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先人たちが国歌「君が代」に込めた想いとは?(前編)ー先生のための『和の国・日本国』講座⑪ー

こんにちは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


10月の終わりから

11月の初めにかけて、


①「大阪都構想」の住民投票

②「愛知県大村知事」のリコール署名

そして、

「アメリカ合衆国大統領」選挙。。。


それに、私事ですと「運動会


何かそわそわする日々

何か変わりそうな日々が続いていますが

みなさんは、いかがお過ごしでしょうか。


目まぐるしく情勢が変わっていきますが、

そんなときほど

自分は何を「正しい」とするのかを見極め、

自分の志や信念を見つめなおしながら、

自分の考えを持って、

注視していきたいものですね。


今回は、

「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと

国歌「君が代」に焦点を当て、

どのようにして国歌「君が代」が生まれたのか?

「君が代」にはどんな想いが込められているのか?

を学びながら、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



【今日の内容】先人たちが国歌「君が代」に込めた想いとは?(前編)~先生のための『和の国・日本国』講座⑪〜 
1)「君が代」は『世界で一番〇〇』な国歌!?
2)「君が代」の歌詞はぶっちぎりで『世界〇〇』!!
3)「君が代」はみんなが知っていた歌だった!?
4)どのようにして「君が代」が国歌となったのか?
5)「君が代」は世界国歌で唯一「〇」から始まる国歌!!




1)「君が代」は『世界で一番〇〇』な国歌!?



前回の記事でお話しした「国旗」と同じように、

世界のどこの国でも、

その国の国柄がよくわかる「国歌」があります。


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「国歌」と言えば、

入学式や卒業式

国の大切な式典や行事

オリンピック

などで演奏されますよね。


日本国の「国歌」と言えば、




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君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
巌となりて
苔のむすまで


「君が代」


ですよね。


じつは、


「君が代」は
「世界で一番短い歌詞」の国歌


と言われているんです!!!


ここで、

世界各国の国歌の歌詞を見てみましょう。


例えば、

アメリカ合衆国の国歌である「星条旗」。


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そして、

イギリスの国歌「神よ女王を守りたまえ」。


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フランス共和国の国歌「ラ・マルセイエーズ」。


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中華人民共和国の国歌「義勇軍行進曲」。


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上記は、

1番の歌詞しかあげていませんが、

世界の国歌は

2番、3番まであることが当たり前!!


中には、

ハンガリーのように8番まである国歌もあるんです!


しかし、

日本国の国歌 「君が代」 はどうでしょうか。


君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
巌となりて
苔のむすまで


やっぱり短いですよね!!




2)「君が代」の歌詞は

  ぶっちぎりで『世界〇〇』!!



しかも、

言われるとはっと気づかれる方もおられるかもしれませんが、


『和歌』


なんです!

「五・七・五・七・七」

になっていませんか?


この和歌の作者は、

「詠み人知らず」


つまり、

「作者不明」

古すぎて、だれが作ったのか分からないんです。。。


「君が代」が一番最初に書かれた文献は、


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905年に作成された『古今和歌集』


とされています。

1000年以上前の段階で

「古すぎてだれが詠んだのか分からない」

って!

どのくらい前なんだ!!!って話ですよね。




『古今和歌集』は、

「勅撰和歌集」と言われ、

「天皇が選んで、天皇が編纂を命じた」和歌集です。




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今は、「娯楽」というと

ゲーム

テーマパーク

さまざまなものがありますが、

1000年以上前までは、

「娯楽」というと

天皇から

防人

商人

農民にいたるまで

みんなが嗜む共通の「娯楽」

「和歌」でした。


なんと知的な娯楽でしょうか。


そして、

みんなが娯楽として楽しんでいた「和歌」の

権威である

「古今和歌集」に自分の詠んだ歌が

載ることは、

「オリコンチャートにランクイン」するくらい

凄いことなんです!!




そして、

「君が代」

「国歌」としての歴史は浅いのですが、


歌詞が成立してからの長さでいえば
ぶっちぎりで「世界最古」


なんです!!


世界で現存する最古の国家である日本国を考えれば

当然のことかもしれませんが。


ちなみに、

この時の歌詞の冒頭は

「君が代は…」

ではなく

「わが君は…」

となっていました。




3)「君が代」はみんなが知っていた歌だった!?



『古今和歌集』に収録されて以降、

次に「君が代」が登場するのは、


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1018年 『和漢朗詠集』


です。


これは、藤原公任(きんとう)の詩文集です。


この時には、

歌詞の冒頭は

現在と同じ

「君が代は…」から始まるものになっています。


最初に収録された『古今和歌集』が915年

次に収録された『和漢朗詠集』が1018年

この間、113年!!


