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女たちは本音を折りたたむ

何でも相談すりゃいいってもんじゃないんだなって思った。

前回の記事でも言及した、希望から外れた人事について悲しいって彼に言ったところ、
「組織だから仕方ない。与えられたポジションを一生懸命しないとね。」
との答え。
うん、その通りだよ。
その通りなんだけど、今、正論をぶつけられるのはきついんだ。
重々承知の上で貴方に言ってるわけで。
ただ、不安で悲しい気持ちを共有したかったんだよね。
という本音は言えなかった。

彼は慰めるのが苦手なのかな。
アドバイスを求めると的確な答えを返してくれる。
でも、とりとめもない不安を話すと途端にどう答えていいか分からない様子。
私は、「あなたなら大丈夫。」「それはしんどかったね。」って言って抱きしめて欲しいだけなんだけど。彼にとっては難しいみたい。

これからは、悩みに対して自分の中で答えを見つけてから相談するようにしよう。
大概の悩みは、自分の受け取り方によるもの。
もう少し何事もポジティブに捉えられるようにならないと。
マイナスな感情ばかり見せすぎてたな。反省。
大人なんだから自分の機嫌ぐらい自分で取りなさいということだ。

感情がまとまらないまま悩みを垂れ流しても彼を困らせてしまう。
彼から嫌われたくないから、口をつぐもう。
まるで扇を閉じるように。
「扇言葉」というものがあるらしい。
昔、恋の駆け引きで用いられていたコミュニケーション方法。
奥ゆかしくて素敵だ。

好きだからこそ何でも言葉にするのではなく、
扇を閉じたまま見せる。
そんな風に、気づかれなくてもいい気持ちもある。
好きだからどんな気持ちも受け入れて貰えるなんて思わないこと。
恋人同士なんて所詮他人。
本音は折りたたんで、貴方に見せたい私だけ見せよう。

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