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コラム:ビジュアル・ファシリテーションに関係するスタンダードやエシックス ― ビジュアルファシリテーション入門:図解で考える・伝える・共創するスキルを身につける

ビジュアル・ファシリテーションのプロとして活動する場合、品質や価値、契約や報酬、著作権やプライバシー、利害関係や紛争などに関するスタンダードやエシックスを知っておく必要があります。これらは、自分の仕事に対するプロ意識や信頼を高めるだけでなく、クライアントや参加者とのトラブルを防ぐためにも重要です。ここでは、ビジュアル・ファシリテーションのプロとしてのスタンダードやエシックスの一部を紹介します。

秘密保持契約

ビジュアル・ファシリテーションの仕事を受けるとき、クライアントから秘密保持契約(NDA)にサインするよう求められることがあります。これは、ビジュアル・ファシリテーションの過程や成果物に、クライアントの機密情報や知的財産が含まれる可能性があるためです。秘密保持契約には、どのような情報が機密になるか/どのように取り扱うか/どのような場合に開示できるか/どのような責任が発生するかなどが定められています。秘密保持契約にサインする場合は、その内容をよく理解し、遵守することが必要です。

秘密保持契約にサインしなくても、ビジュアル・ファシリテーションの仕事に関する情報は、基本的にはクライアントの許可なく第三者に開示しないことが望ましいです。とくに、参加するイベント自体がクローズであることが多いので、その存在や内容をSNSなどで公開することは控えましょう。また、成果物を自分のポートフォリオやブログなどで公開する場合は、必ずクライアントの承諾を得ることが必要です。その際には、機密情報や個人情報を含まないように、必要に応じて修正や削除を行うことも忘れないでください。

著作権

ビジュアル・ファシリテーションの成果物には、ビジュアル・ファシリテーターの著作権が発生します。著作権には、著作財産権と著作人格権の二種類があります。著作財産権とは、成果物を複製したり、公開したり、改変したりする権利です。著作人格権とは、成果物の作者としての名誉や地位を守る権利です。著作財産権は、クライアントに譲渡したり、使用許諾できます。著作人格権は、譲渡や放棄することができません。

クライアントとの契約において、成果物の著作権の取り決めを明確にすることが重要です。たとえば、成果物の著作権をクライアントに譲渡する場合は、その対価や範囲を明記する必要があります。また、成果物の著作権を共有する場合は、その条件や割合を明記する必要があります。

クライアントが成果物の著作権を持つ場合でも、ビジュアル・ファシリテーターの著作人格権は侵害されないようにすることが必要です。たとえば、成果物の作者としての名前を表示する権利や、成果物の改変や歪曲を禁止する権利などです。

ビジュアル・ファシリテーションの成果物に他人の著作物を使用する場合は、著作権法にしたがって、引用や出典の明示などを行うことが必要です。たとえば、インターネット上の画像や文章を使用する場合は、その著作者や出典を表示することが必要です。また、著作権者の許可が必要な場合は、事前に取得することが必要です。

契約の種類

ビジュアル・ファシリテーションの仕事を受けるとき、クライアントとの契約の種類には、準委任契約と請負契約の二種類があります。これらは、ビジュアル・ファシリテーションの内容や範囲、責任や義務などに違いがあります。以下に、それぞれの契約の特徴を説明します。

  • 準委任契約とは、クライアントの指示に基づいて、ビジュアル・ファシリテーションの成果物を作成する契約です。この場合、ビジュアル・ファシリテーターは、クライアントの代理人として行動することになります。この契約の特徴は、以下のとおりです。

    • ビジュアル・ファシリテーターは、クライアントの指示にしたがって、成果物を作成する義務があります。クライアントの指示がない場合は、自分の判断で行動できます。

    • ビジュアル・ファシリテーターは、成果物の品質や内容について、クライアントに対して責任を負います。成果物に欠陥があった場合や、クライアントの指示に反した場合は、損害賠償を請求される可能性があります。

    • ビジュアル・ファシリテーターは、成果物の著作権を保持します。ただし、クライアントとの契約によって、譲渡や使用許諾などの取り決められますます。

  • 請負契約とは、クライアントとビジュアル・ファシリテーションの成果物の完成を約束する契約です。この場合、ビジュアル・ファシリテーターは、クライアントのために行動することになります。この契約の特徴は、以下のとおりです。

    • ビジュアル・ファシリテーターは、成果物の完成を約束する義務があります。成果物の完成に必要な方法や手段は、ビジュアル・ファシリテーターが自由に選択できます。

    • ビジュアル・ファシリテーターは、成果物の完成について、クライアントに対して責任を負います。成果物が完成しなかった場合や、契約に反した場合は、損害賠償を請求される可能性があります。

    • ビジュアル・ファシリテーターは、成果物の著作権をクライアントに譲渡することが一般的です。ただし、クライアントとの契約によって、共有や使用許諾などの取り決められます。

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