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何が起こった!?ポケモンカードの歴史と人気の背景


巷でポケモンカードゲーム(以下、ポケカ)が人気で、
「昔持っていたカードを売ったら●●万円になった」というみたいな夢ある話から、「カードショップで●千万円分の窃盗事件が発生した」「偽物のポケカが販売された」という悪いニュースまでいろいろな方から聞くようになりました。

10年程前は「トレーディングカード」(以下、トレカ)というと、そもそもどんなものかを共通理解で語られない場合も一定割合あり、「トランプ?」とか「お菓子のスポーツカード?」みたいな回答しかなかったですが、ここ数年は年配の方や、若い女性の方にもトレカがどんなものかが浸透してきています。
そして「トレカ」≒「ポケカ」というような印象の会話も多く聞かれます。

そんなポケカの歴史について、1回でまとめられる簡単な記事にしてみました。


ポケカの歴史の初期(1996年〜2001年)


ポケカは、1996年、日本で初の本格的トレーディングカードゲームとして発売されました。
実は遊戯王よりも3年近く前に発売しています。
しかし、1996年〜2001年まで使用されていたポケカの裏面を海外版との仕様統一を目的として裏面デザインを一新し、裏面が変わることから、デッキ(裏面にして対戦で使う束)に組めなくなるため、この5年弱のポケカは対戦では使用できないというルール制定にー。

もちろん、ユーザーは、またお金を払って買ったポケカが遊べなくなってしまうのではないかと不安に感じますし、カードショップも買い取ったのに価値の暴落する可能性があるポケカの取り扱いを減らす等、大きなユーザー離れを引きおきし、2001年以降、しばらくポケカは見向きもされない冬の時代になりました。

特に2001年12月〜2002年10月の「eシリーズ」では、ほとんど初版しか発売されず、
重版がないため、初版である「1st Edision」のマークが無いポケカが逆に貴重なポケカになったりもするほどでした。

ポケカの歴史の中期(2000年代中盤〜2010年代前半)


もちろん、その後、(株)ポケモンもファンを取り戻そうと、プロモーションを実施します。たとえば、今や世界中から客が押し寄せる「ポケモンセンター」に来場したり、全日空(ANA)の飛行機に乗ったりすると、タイミングにより特別なプロモーションカードがもらえるというもの。このような施策により、少しでもポケカの存在を知ってもらい、興味を持ってもらおうとしていました。
(今では考えられないような幸せな施策です。)

2000年代後半にポケカのアルバイトスタッフをしていましたが、
この時期でも一部の対戦プレイヤーはいつつも、
地区大会等でもポケカ商品は一定の売れ残りが発生しており、それをアルバイト後に一般客として買えましたが、ポイント付きで家電量販店等で買えるからポケカを定価のイベント会場では買わないというような状態でした。

しかし、2010年の「BW(ブラック・ホワイト)シリーズ」より、
現在のSARの先駆けのような立体的かつイラスト部分が大きい特別なレアが出るようになり、少しずつファンも戻ってきました。

BWシリーズより、右側のような立体的かつ全面的なデザインのレアカードが封入
さらにコレクションや、イラストとして美しいカードが増える

なぜ「ポケカ」が人気になったのか?(2010年代後半)


近年、ポケモンカードが人気なのは複数の要因がありますが、
このようなトピックスが影響していると考えられます。

  1. 「ポケモンGO」の存在
    2016年7月に日本でもアプリリリースされた「ポケモンGO」により、
    老若男女問わず「ポケモン」というコンテンツ自体が身近になりました。

  2. 人気YouTuberの活用
    はじめしゃちょー等の大物YouTuberを起用したポケカのコンテンツ広告を投下したこと(2018年頃 )

  3. 初心者がワンコインで始められるゲーム
    さらに、2.のYouTube施策と同時期にワンコイン(500円)ではじめられる初心者向けキット(スターター)を販売したこと(2018年頃)
    これまでは、スターターは2,000円前後のものが多く、とりあえず買って遊んでみるには敷居の高い金額のものでした。

  4. ゲームを短時間で遊び安く
    ゲームの勝利条件(サイドカードを6枚先に取る)を変えずに、サイドカードを1度に取れる枚数を増やす等、微調整で1度の対戦時間を減らし、気軽に遊べるようにしてライト層が短時間で遊び安くなったこと。

