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目標達成へ向けた「明確化」と「細分化」、そして「振り返り」の重要性

1. 概要

当記事は「目標を設定し、それに向けて走り出す前と、走っている最中に行うべき内容」を記します。すべて私の経験から生まれた持論です。また、この考え方が必ずしも正しくはないことを念頭に置き、お読みいただけると幸いです。

2. 要約

・目標はある時点での状態を表す。その状態を明確な言葉で表す。

・明確な目標(状態)を小さな要素として細分化する。

・小さな要素をクリアすることで変わることを知っておく

・要素に優先度を付ける。

・昨日に+1できなくても大丈夫。続けてみよう。

・振り返り日を作る。1ヶ月ならその期間で何をどこまでできたのか。本来やりたいこと(目標)から軌道がズレていないか。これらを確認し、次にやるべきことを決定すると自分の成果の可視化となりモチベーションの向上に貢献する。

3. 執筆目的

2020年6月5日現在、様々な目標に向かってがむしゃらに走り続けてきました。その間に気付けた、「もっとこうした方が効率が良い」、「精神衛生的にもよい」、「周りにもアピールできる材料にもなる」、といった方法論を先ほど30分ほどのシャワータイムでティンと閃きました。この持論は頭の中だけに留めておくのではなく、自分のためにもこれを読んでいる方のためにも、この様な場に書き出し方が良いと感じました。次の項から、ひたすらに走り続けた12年間から得られた私のちょっとした「目標へのアプローチメソッド」について書いていきます。

4. 目標の明確化 -未来の状態を言葉にする-

「目標を達成する」とは「今の自分の状態」が「目標達成時と同じ状態になる(大会で入賞する、能力を身に付ける、実績を作る、仕事を終わらせる)」とイコールであると考えます。

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「入賞する」が目標である場合、「入賞する実力が付いている状態」と言い換えることができます。ではその状態とは、「何が」「どれくらいできる」状態なのでしょうか。

ここで言いたいのは、自分で理解できるまで「状態」を具体的な言葉にし、「ゴールを明確にすることが大事」ということです。

ふんわりとした曖昧な目標(=ゴール)設定のまま走り出すのは時間と労力のロスに繋がるだけでなく自分のやるべき事が途中で分からなくなるなど、迷走することになってしまうからです。「何が」「どういう状態に」なっていれば良いかを具体的な言葉で明確にしておきます。

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陸上競技の短距離走種目を例に「入賞する」を目標に設定します。その場合に状態を具体的な言葉にしていくと次の様になるかと思います。

入賞するなら最低ラインとしてx.xx秒を切らなければいけない。 x.xx秒を切る状態とは何か。綺麗で無駄のないフォームが身についている状態。全身の筋肉のバランスが良い状態。精神状態が絶好調。といった状態が出てきますよね。今出てきた状態が少し明確になった目標です。もっと深く掘り進めて状態をたくさんの言葉で表せる様にしておくとさらに明確になって良いと思います。どんどん階層を深くするように状態を具体的な言葉に置き換えていくことで、ゴールがハッキリとした形になって現れてくることに気がつくと思います。

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同時に、目標を具体的な言葉にしていく中で疑問が出てくるはずです。先ほどの短距離走種目での入賞を例にします。

「綺麗で無駄のないフォーム」ってどういう状態?「筋肉のバランスが良い」ってどういう状態?「最大筋力が高い」って?「絶好調な精神って?」のようにまだまだ具体的にできそうな言葉に疑問が浮かんでいくとなお良いと思います。その疑問をガソリンにして、さらに調査を進め具体的なものにしていきます。

調査をしてみると「綺麗で無駄のないフォーム」というのは、「体の軸がブレない」「腕は毎回同じ軌道を取る」「手は顔の高さまで持っていく」といったさらに細かい状態が出てくると思います。

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状態としてここまで細かくできたら、次は「その状態になるために、やることを調べていくフェーズ」に移ります。

5. 要素の細分化 - 大きなことほど細切れにする - 

目標を明確な状態として表すことができたなら、次は目標となる状態になるためにやること(要素)を洗い出します。一番最初は大項目レベルで良いので「何がどういう状態になるためにxxをすることが必要だ」といった内容を思いつく限り書き出していきます。

例えば、目標を具体的な言葉に落とし込んだ時に出た「体の軸がブレない状態」にするために、「筋力トレーニング」「意識すること」のようなざっくりとしたレベルで良いので並べていきます。

