見出し画像

「母の願い」が奇跡を起こす!八十神の逆襲!【上巻】⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)ー日本最古の歴史書『古事記』⑮ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

大国主神の国づくり(因幡の白兎)(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



「母の願い」が奇跡を起こす!八十神の逆襲!
【上巻】⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)
ー日本最古の歴史書『古事記』⑮ー
【今日の内容】

1)手の込んだ八十神の逆襲 
2)どれだけお人好しなの?オオナムヂさん! 
3)母の願いが奇跡を起こす!




前回の記事では、


画像1


「因幡の白兎」のお話をしてきました。

そして、

うさぎがオオナムヂに告げた予言は、

「予祝」といい、

日本人が昔から大切にしてきた夢を叶える法則であった

ということもお話をしてきました。


今回は、

ヤガミヒメと結婚することになったオオナムヂが

どのようになっていくのか?

お話していきたいと思います。




1)手の込んだ八十神の逆襲



画像2


兄弟同士で一人の女性を奪い合う。


どう考えてもバッドエンドしか想像できません。。。


そして、この結末は最悪の形で現実のものとなります。


ヤガミヒメと結婚することに決まったオオナムヂですが、

兄である八十神は納得いきません。


イケメンでなんでもできる完璧な男ならば

諦めの余地もありますが、

相手は、今まで荷物係やいわば使いっ走りのような存在であった

弟が自分たちが追い求めていた美女と結婚する。


納得いくわけがありません。


そこで、

八十神は話し合い、

なんとオオナムヂを殺害することを決意します。


【方法①】火で真っ赤に焼いた大岩で…


ある日、

伯伎国(ははきのくに)の手間山(てまやま)のふもとに

オオナムヂを連れ出し


「おい。オオナムヂ。この山には大きな赤いイノシシがいる。おれたちが上からイノシシを追い立てるから、お前はそれをふもとで待ち伏せて捕らえよ!もし捕らえそこなったら、お前を殺すぞ!」


と。


もう「殺す」って言っちゃってますね。。。


こんなことを言われたら、

ビビってしまいますよね。。。


本当に恐ろしいお兄さんたちです。

いきなり殺すのではなく、あくまでも自然な流れで…と

考えたのでしょうか?



画像3


八十神は本当に手の込んだことをしていますよね。

わざわざイノシシの形に似た岩を持ってきて、

(彫ったのか、持ってきたのか分かりませんが…)

(ごつごつしているよりも丸い形の方がよく回ると思うのですが…)

(私は生まれてこの方イノシシ形の岩を見たことがありません…(笑))


画像4


しかも、

それを真っ赤になるまで焼くんですよ。

(ちなみに岩石が真っ赤になる温度は約800~1200℃といわれています…)


とにかく、こんなに手を込んでまでオオナムヂを殺そうとしていたんですね。相当な執念が感じられます。。。


画像5


そして、

お兄さんたちの言いつけ通り

オオナムヂはふもとでイノシシが来るのを待ちました。


そこに

ゴロンゴロンとイノシシの形のした大きな熱々の岩が

転がり落ちてきます。

(きっと原型をとどめていませんよね…)

普通だったら、

「これはマズい…。受け止めきれない!!」

となって逃げるところですが、

「イノシシが来た!イノシシが来た!つかまれなきゃ!捕まえなきゃ!」

となって受け止めようとするわけです。


当然。

押しつぶされて、焼けてしまい

あっけなくオオナムヂは亡くなってしまいました。。。




2)どれだけお人好しなの?オオナムヂさん!



こうして、オオナムヂは殺されてしまいました。


それを聞いた

オオナムヂと八十神の母である

刺国若比売(サシクニワカヒメ)は悲しんで悲しんで

神産巣日神(カムムスヒノカミ)にお願いしました。


画像6


このカムムスヒノカミは、三番目に登場した命を生み出す神様でした。


「なんとか。なんとか息子を助けてくれませんか。お願いします!」


母の願いを受けたカムムスヒノカミは、

𧏛貝比売(キサカイヒメ)蛤貝比売(ウムガイヒメ)を差し使い、

赤貝の神様はまぐりの神様!)

赤貝の粉と蛤のスープでつくった火傷の薬を塗ることで

古代の治療法だったとか!)

