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うつになってはじめて、起き上がれなくなった

わたしは躁鬱なのと、比較的早期にクリニックを受診したのとで、いままで朝起き上がれないということはなかった。むしろ朝は爽快で、夕方から夜にかけてひどく気分が落ち込む。マスクをしているのをいいことに、顔をぐしゃぐしゃにして号泣しながら家路を辿ることもしばしばだ。

今朝、昨日からすこし薬が増量していることもあって、それなりの眠気のような疲れのような、いつもほどの爽快感を感じないままにベッドを出た。最低限の化粧だけして、もう自炊ができなくなっているので(じぶんのつくったものを食べる気がどうにも起こらない)、ふかした芋と、牛乳と、野菜ジュースにチオビタを飲んでなんとかバランスを保った気になって家を出た。せっかく昨日の夜のうちにまとめたごみを捨てるのは忘れた。

そうして気力がいつもより足りないままに午前中をなんとかこなした。リーダーに諸々の相談をして、昼休憩になった。

昼休憩は、いつもほとんどを睡眠にあてている。朝と同じふかした芋を喉につまらせながら食べて、食べ終わったら、私物のコストコの毛布を引っ被って寝る。だいたいいつも20〜30分寝る。今日も30分ほど寝た。そしたら今日は、アラームの音を聞いても、文字通りからだが鉛のようで、起き上がれなかった。

ショックだった。ショックで、しばらくじたばたしてみたけれど、どうしてもだめだった。昼休憩から戻る時間が迫っていたので、わたしは諦めてリーダーに電話をかけ、もう30分休ませてほしいと頼んだ。

30分休んだ。だからつまり小一時間休んだ。それでもだめだった。ハウルの動く城でハウルがでろでろに真っ黒い液体を垂らして帰ってくるシーンがあったような気がするが、ああいう気持ちだった。だめだ、がんばれない、そう思ったわたしは早退を申し出た。

泣きながら帰った。お父さんお母さんごめんなさい。娘はこんなにも社会不適合です。もうしぬしかないとおもった。涙が止まらなかった。

いつか、ほんとうにしにたくなくなる日がくるのだろうか。当たり前に働ける日がくるのだろうか。びくびくせずに、友だちと遊べる日がくるのだろうか。

わからない。しんじられない。底無しのくらあい夜しか、わたしにはみえない。

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