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CEATEC2022レポート〜最新技術と3Dアバターはどうコラボできそうか?〜

皆さんこんにちは。VRC note編集長の八重樫です。

10月18日〜10月21日に幕張メッセにてCEATEC2022が開催されました。リアル開催は実に3年ぶり!一般公開もされ、会場は賑わっていました。
今回はCEATECで気になった展示などのご紹介と、これから私たちの生活にどう関わっていきそうか、3Dアバターを結びつけたらどうなるのか?などの考察をしていきたいと思います。

■盛り上がっていたMETAVARSE EXPO2022ブース

先日、関係者向けに開催されていたMETAVARSE EXPO2022(Meta社などが主催)の展示内容がCEATEC会場で再現されました。ブースに入るには常時20分程度の待ち時間が発生するほど、会場内でも人気のブースとなっていました。

METAVARSE EXPO2022について知りたい方はこちらもどうぞ

実際に回って、特に印象的だったブースをご紹介していきたいと思います。

・凸版印刷

凸版印刷は会場内でも人だかりができているブースの一つでした。展示内容は1枚の写真からアバターを生成する「MetaClone®アバター」や、企業向けショールーム構築サービス「MiraVerse®ショールーム」の展示などを行なっていました。

「MetaClone®アバター」の体験には行列ができており、瞬時にできあがったアバターを見て、おぉすごい!などの歓声が上がっていました。
私も実際に体験してみて、顔写真1枚でリアルな自分のアバターがすぐできて実際に動いている映像もモニターやスマートフォンで確認できたので面白かったです。

メタクローンアバターと記念撮影しました

そのほか、VRゴーグルをつけてメタバース内の住宅展示場で家具の大きさを変えたり壁紙を変えたりする体験ができたり、大型モニターに映し出される映像が自分の頭についている機器と連動して動く、肉眼でみられるメタバースの展示も目を引く内容でした。

モデルハウスなどは実際に行かなければ家具の大きさや壁紙などわからなかったのが、VRゴーグルを使ってメタバースで確認ができるようになると、実際に自分のアバターで入って、例えば台所のシンク高さがわかったりイメージがつきやすくなるので、お手軽ですし面白い体験になるのかもしれない、と思いました。部屋一面の壁紙を変えたりするのも一瞬なので、実際の部屋のイメージがつきやすくなりますし、そういう体験はリアルでもできないものなのでリフォームや住宅購入の体験が変わっていくのだろうと想像がつきました。

凸版印刷ブースについての紹介はこちら

・サイバーエージェント

サイバーエージェント関連会社の株式会社CyberMetaverse Productionsのブースでは、バーチャル空間のデモ展示を行なっており、アバターがPC上でバーチャル空間上の店舗を動き回って展示してある服やリュックなどを見ることができるサービスの紹介をしていました。

展示物はスキャナで撮影したり、モデリングして3DCG化しているそうです。バーチャル試着のボタンを押すとアバターの着ている服が変わったりリュックを身につけたりするようになっていて、これがリアルアバターでできたら実際の買い物体験に近いなと感じました。実際の試着は面倒ですが、ボタン一つで衣装が変わるのなら次々試してみたくなるなと思いますし、今回は実際にあるような店舗の再現でしたが、バーチャルならではの表現なども加わると体験するモチベーションにもつながるだろうと感じました。

株式会社CyberMetaverse Productionsについてはこちら

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その他には、ヘッドマウントディスプレイをつけてJAXAとコラボした宇宙空間でライブをみる体験や、VR会議の体験など、わかりやすいメタバース体験のブースは混んでいる印象でした。まだヘッドマウントディスプレイも一般的ではないので初めて体験する人も多かったのではないかなと思います。今回のMETAVARSE EXPO2022の展示ではまだエンタメ領域に関するものが多かった印象ですが、今後より生活に密着するサービスに発展していくのではないかなと思います。

■ヘルスケア×IoTの展示

CEATEC2022では、センシング技術を活用した展示も多かったと感じました。

まず気になったのは、シャープの非接触でバイタルなどを計測できるスマートモニターの展示です。カメラと赤外線センサーにより脈拍数や血圧、呼吸数、体温など複数のバイタル指標を計測できるそうで、モニターの前に立つだけなのでとても手軽に健康管理ができそうだと思いました。そのほか、指輪型の小型なウェアラブルデバイスによるバイタル管理なども展示されており、今後のサービス化が気になりました。現在もApple Watchなどで管理している人もいますが、いろいろな方法で手軽にバイタル計測ができるようになっていくと、健康意識が高まりそうですし、そういう手軽にチェックをしたいニーズも高いのではないか、と感じました。

