偽善者だから結婚したい
もうすぐ私の誕生日。
彼が何やらコソコソ用意してくれている。
絶対にどんな物か言ってくれないけど、旅館を取ってくれるなど、気合いが入っている様子。
それは光る物ですか?指にはめる物ですか??とアキネーターのように聞いてみたい。
まあ、慎重な彼が私に何も聞かずに進めるわけない。期待しないこと。
誕生日と言えば苦い思い出がある。
「一生物のプレゼントをあげるよ。」
と笑顔で言ってきた元彼。
もう2年と少し付き合ってるし、いよいよプロポーズか!?と浮き足立つ私。
バチバチにお洒落して迎えた当日。
渡されたのは、Applewatchでした。
「一生使えるものだよ。」
と、邪気の無い笑顔の元彼。
Applewatchが、一生物…?
混乱。逡巡。失望。
期待させるような言い方するんじゃない!と怒りたいのを必死に押さえ、笑顔でありがとうと伝えた。
Applewatch、今でも使わせていただいております。最高に便利です。
*
結婚したい。と漠然と思っている。
何故、結婚したいのだろう。
一番は、大好きな貴方とずっと一緒にいれるという確証が欲しいから。
それぞれの家に帰る週末が寂しい。
結局、他人という事実も悲しい。
家族になりたい。貴方の側で貴方の一番の味方でいたい。
ライフステージによる課題を一緒に乗り越える相手に私を選んで欲しい。
それに、両親の花嫁姿を見たいと言う願いを叶えてあげたい。
でも同時に、結婚はできないとも諦めている。
努力はしてるけど、人よりできないことが多い。発達グレー。
持病のことも彼に話した。彼は優しいから、大丈夫だよ。って言ってくれた。
でも申し訳ない気持ちが消えない。
迷惑しか掛けないと分かり切っている。
御両親にも何とお伝えすればいいか。
そして、家族の望ましい関係構築の仕方を知らない。
いつか母のように感情的になり、貴方を悲しませると思うと怖い。自信が無い。
私だけ幸せになっても意味ないんです。
貴方が一番幸せになれる道に進んで欲しい。
貴方は付き合うのが初めてだから、私しかいないと思っているかもしれない。
でも貴方は私なんかに勿体ないほど素敵な人。
私の宝物。
貴方とずっと一緒にいたいけど、私の事は選ばないでとも思っている。
それなのに離れる勇気がどうしても出ない。
結局、善人にはなり切れなくて、
延命治療のような付き合いを続けている。
少なくとも私からは別れを切り出せない。
決定権は全てあなたに委ねて、
このまま卑怯に揺蕩おうと目論んでいる。
指輪も何も無くていい。式も挙げなくていい。貴方だけ居ればいい。頼むから結婚してくれ!
と脇目もふらず言ってみたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?