オオナムヂを生き返らせました。


なんと!神様は生き返ることができることがここで分かりました!(笑)



………


ところが。

生き返ったオオナムヂ。

また殺されてしまいます。。。


「兄さん!オオナムヂが母上のもとでお話をしていました!」


「なんだと!あいつは焼け死んだのではないのか!」


「本当だ!なんで生きているんだ!!とにかく別の作戦を使って…。次こそは…。。。」


「今度は誰も目につかないところで動けないようにしてやるのはどうだろう…?」


というように、

生き返ったことに気づいた八十神は別の方法での計画を考えました。


「お前!生きていたのか!本当に良かった!」


「ありがとうございます!兄上!焼けた岩が突然襲ってきまして…。イノシシは逃してしまいました。。」


「そんなことはもういいんだよ!それより、気晴らしにハイキングをしないか?」


「いいですね!」


と言うように、

八十神に連れられて今度は森に行くことにしました。


どれだけお人好しなの!オオナムヂさん!!


と思わず言いたくなってしまいますよね!

だって、一度、殺されたんですよ!!

ところが警戒せずに

疑うこともせずにのこのことついて行っちゃうんです。


【方法②】 大きな木に挟まれて…


画像7


またまた手の込んだことをしてくれます。八十神さん。


大きな木に切り込みを入れて

それをギュイ~ンと左右に開いて

木の俣にくさびを打ち込みます。


そうすると

木がしなった状態で止まりますよね。


そこにオオナムヂを連れ出して

今度は「度胸試しをしよう!」と言うことになります。


「くさびはいつ抜けてしまうか分からないから、危ないことには変わりない。この隙間に入ることができたら、そいつを度胸があるやつだと認めよう!」


「面白そうだな。なあ、オオナムヂ。お前もそう思うだろ?」


「そう思うよな!なあ!」


どれだけ無茶苦茶なことか。

でも、オオナムヂは納得してしまうんですね。


そして、当然。

一番最初に通るのはオオナムヂです。


どう考えたって危ないのですがオオナムヂは


「これでいいですか?」


なんて言って通ろうとしました。


すると…。


画像8


「バチチイイイイイイイイイイインッッ!!!!」


と大きな音とともに挟み殺されてしまったのです。。。


一度は生き返ったオオナムヂですが、

またまた殺されてしまいました。


果たして、

この後、オオナムヂはどうなってしまうのでしょうか…?




3)母の願いが奇跡を起こす!



「ざまあみろ!いい気味だ。あそこなら誰にも気づかれることはないだろう。」


しかし、

オオナムヂの母であるサシクニワカヒメの勘は鋭かったのです。


またまた息子が帰ってこないので

あちこち探しました。


そして、


画像9


森の中で木の俣に挟まって死んでいるオオナムヂを発見するのです。


「まああ。。。何ということでしょう。たいへんなことになってしまいましたわあ。」


しかし、

もう一度、カムムスヒノカミにお願いするわけにはいきません。

しかも、

前回は火傷による死だったため、薬を出してもらうことで

助かることができましたが、

今回の場合は、「圧死」です。


母は相当悩んだことでしょう。。。


「どうしよう。何とかしないと。でも、どうしたらいいの。。。」


そこで、母は思いつきます。


「…もしかしたら、自分が気合を入れて念じたら、生き返るかもしれない!」


となって、

ひたすら念じました。

もしかしたら、呪文を唱えたりもしたのかもしれません。


とにかく念じると、


画像10


再びオオナムヂは息を吹き返しました。


まさに


『母の願い』


が通じたのかもしれません。


しかし、

ここにいたらまた八十神に気づかれてしまい、

また殺されるかもしれない。

2回目は奇跡的に生き返ったけど、

次はもう駄目だろう。。。


ならば…。


と母はオオナムヂを生き延びさせるために

新しい一手を考えることになります。



画像11


「オオナムヂの死と復活」


民俗学でいう『成年式』


であり、


子どもに肉体的・精神的につらい試練を与え、

それを乗り越えることで

結婚や祭礼・社会への参加資格を得て、

周りから一人前と扱われるという儀式


を表すものとされています。


『古事記』の中で、

オオナムヂは

いくつもの試練を経て、

王者なるために次々と困難を乗り越えていくのです。




日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。


一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?