボックスを開くと似たり寄ったりな件名の営業メールがずらっと並んで本当に重要な連絡が埋もれてしまう。
イラッとしますよね?
どちらも、相手の興味やタイミングに合わせることなく、自分たちの都合を押し売りしているから、気持ちを掴むことができません。
逆に、「あー。今ちょうどその情報欲しかった!」「え?そんな話あるんだ?気になる!」と、興味を唆られるようなアプローチを受けることもあります。この差はなんでしょうか?
リードに対して情報をきちんと整理し、顧客視点に立ったアプローチを適切に行うこと、すなわりリードをちゃんとマネジメントすること。これこそが成果に結びつく本当の意味での顧客との関係性構築だと思います。
では、顧客視点に立つとは?
リードをマネジメントすること、顧客視点に立った適切なアプローチを実行するには、「いつ」「誰に」「何を」提供すべきかを考えることが重要です。
とても当たり前のことを書いていますが、一時の数値だけを求めるならば体験を無視して保有リード全てにメールor電話をして、数撃ちゃ当たる作戦を決行するほうが良いこともあるでしょう。
何も考えず10000件にアタックして30件の商談を獲得するか、
しっかり吟味して100件にアタックし30件の商談を獲得するか。
設計コストを加味すれば前者のほうがはるかにコスパが良いです。そうしている企業も多くあると思います。
しかし、自分は(最大)9970件に与える負の影響を鑑みた時に、その手段を使わないことへの矜持が重要だと思っています。
なにより弊社は顧客体験の向上を謳うプロダクトを提供しているのですから、そんな我々が顧客体験を無視したアプローチをするわけにはいきません。そのようなアプローチに違和感を感じたことがある人は、ぜひ一度お話ししましょう!
最高のバトン
では本題。最高のバトンとは何か。 それは、顧客にとってアプローチして欲しいタイミングをISへ伝えること、そしてタイミングだけじゃなく、そこに付随する情報も伝えることだと考えています。 タイミングと情報さえ分かれば、後は人の力で「なに」を伝えるべきかを吟味しアプローチするだけとなります。 顧客にアプローチするタイミングは大きく分けて、リアクティブ(顧客に対する返答)とプロアクティブ(先回りの声がけ)の2つがあります。
弊社で実際に行っている施策の一部をご紹介していきます。
リアクティブ(顧客に対する返答)
まずは分かりやすいリアクティブ。お問い合わせのあった顧客に対する返答です。
既に問い合わせと同時に顧客へ連絡している方はたくさんいらっしゃるかと思います。我々も当初は言葉そのままのアクションをしていました。
しかし、顧客は必ずしも知りたい詳細な情報をフォームへ入力するわけでもなく、聞きたい内容も整理されていないこともあります。「それは顧客へのヒアリング能力だろう」という声もあると思いますが、大事なのは顧客のニーズを先読みすること。プレイドでは問い合わせや資料請求があったときに以下のような情報もISへリアルタイムに伝えています。
リアルタイムに情報をISへ届ければ、IS担当者はその情報から顧客のニーズの仮説や重要度、提案すべき内容の整理がしやすくなり、顧客にとって価値のある情報を提供できるようになります。
これだけでも顧客にとっては、「聞きたかった内容それだ!」「あー。考えてなかったけど、それもある!」といった端的に分かりやすい価値ある情報を提供してもらえたという体験に繋がるはずです。
プロアクティブ(先回りの声がけ)
つぎにプロアクティブ。先回りした声がけですが、これはタイミングや情報を見誤ると悪い体験に繋がってしまいます。プロアクティブの中にもいくつか種類がありますが、まずはリアクティブに近いものから。
サイト来訪者への声がけ
リアルな店舗で商品を探しているときに、店員から声がけされた経験は誰しもがあると思います。体験の良し悪しはありますが、実際に商品を探しているときの接客は良い体験に繋がることが多いと思います。
これをオンラインに置き換えると、プロダクトのWebサイトを見た時、すなわちプロダクトについて調べているときに声がけをすることになります。 Webチャットで話しかけることもあれば、その日または後日にメールや電話でアプローチすることが考えられます。
プレイドでは、過去にお問い合わせやメールをいただいた方がサイトに再来訪した際、担当の営業がすぐに気付けるような仕組みを作っています。
