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ホワイトデーにだけ非凡化するいつものマーケ営業戦略

■はじめに

こんにちは。
このシリーズもだんだんと長寿になってきましたね。
マーケ・営業プロセス向上委員会のバーチャンです。
ようやく春の足音がかすかに聞こえるようになってきました。

そんな中やってくるイベントは、ホワイトデー。
皆様と一緒に春を迎えられるようお祈り申し上げつつ、
今回もマーケ・営業の視点で見て行きましょうね。

よくよく目を凝らすと、
製品・サービス、色んな形態のビジネスに広く使える
顧客獲得のための仕掛けがありましたよ。
下記のような方には特におすすめです。

  • マーケ営業活動のコストのかけ方を考えている方

  • ホワイトデー戦略に興味のある方

  • 記念日商品の企画に携わっている方


■ホワイトデー戦略の基になる心理効果

今日はホワイトデーに込められた2つのマーケ営業戦略を
ピックアップして見て行きたいと思うのですが、
まずはその戦略の根幹にある、人間の心理現象を理解したいと思います。

これがわかっていると、色んなビジネスに応用するための視点を持ちやすいです。
それは特別難しいものではなく、
実は誰しもに昔から存在している単なる習わしが利用されていたんです。

それは、日本に特に強く根付く"お返し"の文化

良くしていただいたらお礼をしよう、何かをいただいたらお返しの品を贈ろう、というものです。

返報性の原理と呼ばれるものなのですが、
人は、厚意にはお返しをしたいと思い、敵意にはやり返したいと思い、自分を好きな相手には好感を持つ、
という心理的な傾向を持つ生き物なんですね。
なんとなく思い返してみれば、そんな気がしませんか?

では商いの場において、これがどのように登場するかと言うと、
これこそがホワイトデーの2つの戦略:

①お客さんに贈りものをし、お返しに商品を買ってもらう。
⇒ホワイトデー商品の試食・試供品を提供し、売上につなげる。

②お客さん同士の贈り合いを助ける。
⇒バレンタインデーという贈り物をするための機会に商品を提供し、
そのお返し(もしくは単なる贈り物)の機会であるホワイトデーにも商品を提供する。

※お客さんから先に何か贈り物をもらう、は商売としては希少なので割愛。

そんなのどこでも当たり前にやっているように思いますか?
実は、これらはやってさえいればいいというものではなく
ホワイトデーのような機会だからこそ、優れた一手になるんだという
要因の方に目を向けて欲しいのです。
次の章ではそれぞれを掘り下げて見て行きましょう。

■ホワイトデーにある2つの戦略

①お客さんに贈りものをし、お返しに商品を買ってもらう。

これの原理はわかりやすいですよね。
ホワイトデー用のお菓子の試食を配り、それを食べた人には返報性の原理が働き、ご購入いただける確率が向上する。
デパートやスーパーの試食コーナーにて、
「こんなに食べちゃったし、素敵な店員さんだから1個くらい買うか・・・」
と、思わず購入を決めたことはあるんじゃないでしょうか?

さて、ここでホワイトデーならではなのは、
お店に来るお客さんはホワイトデーのお返しを探していて、
いずれかの商品を買うつもりがあることがほぼ確定していることです。
つまり、来店するのはホットリード(購入見込みの高い顧客)ばかりで、
試供品マーケティングの費用対効果が平常時より圧倒的に大きくなる状況を
一時的に作り出せていることなんですね。
インサイドセールスのコストをまるまるカットしているようなものです。

このように、何を無料で提供するかばかり考えるのではなく、
どういう状況で無料提供すべきか、
その状況はどのように実現できるか、
に着目するというのは、試供品戦略を考える上で大変重要です。
試供品は確実にコストの発生する手法なので、無計画な試供品は経営の悪化さえ招きかねません。
トライアル版、無料お試し、初回割引など、これに類するものは数多くありますが、これらは有効に実行できていますか?
環境やタイミングの設計はできていますか?

②お客さん同士の贈り合いを助ける。

ホワイトデーの恐ろしいところは、
バレンタインデーとホワイトデーのマーケ営業活動が相乗効果をもたらしているということです。

人は返報性の原理に従い、
お菓子をもらったらお菓子で返す、サービスをもらったらサービスで返す、
という思考になりやすいようで、
贈り物を贈り合う2人が選択する商品は同業界、あわよくば自社の売上につながる確率が上がると言われています。
これはすなわち、
バレンタインデーのマーケ営業に力を入れるほど、ホワイトデーの売上にも貢献するという一石二鳥の効果を作り出せているんですね。
贈り合いやすい商品を考案するのはもちろんですが、それだけでなく、
ここでもマーケ営業戦略の効果が大きく膨らむ状況がどのように生まれているのか、異なる業界にも参考にできる視点がありますね。

贈り合いやすい商品と言えば、男性向け商品と対になる女性向け商品を作り、そこに紹介割引を投じるなんて事例は見かけますが、
最近では一層リピーター作りに重きが置かれる、Life Time Value重視の潮流の中で、購入や利用が続くほどお互いにメリットが生まれるようなロイヤルティプログラムを考える企業も増えているようです。
そうなると、最初の相乗効果マーケティングは、一回きりの販売だけではなく、何倍にも大きく、かつ継続的に売り上げに貢献してくれるようになりますね。

■おわりに

お返しの文化を利用した営業マーケ戦略、
いかがでしたか?
ピンと来た方はぜひあなたのビジネスにも生かしてみてくださいね。

マーケティング~セールス領域のプロセスを大きく見直す際には、
ぜひいつもの無料診断も、こちらから活用してみてくださいね。

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

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