【No.1174】否定語の多い日本語

受験直前期に入り、記述問題の解答文の添削をよくしています。一朝一夕で良くなるものでもないけれど、子供たちの成長はハンパないのです。今からでも一気に伸びます。

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例えば、

「江戸時代には、人々が海外旅行をすることは少なかったが、全くないことはない。一部の商人や使節は、特別な許可を得て海外へ行くことがあった。」

という答えも、

「江戸時代には、一部の商人などが特別な許可を得て海外へ行くことがあった。」

と書き換えてしまえば、文字数が半分になります。

字数制限があっても、別の内容も解答に盛り込むことができます。部分点がもらえる可能性が増えます。問題にもよりますが、字数制限内で、いかにたくさんの要素を盛り込むかが記述問題でのカギとなります。

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国語が得意な生徒にも多いのが、二重否定です。「~ない~ない」とつなげるやつです。上記の例なら「全くないことはない」のとこです。

ここまで顕著ではなくても、「反対しなかった」など、否定語を否定する形は特に多いです。これは「賛成した」とすれば良いわけです。もちろん文脈にもよりますが、字数も減り、意味も通じやすくなります。

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少なくとも受験の記述問題では、国会の答弁ではありませんから、相手(採点者)を煙に巻く必要はありません。というか、シンプルに答えて、少しでも得点をとりたい。

採点者も大量の答案を採点するので忙しい。意味の分かりづらいものは即刻バツになるでしょう。「賛成の反対なのだ」とか言っててはだめなのです。

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ただ、これって日本語という文化によるものかと思います。

個人的にめっちゃくちゃ気になるのが

子供に対して「ご飯食べない?」と誘う親の言葉遣いです。
「食べよう?」でいいじゃん。

あと、「走らないで!」とか「騒がないで!」とか
それぞれ「歩いて」「静かにして」でいいわけです。

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大人になってからも、メールなどで
ご返信いただけないでしょうか?などと使います

もちろん丁寧な表現にしているのは分かりますし
僕自身たっくさん使ってしまっていますが、
シンプルに長いし、読むの面倒ですよね。

「~以外」という言葉もやっかいで

●●日、●●日以外、空いていませんとか言われると
もう!結局いつが空いとるのか!って思いますよね。

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こういう表現って
小さいころからの積み上げなので、
気づいたときから修正していかないと治らないよなと思います

子供への言葉づかいは気をつけていきたいですね。





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