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23歳・新卒一年目からはじめる副業


生まれてから大学を卒業するまでを広島で過ごし、2020年4月からVUILDで新卒社員として働くために上京してきた中村祐介さん。2021年の4月からは、暮らしたい人と暮らしたい場所で生活するために、福岡に移住してフルリモートで業務に携わる予定です。

「正社員をしつつも、23歳から自由に生活を形つくっていく過程が知りたい!」そんな広報インターンの興味関心から記事にしてみました。

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【プロフィール】
中村 祐介 YUSUKE NAKAMURA
アーキテクチャルエンジニア

1997年広島県生まれ。2020年3月広島工業大学建築デザイン学科卒業。大学3年次にインターンとしてVUILD株式会社に関わる。その後継続して広島にてリモートの業務委託として設計に携わり、モクコレや面白法人カヤックのパーゴラなどでGHを用いた設計を行った。2020年4月よりVUILD株式会社に新卒入社。

新居の家具を自分で製作

建築学科に通う大学生の頃からVUILDでのインターンを通して、CADソフトやデジタルファブリケーション(以下デジファブ)に対する理解を深めて行った中村さん。2020年春から住んでいる新居の家具の大半を自分で製作しています。

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▽他にも沢山すてきな作品があるので、続きはこちらからご覧ください!

何気ない発信が販売に繋がる

新居の家具として製作してきた作品をSNSに投稿すると、「いいね!欲しい!」と言われるようになり、まずは友人の家具を製作するところから始めた中村さん。

一度データを作ってしまえば、あとは機械でいくつでも複製できる「再現性の高さ」がデジファブの一番の強みです。そして、「欲しい!」と言われたデータを友人の自宅から一番近い工房で出力するVUILDのプレカットサービス「EMARF(エマーフ)を活用すれば、友達の自宅までの輸送費を抑えて配送することができます。

そんな活動を発信していたら、意図せず製作依頼を受けるようになりました。そこから、現在では知り合いの枠を越えて「BASE」などのECサイトを活用しながら販売する場所を展開しています。

▽中村さんのBASEのページ
▽5つ受注したデスクオーガナイザー

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▽中村さんが仲間と行なっているプロジェクト「モチツモタレツ」
▽3つ受注したPCスタンド

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▽これまで、日曜大工的に製作したものを発信することで販売に繋げてきた中村さんですが、知人に依頼され製作したスタンディングデスクは雑誌『pen』10月号の表紙を飾りました!

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雑誌発売後はたくさんの反響をいただき、現在はサンプルデータとしてEMARF Forumで無料公開されています。既に5名の方が、このデータを元に製作してくださっているようです。

おじいちゃんへの憧れから始まった建築の世界

意図せず23歳で有名雑誌の表紙を飾った中村さんの作品ですが、そもそも建築業界に進んだきっかけは建築家のおじいちゃんでした。小さい頃から、建築家であるおじいちゃんの現場に連れて行ってもらったり、おじいちゃんの趣味である彫刻を見ながら「かっこいいなぁ」と思っていた中村さん。ShopBotやデジタル建築を学ぶ前も、自宅の家具を家族と手作りしていました。

大学入学後は授業を通してCADソフトの使い方を習得し、VUILDでのインターンを通してデジファブを用いたものづくりを実際に行うようになる中で、「自宅の家具にはこだわりたいけれど、なるべく安く抑えたい」そんな理由からこだわりを詰め込んで作った家具が、販売に繋がりました。

おじいちゃんに憧れた幼少期から現在まで、一つ一つはシンプルな思考から起こした行動の積み重ねで、個人で仕事を請け負うまでになったことが伺えます。

個人がリスクなく挑戦できるものづくり

個人の仕事も会社の仕事も両方行うことで、どちらに対しても良い影響が生まれていると話す中村さん。普段の仕事ではできないような実験が個人の仕事で行えて、自身のものづくりスキルを常に進化させられる。そのスキルがまたVUILDでの仕事に反映され、ポジティブな循環が生まれてくる。

この循環の中で、会社員としても個人としても「自分がつくりたいもの・実現したい世界」を真っ直ぐに追求することが出来ていると言います。

▽中村さんの個人ウェブサイト

個人で勝負できなかった建築業界

これまでデザイナーや建築家という職業は、経験・実績を積んだのちに独立して会社をつくることが主流でした。というのも、大学の建築学科で習う大半は「図面の書き方」であり、実際に誰かに使ってもらう作品をつくったり、建築物を建てたりするのは、就職して組織に属してからがほとんどだからです。材料や工房、プロトタイプをつくるための費用や時間は、個人で到底補うことの出来ない量だったことも大きな理由の一つです。

しかし、VUILDのミッションは「すべての人を、『設計者』にすること」です。専門的なスキルがなくても、特別な資格がなくても、自らのアイディアを持ち、それを表現することができる「設計者」を生み出していくことを使命としています。

「自律・分散・協調型」の個人と組織

大学時代から広島にいながらもリモートで業務に携わってきた中村さんですが、2021年の4月からは福岡に住みながらフルリモートで業務を行う予定だそう。

デジファブを前提にした製造プロセスは、現場に行かずともデータの送受信によってものづくりを完結することができます。福岡で中村さんが作成したデータが、クラウドを介して日本のどこかで出力される。一極集中型ではない分散型の産業構造だからこその柔軟性です。

VUILDではこのような自律分散型の働き方を前提としているため、今回の緊急事態宣言下で広島の実家に帰省しながらも、普段と全く変わらぬ状況で働くことができているのです。同時に、この働き方ができるからこそ、来年度以降は「誰とどこに住むか」にもこだわってライフ・ワークを柔軟に組み立てることができると中村さんは確信したそう。

VUILDが組織で共有する価値観として掲げる『自律・分散・協調』は、インターネットの基本精神として頻繁に紹介されますが、まさにVUILDの事業そのものがインターネットの精神を基に構築されてきた背景があります。

7割が森林で構成された日本で、インターネットとデジファブの力を用いて従来の中央集権的な建築産業を自律分散型へとシフトしていくこと。

「個」の集合が「組織」であり、「組織」の集合が「社会」であるならば、自律分散協調型の社会をVUILDの組織内からまず体現していきたい。そんなVUILDの企業理念をまさに体現してくれているからこそ、中村さんのような活動が社内で積極的に推進されています。

ものづくりのフィールドでも学生・新卒・20代のうちから、「個人の名前」で挑戦できる時代、パラレルワークを行える可能性が拓けてきているようです!



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