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フリマアプリ、オンラインでの取引が当たり前でも、“フィジカル“なリアル店舗が重要な理由〜戦力外Jリーガー社長の道のり31

2000年代後半から2010年代に大きな成長を遂げたバリュエンスは、直接的にはブランド買取、販売のリユース業が主業ですが、この期間に発展を遂げた多くの企業と同じように、IT化、デジタル化、インターネットを活用したテック企業の側面もあると思っています。


テクノロジーの進化とバリュエンスの成長

その時々で”使えるテクノロジー”を自分たちのビジネスに活用してきたバリュエンスグループでは、そのテクノロジーを取り出し、実物資産管理アプリ「Miney」の開発バリュエンスグループ全体の膨大な取引データを集約する「Valuence Brain」の各システム整備、AIチャットボットやAI導入パッケージなどの外部企業のAI導入支援も行うバリュエンステクノロジーというグループ会社を持つまでになっています。

広告をネットに全振りすることで送客確率を大幅改善

リユース業の広告は紙が主流だった時代にネットに全振りし、ターゲティング、リスティング広告に切り替えたこと、そこから得られるデータを活用し、送客のマッチング精度を高め、検索エンジンの利用を前提にしたSEO対策をいち早く始めたことなどは、すでにこの連載でも紹介しています。

もちろん完全なテック企業ではありませんが、インターネットの普及、IoTの発展などを効果的に活用し業界に風穴を開けてきたバリュエンスにあって、コロナ禍を経ても唯一“フィジカル”なものとして存在しているのが、「リアル店舗」です。

進む非接触化、少なくなる“フィジカル”

インターネット活用が進み、DXが流行語になったここ数年では、新型コロナパンデミックによる強制的な“非接触の推奨”が進んだこともあり、「フィジカルを排除してなるべくオンラインで」という流れが当たり前になりつつあります。

社員が集まるオフィスもそうなのですが、お客さまと対面するリアル店舗も非効率に見られがちです。

リアル店舗いらなくない?

バリュエンスで言えば、ブランド買取専門店『なんぼや』をオンライン化した方が効率的なのでは? という意見? はかなり以前からよく言われてきました。

店舗を出すメリットは「アクセスのしやすさ」などたくさんありますが、なぜオンライン化しないのか? の答えとしては、「お客様の心理的安全性」が挙げられます。

実はリアル店舗がないと、高い商品は絶対に買えないのです。

リアル店舗を持ち続ける理由

フリマアプリの利用者に、3万円や5万円の比較的高価な物を売りたいニーズは意外に多くあります。しかし、買い手は高額取引にリスクを感じていて、なかなかこうした商品は取引されません。

実際に2024年にスマートフォンユーザー向けアプリ情報メディア「Appliv(アプリヴ)」が行ったアンケートによると、
フリマアプリの年間平均購入金額の53.2%が「5000円未満」だったと言います。
フリマアプリの年間平均購入金額で最も回答が多かったのは「3000円未満(31.3%)」だったそうなので、3万円、5万円の取引はかなり高額でレアケースということがわかります。

フィジカル×オンライン

真贋証明や取引のトレーサビリティ、NFTなどによって変わっていく可能性はありますが、現時点では、高額商品を売りたいと思っているお客さまは、『なんぼや』のような買取店のリアル店舗を訪れます。

ジュエリーや時計、ブランド品などの高額商品の買取はCtoCでは成り立たない。お客さまも店舗があること、店舗を訪れ実物を鑑定してもらうことに意味を見出している。
だからこそ、フィジカルとオンラインをシームレスにつなぐ方向にテクノロジーを活用し、顧客の特性、時と場所に応じて相互を生かしたメニューを用意する必要があります。

リアル店舗とそのあり方を考える

『なんぼや』やハイブランドの希少アイテムやタイムレスな価値を持つ一点物のヴィンテージ品などを販売しているプレオウンド・ブランドショップ『ALLU』では、リアル店舗の存在と、そのあり方こそが重要だと考えているのです。

つづく

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