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大項目が出揃ったら次は中項目です。中項目では様々な手段や情報が出てくるはずです。大項目をちょっと細かく見ていくことになるので「調査」という作業が入ってきてある程度の時間が必要になります。

「綺麗で無駄のないフォームの状態」にするために必要なことである大項目の「筋力トレーニング」について調査をします。すると、「自重トレーニング」、「ウェイトトレーニング」、「ロードバイク」のように手段が出てきます。これらが中項目となります。

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この時点でかなりの量になる場合もありますが、全てを完璧にこなす必要はないと思って大丈夫です。なぜなら、やっていく途中で理解が深まりにつれ必要性が上下するからです。「走り出す前に優先度の高い要素だと思っていても、実はそうでもなかった。」というパターンも結構多いです。そのような気づきが得られて重要だと思ったら残す、必要ないと感じたらやらない(消さないけれどやらない)の方針を持ちます。

最後に小項目です。小項目は中項目で出た要素を「〜する」にするイメージです。中項目を分解して1から10まで全て出す必要は無いにしろ最低限クリアすべき点を書き出していきます。

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「最後の要素までクリアしたら一つの中項目を達成した」と言える状態に持っていくためにこの作業が必要になってきます。また、細切れにすることで自分がその要素に挑む時の心理的なハードルを下げる効果もあると考えているため粒度はなるべく下げたほうが良いです。

6. 変化を知る - 要素のクリアをモチベに繋げる -

ここでの「変化」とは、細分化された要素をクリアする前と、クリアした後で自分に対してどのような変化が起きるかという点を指します。要素をクリアすると「何が変わるのか」や、取り組むことで「どのようなことを得られるのか」について事前に調査することは、私の経験の中で絶対に外せないフェーズであると感じています。

この調査をする理由は「xxをしたら、xxが、どれくらい変化するのか」を知っておくだけでモチベーションの底上げに繋がるだけでなく、効果測定をする際の観点としてとても大事になってくるからです。

例えば、体幹トレーニングの代表格である「プランク」を続けることで「何が」「どのように」変わっていくのかをふんわりと知るのと、きっちり調査した上で「ここが」「こんなふうに」変わっていくと知っておくのとでは実行に移す際のモチベに影響します。

「体幹を鍛えるとスタイルがよくなるからプランクをする」場合と、「腹直筋と腹斜筋、脊柱起立筋をバランス良く刺激することで姿勢維持が楽になる。さらにお腹と背中の筋肉に負荷を掛けることでウエストのサイズダウンに貢献できる」まで調べた場合とでは、モチベーションに違いが出てくるはずです。

さらに、要素のクリア後に自分にどんな変化が生じているのかについて確認する際にも事前の調査が役に立ってきます。上述の「ウエストのサイズダウンに貢献できる」までハッキリとした確認観点が得られていれば、素直にウエストサイズを測れば効果の有無が確認できます。

何をするにしても漠然と実行するのではなく、どんな意味があって、どんな変化を期待した行動なのかを意識することがとても大きな差として現れてくると私は思っています。

7. 優先度を付ける - 効率とモチベに繋がる優先度付け - 

細切れになった小項目がたくさん出てきてどれから手をつけようかと迷う場合や、全てを一気にやってしまおうと考える場合もあると思いますが、ここで少し優先度について考えてみます。

上述の例で「体の軸がブレない」ために「自重トレーニング」をするとしたとき、優先度が高いと考えられるものは何でしょうか。

優先度を高い低いに振り分けるには「その人が何を大事にしたいか」によると思います。私であれば多少苦しくても効率を大事にしたいため「大きな筋肉から鍛えてより早く効果を出したいからスクワットやレッグレイズを優先しよう」と考えますが、誰しも同じ考えを持っているわけではありませんし、その人が精神的にマイナス方向に感じるよりプラス方向に感じるように個人に合わせた優先度付けが必要になるはずです。

「できるだけ苦しくならず少しずつで良いので継続することを大事にしたい」と考える人は比較的手軽で負荷の少ないプランクやカーフレイズといった種目を優先するような進め方もあります。

または「優先度は全部一緒で良いから、とりあえずランダムにこなしていこう」という考え方に沿って、その日の気分や体調に合わせて選んでいくという方法もありますよね。

後述の"8. 地味で良い" でも書いているのですが、派手な成果を無理に出さなくても少しずつ、例え1mmでも良いので、亀よりも牛よりも遅くても良いので、自分が何に喜びを感じるかなど、その人にあった優先度付け(進め方)をすることが大事に思えます。