シャープの展示内容についてはこちら

骨格や姿勢などを判定するサービスもあり、京セラは人間拡張技術についての新しい取り組みを展示しており、その中で「歩行センシング&コーチングシステム」という正しい姿勢や歩き方に導く技術の展示を行なっており、デモもみたのですがリアルタイムでどういう歩き方なのか判定して通知するシステムが面白いと感じました。

京セラの人間拡張技術についてはこちらから

富士通も骨格や姿勢を判定するサービスを展示しており、すでにサービス化しているAI技術を用いた体操選手の競技採点システムを使って、ゴルフスイングの判定をしてくれるデモを展示していました。

富士通の展示内容はこちらから

センシング技術もそうですし、画像解析の技術も合わさってそういった判定システムがいろいろと開発されている印象を受けました。VRCの技術を組み合わせて、採寸+姿勢判定ができるサービスができたら、ヘルスケアやアパレルにも使えそうですし、新しい健康管理の仕方を提案できそうだなとワクワクしました。

■AI画像生成

みずほリサーチ&テクノロジーズでは、AI画像生成により2Dの顔画像を作成するサービスや、髪型を画面上で試すサービスなどを展示していました。
好みの顔の写真をクリックするだけで、AIが似ている画像候補を作成してくれるそうで、スクリプトなどを書かなくても画像生成が直感的にできる点が魅力的だと感じました。
人の顔だけでなく、物の画像をラーニングさせて表示させたりもできるようで、クリエイターの役に立つサービスになりそうだなと思いました。

みずほリサーチ&テクノロジーズの展示内容はこちら

最近AI画像生成のサービスがいろいろあり、AIお絵描きも話題になっています。AIによる画像処理の精度も上がってきていることや市場の興味関心も高いということを感じました。
実在しないデジタルヒューマンを広告などで活用することも最近増えつつあるので、AI画像生成が進化していけば、簡単に好みの3Dアバターを生成できるようにもなるのかもしれません。そういうサービスができた時、リアルな自分の3Dアバターを美化したりデフォルメしたりするのと、AIに好みの3Dアバターを作ってもらうのと、どちらが好まれるのか興味があるなと感じました。

■最新技術と3Dアバターがコラボをしたら?

最新技術の展示をみて感じた、3Dアバターとどういうコラボをしたらどうなる?ということを最後にまとめてみたいと思います。

  • メタバースショッピングが日常体験になっていく
    メタバースでの買い物体験ができるサービスも増えてきている印象を受けたので、よりリアルな展示物の作成ができ、自分のリアルアバターを使って展示を見たり試着ができるようになれば、よりリアルな買い物体験に近づけることができるため、メタバースショッピングが日常体験になっていくのではないでしょうか。

  • アバターを使って未来予測や健康管理が楽しくできる
    ヘルスケアの分野では、スキャナで撮影するだけで採寸情報などの身体データにプラスしてバイタル情報や姿勢の情報が取れたり、別のデバイスで取ったバイタル情報に連動してスマートフォン内の自分のアバターの姿が変化するようなサービスがあれば、未来予測をしたり過去からの変化の推移が見えたりすることで、ただの数値データやグラフを見るよりも興味が湧きそうだと感じました。

  • AI画像認識で3Dアバターを作れるようになる?!
    AI画像生成で好みの3Dアバターを作るサービスができたら、スキャナで撮影したアバターをその画像に寄せて美化させたり、デフォルメさせたりすることが直感的にできそうだと感じました。AI画像生成による3Dアバター生成が簡単にできるようになれば、デジタルヒューマンの活用事例も増えていきますし、デジタルな自分を持つことが普通になるのかもしれません。そういう未来が来れば、さらに3Dアバターを使ったコンテンツも増えていくことが想像されます。


今回、最新技術についてCEATECで展示を見て、体験もして、さまざまな会社や業界で取り組みを進めていることを感じました。特にCEATECのような最新テックの展示会では、各社研究開発してきた最新技術を発表していますが、そこから実際にエンドユーザー向けのサービスまで結びつけていけるのはごく一部のような気がしています。本当は最新技術を使って社会発展や日常生活のアップデートができるはずですが、そこに結びつけるにはもちろんビジネスとして成り立つかどうかなどの難しさもあるので、全部サービス化するのは難しいでしょう。

私たちが開発している3Dアバターを使ったソリューションも最新技術を駆使しており、同じようにサービス化までどうやっていくかという道のりは長いです。今までエンタメ領域などでの3Dアバターの活用は数多くされてきましたが、今回さまざまな展示を見ながら想像を膨らませて、他の企業の技術と組み合わせながら今後ヘルスケアやショッピングなど、より日常に近い場面でも活用が広がっていく未来が描けました。さらなる技術革新を期待しつつ、私たちも社会や日常生活がより良くなるように開発を進めていきたいと強く思いました。


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