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脳と身体と絵:AIが絵を描く時代に絵を学ぶ意味とは

 コンピュータが普及してもそろばん教室はなくなりませんでした。絵をかくことを学ぶこと。そのメリットとは一体なんでしょうか。

AIが絵をかく時代になった

 昨今のTwitterやFacebookのフィードではAIがかいたとする絵、イラストが溢れています。シンギュラリティ。コンピュータの処理能力がこのまま向上することで、ヒトの脳の能力を超える時代がくるとも言われています。
 絵をかくことをヒトが学ぶ。それは不要なことなのでしょうか。私は否と答えます。

そろばん教室は存続している

 手のひらサイズのコンピュータとしのスマートフォン(スマホ)。その普及率は90%以上になっているようです。
 一方いそろばん教室(塾)が世の中からなくなったという話はききません。暗算を学びたい。この要求は多く、未だ顕在であるだけでなく「そろばんテック」なるイノベーションも起きているようです。

 AIが現在のイラストレーターなど絵をかくヒトの仕事を奪うようになるのか。その時期はいつなのか。それはわかりません。しかし、仮にそのような自体になったとしても絵を学ぶことが廃れるとは思っていません。
 「暗算」がヒトにとって大切なように、絵を学ぶことで得られる能力は有用だと考えています。

ビジュアルで考える能力

 こちらの記事でも書きましたが、運動感覚/触覚有意型 37%、聴覚優位 34%、視覚優位 29%。ヒトにはもともと違いがあります。
 思考でもこれと同じ様なことがあると思います。考える時に歩き回る。喋らないと考えがまとまらない。かいてかいてかきまくる。人それぞれですし、対象によって変えていると思います。
 ビジュアルで考える能力。絵をかくを学ぶとはこの能力の向上のためだと考えます。

思考のスピードでかく

 グラフィックレコーディング(グラレコ)は、思考のスピードでかくという行為にとても近いと考えています。自分自身、お仕事でグラレコをする訳ですが、そのスピードがどんどん上がっていることにいつも驚きます。
 最近は打ち合わせのときには、Microsoft Journalというアプリを立ち上げ、その書いている様子を画面共有等でビデオ会議の相手に見せています。ある意味本来のグラレコの使い方です。これにより齟齬がなくなるだけでなく、いろいろな気付きも得られます。
 絵をかくということは抽象と具体をいったりきたりすることになります。これがかいている本人だけでなく、ライブドローイングをいているヒトにも伝わります。集合知が生まれる瞬間。そんな感覚もあります。
 グラレコを教えるということもやっていますが、スキル・ノウハウのいくつかは確実に他人に伝えられるものです。絵をかくは学べるし教えられると考えています。

まとめ

 AIがイラストをかく時代。私たちは身体がある私たちが絵をかく意味を改めて考える良い機会なのだと思います。
 皆さんはどのように思いますか。

楽描きが世に浸透するための研究のための原資として大切に使います。皆様からの応援をお待ち申し上げます。