  5. アニバーサリーを経た長期コンテンツ化
    1996年の発売以降、20周年、25周年とアニバーサリーを経て、時間・金銭を費やしても大丈夫という心理的安心感を与えられるコンテンツとみなされたこと。

  6. 子世代が父親世代に
    以前の子供世代が大人(親世代)になり、個人としては幼少期に買えなかったものへのノスタルジーも含めた大人買いができる世代となったこと。また、父親世代となり、子供世代と遊べるツールのひとつとなったこと。

2018年7月13日発売のポケモンカードゲーム「GXスタートデッキ」

他にも要素があるかもしれませんが、このような点が挙げられると思います。


人気が人気を呼ぶ状況(2020年〜2023年夏)


前述の1.〜6.等の理由により新たなユーザー層が増えたことで、希少性の高いポケカを欲しがるコレクター層も増え、昔のポケカが1枚で数十万円となったというようなことが拡散され、「昔のポケカで凄まじい金額のものがある」という話に夢を見た投機層の出現と、2020年のコロナ禍において投資先が減った中での金余り、巣篭もり需要も相まって、ポケカがさらに知名度と人気を挙げました。

2021年にポケカが25周年を迎え、2022年、2023年とさらに人気となり、
多くの方が「ポケカは儲かる」という宝くじ感覚や、プチ投資、もしくは「おもちゃだから簡単そう」と購入する方も増え、品薄となりました。

2023年6月には「ポケモンカード151」という初代ポケモン151匹が封入される超人気シリーズが発売されたことから、ヨドバシカメラ等の多くの家電量販店に前夜から数百人〜数千人の待機列ができ、そこに日本人だけではなく、転売による金儲けを狙った中国人等も殺到し、全国各地で大混乱となりました。

ポケモンカード発売日の家電量販店

直近の環境変化と今後(2023年夏以降〜)


その後、版元である(株)ポケモンの大掛かりな増産・再販体制の構築と、ヨドバシカメラをはじめとした各小売店による購入制限や、購入時の履歴チェック、シュリンク(転売防止のための製品のビニール)を剥がして販売する、事前予約者のみへの販売にする等により、2023年秋以降、ポケカの品薄状態は順次改善され、2024年には販売後、1ヶ月ほど経てば多くの小売店でポケカは買えるようになりました。

これは(株)ポケモンと、各小売店の方々の努力の賜物だと思います。
ほとんどの方が定価で買えるようになったため、転売層も一時よりも減り、供給が増えたことで所謂、レアカードの値段もかなり下がってきました。(それでも高いものは発売当初から30,000円/枚程度。(2024年2月現在))

以前は大人が体力と時間と金銭を削りながら、投資をするという環境で、
本来、ポケカで遊ぶべき健全な子供が買えない状態になっていました。

しかし、2023年夏頃と比較して一部の方からすると、ポケカへの投資を考える方からは旨みは減り、魅力も下がってしまったと思います。
しかし、半年前と比べて、欲しい人が長期的に集められる、対戦したい人がポケカを買えて、対戦を楽しめる環境になったことで、投資的な観点で見ても、長期的にはプラスな環境になりました。

現役世代の子供が遊べないこれまでの環境は今後のポケカのブランド価値を毀損させてしまいます。欲しい人がちゃんと買って、遊べて、コレクションを楽しめる。このような環境状態が続いてほしいと願っています。

VSS鑑定について

ポケカ28年(2024年時点)の歴史をかなり簡単に書きましたが、
それでもかなりの歴史と内容になります。

弊社はポケカのAIと専門スタッフで多重なチェック体制に則った真贋鑑定を実施し、公正なグレーディングとリアルタイムの市場価格を提示する機能を持つ世界で唯一の鑑定サービスです。

細かにどのシリーズの何のポケカなのかをきちんと鑑定して、10営業日以内に鑑定を実施いたします。

VSS鑑定はAIと専門スタッフの多重鑑定を実施することで信頼性高い鑑定を実施し、
鑑定品はどこよりも透明度高いUV97%のアクリルホルダーに封入
鑑定証のラベルもグレードに応じて金、銀等の色が異なります。