【詩】傘
傘
日傘は揺れながら泳ぎ方を覚えようと
水浸しの空を恥ずかしげもなく揺れながら
泳いでいる 泳ぎ疲れる踊りの友を待たせながら
踊る
ふりかかる日の粉のような干しざおの隙間のような
面影をたたえながら友人のふりをしているような
空たちの涙さらいに踊りを 踊りを
踊りを 踊りを
見せつけながら
泳いでいる 内向きに
泳いでいる 日傘は 恥知らずにも
踊る そして 泳いでいる
泳ぎ方を覚えようとしているのかい 干の粉を浴び浴び
湯気を出してきたかのようなふりをして
干傘が
泳ぐ
踊る
雨を
踊る
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