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何度も辞めたいと思った動物看護師を今も続けている理由

「今までなぜ、動物看護師という仕事を続けてこられたのですか?」

色々な理由があると思うけど、出逢った動物たちに対する想いが、1番強くあります。

以前、私は、動物たちの死と向き合うこの仕事を続けることが、しんどくなってしまった時がありました。

日常の中で気持ちの整理が追いつかず、命を預かる責任の重さにも、耐えられなくなってしまった時期がありました。

入院中に亡くなってしまうこと

待合室で急変して亡くなられること

長く通ってくれていた子が亡くなられたこと

安楽死

この仕事に就いた時に、ある程度の覚悟はしていたけれど、それでも5年目を過ぎた辺りから、それまで溜まってきた悲嘆の気持ちが、いよいよ溢れ出してきました。

今思えば、それは動物看護師という立場のグリーフによる、燃え尽き症候群。

哀しみを表に出さずに、自分の中だけに留めていたことに、後になって気が付きました。

話は戻りますが、私がこの仕事を続けていられる理由。

それは、「動物たちの死」との、私なりの向き合い方を知ったことが、大きく関わっています。

私は、動物の死と向き合うために、あることを考えるようになりました。

亡くなられた動物を目の前にしたとき、「私はこの子のために、何をしてあげられたのだろう。この子から、何を教えてもらったのだろう」

その子と出会えたことで、私が感じることの出来た感情。知識や技術といった学び。

その子から得たこと、教わったことが必ずある。

そのことを、決して忘れることなく、出逢えたことに感謝の気持ちを持ち、他の動物たちに活かすことで、亡くなられた子への自分なりの供養にしようと。

その繰り返しで、亡くなられた子の生きた証を残していきたいと。

いつからか、そんな風に考えるようになりました。

この仕事を続けたいと思えるのは、これまで出逢ってきた子から教えてもらったことがたくさんあって、動物看護師としての役割をまだまだ果たせていないから。

そしてこの道も、動物たちがくれたもの。




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