8. 振り返り - 次に繋げるための振り返り -

走り出してある期間が過ぎたとします。期間は2週間後でも4週間後でも良いです。「前回の振り返りから今回の振り返りまでに、できたこと・やれたこと、できなかったことって何だっけ」を記憶から掘り起こします。初回の振り返りの場合は、スタートから今までの期間で「何が」「どこまでできたのか」を考えてみます。ここでやりがちなのは反省をすることですが、あえて過去にできなかったことについての理由の深堀りをするようなことはしません。どうしても自分を責めるなど負の感情を持ちがちだからです。

要素だけを見て「できた・できなかった」の二択で選別し、できた要素に関してはいっぱい喜んでSNSにシェアしましょう。「できなかったことができるようになった」のですから、自分の成長を素直に喜び達成感を大事にします。

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できなかった要素に関しては、「どうしたらできるかな?」を考えます。「なぜできなかったのか?」では無いのがポイントです。過去ではなく現在から「何をしたらクリアできるのか」を考える事で自分を責めないようにすることが目的です。あえて反省をしないというのもこのような狙いがあるからなんです。

全体的に整理が終わったら、もう一度大項目・中項目を確認します。今までの道中で得られた知識や経験をベースに、過去に洗い出した要素を再確認すると意外と要らない物が見つかったり、これは必要だ。といった物が見つかったりします。新しい物が見つかったら、大項目・中項目・小項目まで細切れにしておき、振り返りが終わったら別要素と優先度を比較しつつ挑戦するようにします。

9. 地味で良い - 昨日の自分に+1 -

特に重要視しているのは「心理的ハードルをどれだけ下げられるか」といった部分にあると考えています。そのための「目標の明確化」であり、「要素の細分化」であり、「定期的な振り返り」です。結局のところ「今日は昨日に+1できた」の繰り返しの果てに目標達成(ゴール)があります。

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繰り返しを行うために心理的に苦痛を伴うようであれば、やり方があっていない可能性が高いです。大きなことを一気にやろうとせず、できるだけ細かい単位で、かつ気持ち的に「うっ」となるようなことはなるべく回避しながら進めていければ繰り返しの精神的負荷も下がるはずです。なにより「やった感」が出て、進んでいることを実感できますので「ゴールを自分の言葉でわかりやすく定義しましょう」「やることをなるべく細かくしていきましょう」というのはここに繋がってきます。

もう一つ。「今日も頑張ったけれど+1できなかった....」と落ち込んでモチベーションが下がってしまう場合です。私もよく落ち込みましたし「今日はいいや...」となりがちでした。こういった状況を打破する中で、ある考えに支えられていたことに気がついたのです。要は「慣れ」です。

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数字として、または項目レベル、もっと言えば体感レベルで、「+1」できなかったとしても、「慣れゲージ」が溜まると考えます。数字の変化や項目消化ができなくても気を落とす必要はありません。私たち人間は新しいことに対して順応しようとします。「最初はできなくても慣れによって動作を意識しなくても良くなった」「余裕が生まれて別のことを考えられるようになってきた」といった体験のベースには「慣れ」が含まれていると思います。

なので、毎日+1できなくても、「目には見えない慣れゲージが貯まっている」と考えて大丈夫です。慣れゲージが満タンになった時、きっと+1、もしくはそれ以上にプラスできているはずです。

10. おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございます。自分が生きてきた中で、自分の頭の中から一番新しい考えを書き出したつもりです。

ですが、考えだけは頭にあって、こんな量の文章を書いていても実行に移せていない部分もあります。完璧にこなせていたら、今より楽しく今より余裕のある生活を送れていたと思います。

私が目標を設定し動き始めたのは12年も前からのことですが、目標だけが大きく輝いていて、現在のように具体的な意味を確認するといった作業を一度も行った記憶はありませんでした。ただ漠然と、何も考えずにまるで動物のように走り続けるだけの日々だったと思います。この考えに至ったのは2020年に入ってからなので本当につい最近の出来事です。

何も考えずに走り続けた日々が無駄だったとは思っていません。その中で得られたモノも有りました。この記事に書いてある内容もそのうちの一つです。

人によっては「ここはこうしたほうが良いだろう」と思いますので、そこは各個人に最適化した形にカスタマイズして実行に移してもらえたら嬉しいですし、目標達成への考えの枠組み(フレームワーク)としてこれを読まれている方の参考材料となれたらもっと嬉しいです。


この記事が目標へ走り続ける人の助けになれたら幸いです。

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