これによって、暫く連絡をしていなかった顧客や、今現在商談が進んでいる顧客、過去に失注してしまった顧客の興味度合いの推定ができ、各担当が適切なアプローチをすることで顧客の今知りたいことを先回りして提供することが可能となります。
メール反応者への声がけ
顧客へのタッチポイントはサイトだけではなくメールもあります。メールへ何かしらの反応をすることは送付した情報に興味があると推定できます。メールを送った担当に「どのメール」の「何に反応したか」をリアルタイムに通知することで、その後のフォロー判断の手助けになります。
情報を探している企業への声がけ
先述の場合は個人が特定できているという話でしたが、必ずしもそのような顧客だけではありません。基本的には相手が誰か分からないものが大半です。しかし、そのような匿名の場合でもIPアドレスから企業名を特定できるサービスは提供されているので、それを使って保有しているリードへアプローチすることが可能です。
しかし、「誰」が特定できていない状態なので「いつ」アプローチするかは難しい判断となります。それは個々の状況によって異なるので各企業の担当やISが直近のアプローチ状況から判断することとなります。マーケティングとしてはその判断をするための「情報」を提供することが重要です。
また、比較サービスのサイトなどでは、登録企業が自社製品の口コミを見ている・競合製品と比較しているなどの情報を提供しているものもあります。 プレイドでは、その情報も毎朝前日分を通知し、各担当の行動判断の手助けになるようにしています。
行動をトリガーとしない声がけ
先述のような仕掛けを作ることなく、恐らく多くの企業が既にやっているであろうアプローチ方法もあります。 例えば、以前の商談で言っていた「サイトリニューアルのタイミング」や、顧客の業界に合わせた繁忙期・閑散期のタイミング、顧客ごとの来期戦略策定時期などに合わせたアプローチです。 これらのタイミングは一般に何か課題を抽出していたり、新たな目標を設定していたりするため、しっかりと見極めれば価値のある情報を提供することが可能となります。
その見極めのためには、過去のアプローチ情報や、顧客企業・業界の最新情報などの情報を整理します。そして「来月にアプローチする企業リスト」として抽出、ISと一緒にすり合わせをすることで、より「いつ」「誰に」「何を」の精度をあげたアプローチが可能となります。
全ての鍵は顧客情報にある
最高のバトンの話を思い出します。それはタイミングと情報。
ここまで書いた内容は全てタイミングと顧客情報がkeyとなっています。そしてそのために必要なのは、普段から顧客情報を丁寧に貯めること。これに尽きます。顧客視点にたったアプローチ、そして顧客体験の向上。そのベースにあるのが顧客情報です。
CRMやSFAに顧客情報を貯められない。記入してくれない。といった声をよく聞きます。「入力しなくても良いだろう」といった考えはあくまで自社視点で顧客情報を貯めているからなのではないでしょうか。 顧客情報をなぜ貯めるのか。それは顧客の視点にたって体験を向上するためです。情報は自社のためではなく顧客のために貯めるのです。
タイミングや提供する情報といったものは業界や会社、状況が異なれば適切なものも変わってきます。ここに書いたアプローチも状況によっては役に立たないものになると思います。
しかし、どんな場合でも大事なのは、顧客情報は顧客のために貯め、大事に扱う。それがISへの最高のバトンタッチになる。そして最高の顧客体験を作ることへ繋がる。といったことを全社で意識することだと思います。
ちょっと精神論的な話に落ち着いてしまいましたが、プレイドではマーケティングや営業活動ひとつをとっても顧客体験を重要視しています。もちろん人と人の話になるので、相手にとっては不快に感じられる、負の体験をさせてしまっていることもあると思います。しかし、大事なのはそこで終わらせないこと。相手のことを考え抜くことです。
もしこのようなリードマネジメント、マーケティング、営業、プロダクトに興味があるという方はぜひ一度お話できればと思います。
※また、もしプレイドからのアプローチに不快な思いをされた方は、是非弊社問い合わせフォームなどへのフィードバックもお待ちしています!
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