【No.1171】心のティンカーベル

いつものとこで髪を切りました。毎回楽しみにしている美容師さんとの会話が、今回は楽しめませんでした。鏡の横のテレビで、映画がかかっていたからです。

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ディズニーの「レミーのおいしいレストラン」です。初めて見ました。美容室なので音声はなく字幕だけ。でも、映画の最初から見れたので、話の流れは分かりました。

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主人公のレミーは、料理が好きで仲間から浮いているネズミ。

彼のヒーローは、人間のシェフです。料理番組を通じて、その伝説のシェフの考えに触れ、料理に魅了されます。ただ、そのシェフは、料理評論家に酷評されたことがショックで死んでいたのだとか。

批判に対してストレス耐性のない人が、一流と呼ばれるほど大成できるのか、甚だ疑問ですが、物語が進むと何か別の原因が明らかになるのかもしれません。冒頭30分しか見てないので分かりません。

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とにかく、物語はレミーと家族が人間に見つかり逃げる途中で、彼が家族とはぐれるシーンへと進みます。

レミーはひとり、食べ物もろくに見つからず。やっと潜り込んだレストランで、盗み食いをしようとします。

そのとき、憧れのシェフが、ピーターパンのティンカーベルのように、ちっちゃいおっさん幽霊として現れ、戒めます。

レミーに対して「料理人を目指すヤツが盗み食いをしても良いのか」レミーは反論しますが「料理人は盗むのではなく、自分で作れ」

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よくある話ですね。心の声として師匠がアドバイスしてくるやつ。今回は憧れのシェフが、小さな幽霊?幻覚?として現れました。

ここで思うのですが、師匠の幽霊は、レミーにとって単なる幻ではなく、レミー自身の内面の声であり、彼の夢と情熱を象徴しているのではないでしょうか。実際、その師匠はレミーが困ったとき「僕は君の想像の産物だから助けてあげられない」と言っています。当たり前なのですが、想像でしかないんですよね。

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とするなら、僕たちも、人生で自分の内なる、小さいおっさん?幽霊?妖精?天使と悪魔?を持てるといいですよね。

自己啓発の世界では、しばしば「あの人ならどうするだろう?」と自分に問いかけることが推奨されます。ただ、そう問うことを忘れがちなので、レミーのように、具体的な人物を幽霊や妖精として思い浮かべると良さそうです。師匠の幽霊が勝手に現れるように「思い浮かぶ」という状態が理想かもしれません。

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そんな自動発動型の師匠を持つためには、どうすると良いでしょうか?

1. まず、メンターを見つけること。まずこれ。自分が尊敬し、学びたいと思う人物を見つけることが必要ですね。この人物は実在する必要はなく、歴史上の人物や架空のキャラクターでも良さそうです。その人物の価値観、行動様式、思考方法を学ぶことで、自分の内なる指導者を形成することができます。

2. 真似ること。メンターとして選んだ人物の行動や思考を実生活で模倣してみることも重要です。彼らがどのように行動するかを見て、それを自分の生活に取り入れてみます。

3. なりきる。そのメンターに目下の課題を相談できても「教えてもらう」という意識ではなく不十分かもしれません。教えてもらうという意識だと、常に相手が上になってしまいます。それより、その人になりきる意識で、その人の過去も聞いて追体験し、なぜそう考え行動するようになったのかも一緒に学ぶとよいでしょう。

4. 日記を書く。 日々の出来事や考えを記録することで、自分の内面との対話を深めます。特に、自分が直面している問題について、そのメンターならどのように対処するかを考え、書き記すことが有効です。

5. 常に触れ続ける。 メンターとなる人物の生き方、哲学、業績について学び続けることも重要です。メンターも成長していますから、常に更新をかけていく必要があります。

6. 最後に、というより、前提として、強い欲求が必要です。そもそも目標がないのにメンターがいるというのも変です。自分のなりたい姿を、全面的であれ、一部分だけであれ、体現している人をメンターとして模倣する必要があります。

そして、そういう人になりたいという強い欲求があるからこそ、今どう行動するべきかという疑問が生まれます。目先の欲望に流されるのか、理想の自分となるべく精進するのか

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レミーと、師匠の幽霊の関係から学べることは、心の導き手となる人物について深く理解することと、強い欲求の重要性です。これは、自分の興味関心を知ると同時に、師匠の哲学、価値観、行動原則を理解することを意味します。

レミーが師匠の幻影を通じて具体的なアドバイスを受けることができるのは、欲求と理解、両方があったからなのでしょう。

レミーの物語は、私たち自身の内面に潜む無限の可能性と、外部からの指導を結びつける素晴らしい例です。私たちも自分の心の中にメンターを持てば、人生という料理(?)をより豊かにすることができるでしょう。

ということで、「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」という言葉を胸に、今日も1日なにか1つでも改善していきましょう!

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