先ほど、

「和歌集」に歌が載ることは

「オリコンチャートにランクイン」するくらいすごいことと

話しましたが、

100年後のオリコンに再びランクインするということなんです!!

100年以上前の曲が再びヒットしたということなんです!!

ふつうにすごくないですか?!


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100年以上前に生まれた曲で、

今でもヒットしている曲といえば

「団子三兄弟」くらいじゃないですか?

(もう今の子どもたちは知らないかもしれませんが…)


「君が代」が国歌として採用された要因の一つに


「みんなが知っていたから」


ということがあるくらいなんですね。


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誕生日になったら

「ハッピバースデートゥーユー」と歌ったり、



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お正月になったら

「も~い~くつね~る~と~お~しょ~お~が~つ~」と歌ったり

するくらいみんなが当たり前のように知っているもの

だったんです!




4)どのようにして「君が代」が国歌となったのか?



日本は長い間、

「国歌」というものは全く必要としていませんでした。


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特に江戸時代を通じて日本は鎖国していたので

使う場面がなかったのです。


「国歌」

どのように使われるかというと

外国の要人が来日したり、

日本が外国に訪問したりするときに

敬意を称してお互いの国家を演奏し合うという

「外交儀礼」に使われていました。


しかし、明治時代になると

外国との交流も盛んになり、

「国歌」を作る必要性が出てきました。



一般的に「国歌」というと


「戦争の歌」


なんです。



先ほどの歌詞を見てみてください。


アメリカ

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フランス

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中国

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このように革命によって成立した国というのは

「いかにわが国が勝利を収めて、自由を勝ち取ったのか」

というようなことがなが~く語られているのです。



しかし、

日本国はそのような経緯でつくられた国家ではありません。



そこで、「君主国」

王様がいる国家である

イギリスやオランダやスペインなどの国歌を参考にしました。


イギリス

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君主国の国歌の特徴として、

「王様が長生きしますように…」

「王様が元気でいますように…」

というものがあります。


そこで、日本は、これに倣い

「天皇陛下が長生きしますように…」

「天皇陛下が元気でいますように…」

という趣旨の国歌をつくることにしました。


そして、

すぐに候補として挙がったのが


「君が代」


でした。

理由は、先ほど述べたように

「みんなが知っていた歌だったから」です。


ところが

問題なのは「メロディー」です。


当時、日本には、


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筝(こと)や三味線、尺八など

「雅楽」しかありませんでした。


当時、外国にはそのようなものはなく

外国の人々がすぐに演奏できるものではありませんでした。


そのため、


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「マーチングバンド」で演奏できるものでないといけませんでした。

今までそんなことは考えたこともなかったので

「編曲」や「メロディー」の作成に戸惑ってしまいます。



そこで、明治2年。

イギリスの王子が来日したときに…




イギリスの軍楽隊長であるフェントンさんに
丸投げしちゃいました(笑)



そして、完成したはいいのですが…

フェントンさんはイギリス人なので

日本語が分からず

どこで文節が切れるのかも分かりません。


一回試しに使ってみると

「どこで息継ぎしたらよいのか分からない…」

「演奏もしづらい…」

ということで、二度と使われることのない

幻のものとなりました(笑)




5)「君が代」は世界国歌で唯一「〇」から始まる国歌!!



そして、

「やっぱり日本人が作らないとダメだ!!!!」

ということになり、

宮中の楽師である


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林廣守(はやしひろもり)さんと

奥好義(おくよしひさ)さんに

お願いをして、

最終的に雅楽によるメロディーが作られました。



この「雅楽によるメロディー」。

じつは、世界から見るとすごいものなんです!


一般的に世界の国歌は

音階の「ソ」か「ド」から始まるものが普通だそうです。


しかし、

わが国の国歌「君が代」


世界で唯一「レ」から始まる
日本古来の雅楽発祥の今様音階


なんだそうです!

そのため、西洋の人にとっては、

耳に新しく

明治36年にドイツで行われた

「世界国歌コンクール」


「君が代」は
荘重で優美、世界最高の国歌だ!!


と1等に選ばれたほどでした。



そして、明治13年


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ドイツの軍楽隊長のエッケルトさんに

雅楽で演奏する「君が代」を聴いてもらい

それをマーチングバンド用に編曲してもらったもの。


それが今、

わたしたちが歌っている「君が代」になります。




紆余曲折して

いよいよ誕生した「君が代」


次の記事では、

「君が代」にまつわる問題

「君が代」に込められた想い

についてお話ししたいと思います。





これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。


しかし、

2011年3月11日

東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。


じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!


まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。


「日本を知ることは、
       『自分のルーツ』を知ること」



わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?

そして、子どもたちに伝えませんか?

自分の生まれた国を誇りに感じることは、
きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。


一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。


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