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自分たちの信念を貫いた先にある勝利についてD.LEAGUE・バリュエンス インフィニティーズが教えてくれたこと

先日来、“価値感“についてのnoteを連続で書いています。


結果と大切なものの関係

人生においていちばん大切なこととは何か?
「お金や物ではないよね」
「肩書や地位、名誉でもないよね」
こう話すと、必ずと言っていいほど、「では努力しなくていいのか?」「お金を稼ぐことは悪いことじゃない」「成長も成功もしなくていいのか?」という反論が飛んできます。

私は自分がバリュエンスの経営者として、サッカーの南葛SCの経営にも参画する取締役として、プロダンスリーグ、D.LEAGUEに所属するValuence INFINITIES(バリュエンス インフィニティーズ)を保有するオーナー企業のトップとして、誰よりも「結果」の大切さは骨身に染みています。

結果が大切じゃないと思ったことはありませんし、会社や社員、株主、選手やクラブに還元するために、ビジネスを回していくことを大切にしています。

ここで言いたいのは、「お金」や「地位」「名誉」、世間一般的な価値観で大切だと思われているコトやモノを、いちばんにして、それを目的にしてしまうと結局は自分たちが望む結果、利益、成果を手にできないということです。

バリュエンス インフィニティーズというダンスチーム

2022-23シーズンから日本発のプロダンスリーグ、D.LEAGUEに参戦しているインフィニティーズも、1年目はなかなか勝利という結果に恵まれませんでした。

インフィニティーズが参戦して以降のD.LEAGUEでは、相手チームと1対1で対戦し、ジャッジとオーディエンスがよかった方に票を投じて勝敗を決するというルールで行われています。ファーストシーズンは、なかなか勝ち星に恵まれず、周囲からは「もっとD.LEAGUEのフォーマットに合わせた戦い方をすべき」「審査の基準に合わせたダンスを取り入れるべき」という声が聞かれました。

もちろん正論ですし、まったくそういう努力をしなかったというわけではありません。しかし、インフィニティーズは自分たちの特徴、多士済々なダンサーが集う、D.LEAGUEの中でも「唯一無二」のスタイルをブラすことなく戦い続けました。

スタイルと結果とかっこよさ

ダンスに詳しくない方に向けて簡単に説明すると(私自身がダンスにすごく詳しいかというとそんなことはありません!)、インフィニティーズは、メンバー選考の段階からヒップホップ(HIPHOP)とブレイキン(Breakin')という二つの異なるジャンルのダンスを融合させることを目指していました。

ストリートダンスの代表格で、カルチャーと密接につながっているHIPHOPは、それぞれがそれぞれの感性で音やリズムをつかむため、ジャッジの指標の一つにもあるメンバー間のシンクロがどうしても難しくなります。2024年パリ五輪の正式種目になったことでも注目されているBreakin'とHIPHOPを別チームとして戦うこともありますが、両者の相乗効果を出しつつ、かっこよさを追求するのはこれまで誰もやってこなかったと言ってもいいことでした。

私にはダンスやショーケース構成のディテール、その善しあしはわかりませんでしたが、インフィニティーズが信念を持って自分たちがいいと思うものを追求していることは表情や取り組みからはっきりわかっていました。

“自分たちの大切”を貫いた先に生まれる価値

そのインフィニティーズが、初勝利への手応えをつかみ、上昇のきっかけとなったのが、23-24 SEASONのROUND.7で行われたCYPHER ROUND(サイファーラウンド)だったのです。

詳細はこちらを読んでいただくとして、

少し前のことになりますが、昨シーズンから始まったサイファーラウンドが今年も行われ、インフィニティーズは見事このラウンドで総合1位を獲得したのです!


SOLOでは、TSUKKIが1位、RENTAが4位、KEINが7位に。二人で行うDUOはSEIYA&MASSAが3位、昨年話題をかっさらったTRIOでは、NAOKI&RYOGA&MAKOが1位を獲得!

「自分たちのスタイルをブレずに貫くインフィニティーズ」は、すでにD.LEAGUEでも独自の地位を築いていましたが、ストリートカルチャー寄りのサイファーラウンドは、やはりインフィニティーズの良さが際立ちます。

このラウンドで結果を残したインフィニティーズは、続くROUND.8 でもLIFULL ALT-RHYTHM(ライフル アルトリズム)さんに勝利し、シーズントータルランキングで3位に浮上しました。

緊急度の高い機能的価値と重要度の高い情緒的価値

久しぶりにnoteでインフィニティーズの活躍に触れたいというのもありますが、インフィニティーズの戦いぶりと成長こそ、私たちが大切にしたいこと、バリュエンスが目指している「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」につながっていると思うのです。

もし、なかなか勝てなかったチーム立ち上げ当初に、目先の勝利のために自分たちの"大切"を曲げていたら・・・・・・。ジャッジの目線に合わせて“機能的な価値”を優先させていたら・・・・・・。

企業経営でも同じことがいえると思うのですが、一見、緊急度の高いように思える問題に、即効性のある対策を講じた場合は、往々にしてもっと重要度の高い問題があやふやになり先送りされることになります。

誰もが理に適っていると判断しやすい機能的な価値は、すぐにできる以上、模倣されやすく、その優位性はすぐに消えてなくなります。

自分たちが本当に大切にしていること、つまりは“情緒的な価値”を育てることは、緊急度は低くても重要度が高く、自分たちの軸となる文化を醸成してくれます。

2年前には影も形もなかったインフィニティーズが、D.LEAGUEの中で独自の存在感を示し、ファンやリーグに唯一無二の価値を提供していることは、「自分たちの企業がオーナーを務めるクラブが勝った」という価値以上の価値を、私たちにももたらしてくれているのです。


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