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コンテンツ業界のお悩みを解決するクラウドアーカイブシステムとは?―アーカイブの専門家に聞く!#3

こんにちは、バリュープラス アーカイヴ プロジェクトです。

映画会社で配給・宣伝のお仕事をしているAさん(仮名)。たくさんの映像素材の管理にお悩みがあり、アーカイブシステムの検討を始めました。
バリュープラスのグループ会社メモリーテックの提供するクラウドアーカイブシステム「KaleiDA-Arc」(カレイダアーク)の資料請求をしたのですが、なにやら難しそうで、早くも挫折気味とのこと…

そこで今回は、Aさんと一緒に、メモリーテック株式会社 デジタルソリューション事業部の田崎雅嗣さんに、わかりやすく教えていただきました!


Aさん 私の職場では、映画の「本編」、様々なバージョンの「予告編」や「メイキング」など、多くの映像素材を取り扱っています。興行や宣伝の現場は常にバタバタしており、担当者ごとにまちまちな方法で保存したりしているので、いざ使う必要がある時、データを探すのに苦労することも多いです。こうしたデータをすぐに取り出せるように、統一して管理して行きたいのですが、カレイダアークで私たちの抱えている課題の解決ができるでしょうか?

田崎雅嗣さん(以下:田崎) 弊社の提供するカレイダアークは、どのようなファイルでも管理することができるシステムです。
例えば音楽系の会社様であれば、音源データをアーティストの情報や品番、ISRCと呼ばれる固有のコードなどで管理し、検索することが可能です。
お客様のニーズに合わせてカスタマイズすることができるので、Aさんのように映画関係の素材であれば、本編映像や予告編映像など、検索しやすいように管理をしていくことができます。
映像素材だけでなく、印刷物のPDFであったり、Microsoft Officeのファイルだったり、様々なファイルをお持ちだと思います。カレイダアークでは、それらを一元的に管理できます。

カレイダアークのプロジェクト画面。様々な種類のファイルを一元管理できる。

Aさん 利用するには、専門的な機材が必要になりますか?

田崎 いえ、カレイダアークはお使いのPCのブラウザで操作できます。データのアップロードも、ドラッグ&ドロップで直感的に行っていただくことができるようになっています。

Aさん 例えば映画の予告編ですと、映像は同じでも最後のテロップが「〇月〇日公開」となっている「公開前バージョン」、「大ヒット公開中」となっている「公開中バージョン」などがあります。似たようなファイルがいくつもできて、探すのが煩雑になってしまうこともあります。

田崎 まずはファイル名のルールを決めて、わかりやすく正しいバージョンが管理できるようにすることは大事だと思います。
ファイル名に情報を入れるのは限界がありますが、カレイダアークでは、「メタデータ」と呼ばれる検索用のデータを付けることもできます。バージョンの情報はもちろん、監督名や脚本家名、製作国や公開年など、詳細なメタデータを付けていくことで、より精度の高い検索ができるようになります。

多くのファイルの中から、メタデータを使って詳細な絞り込み検索ができる。

Aさん 細かいメタデータを一つ一つ入れていくのは大変そうですね?

田崎 例えば既にExcelでそのような情報を管理されていれば、CSVファイルをカレイダアークに読み込んで、一括で登録することもできます。
また、一からメタデータを作成する場合は、グループ会社のバリュープラスでお手伝いできます。

Aさん 映像をすぐに再生して内容を確認することもできますか?

田崎 はい、映像データをアップすると、自動的に視聴用の軽い映像データが生成されます。web上のプレイヤーで再生して、内容を確認していただくことができます。

プレイヤーが内蔵されていて、ブラウザ上で動画の内容を確認することができる。

Aさん 「ある俳優さんが映っている部分だけを切り出して使いたい!」というようなこともあります。「〇分〇秒に誰が映っている」などを探せるようにできますか?

田崎 カレイダアークには「タイムラインコメント」という機能があります。これは動画の中身に対してメタデータを付けていくことができる機能です。その俳優さんが映っている場面に印を付けてコメントを残しておくことで、後に検索してその箇所をヒットさせることができます。

タイムラインコメント機能では、動画の特定の箇所にコメントし、検索することができる。

Aさん 映画宣伝の現場では、「翌朝の情報番組で流してくれるので、すぐにテレビ局に容量の大きな素材を送りたい!」というようなことが発生します。その際、データをハードディスクやファイル転送サービスにコピーする作業にかなりの時間を取られてしまうのですが、簡単に外部へデータを送信することもできるのでしょうか?

田崎 できます。カレイダアークにデータをアーカイブしておけば、ダウンロード用のリンクをメールで外部に送付することができます。もしくは外部の方にゲストとしてログインしていただいて、相手にダウンロードしていただくことも可能です。
相手にダウンロードしてもらいたくない場合は、プレビューだけをするという設定もできます。

ダウンロード回数や期間を設定し、外部にデータを送信する画面。

Aさん ということは、オンラインで試写会もできますね!?

田崎 なるほど!我々開発側では気付いていない使い方もあると思いますので、是非幅広くご活用いただければと思います。

Aさん 外注先のディレクターから、宣伝番組などを納品してもらうことがあります。外部の方にデータをアップしてもらうこともできますか?

田崎 「ゲストユーザー」という機能がありますので、外部の方に限定的な権限を発行して、特定のフォルダにアップロードしてもらうこともできます。

Aさん 今は無料のファイル転送サービスを使っているのですが、カレイダアークと無料サービスの違いはどんな点でしょうか?

田崎 一番はセキュリティ面だと思います。もしもそのサービスを運営している管理者が悪意のある方であった場合には、データを抜き取られるリスクもありますし、ユーザーがそのログを確認することもできないことになります。
それに対してカレイダアークは、「誰がどんな操作をしたか」というログデータを全て取っており、一目瞭然でわかることになります。
また、AWS(Amazon Web Service)などのクラウド上に、お客様のセキュリティポリシーに合わせた形に構築をすることも可能です。

Aさん クラウド上にアーカイブすると、どんなメリットがあるのでしょう?

田崎 ハードディスクなどにデータを保存していたり、社内にサーバーを構築して管理されている方も多いと思います。ハードディスクであればその都度PCに繋いで中身を確認する必要がありますし、社内サーバーであればサーバー管理の知識が必要になります。クラウド上にアーカイブすることで、社内の機材の数を減らし、専門知識の必要性が減るというメリットがあると思います。カレイダアークでクラウド上にアーカイブしておけば、webブラウザで簡単に内容を確認することができ、複数の方で同時に操作することもできます。

Aさん 私の職場では、ハードディスクだけにデータを保存していることが多いです。

田崎 ハードディスクは破損してデータが取り出せなくなるというリスクが高いです。何年も使っていなかったものの電源を入れると、通電によって破損してしまうということもあります。早めにバックアップを取るか、何年も使っていないハードディスクについては、電源を入れる前に私たちにご相談いただければと思います。

Aさん クラウド上にあるデータは、失われることはないのでしょうか?

田崎 もちろん100%安全だと言い切ることはできません。極端なことを言うと、世界中が停電になってしまう可能性もゼロではありませんから。
ですので、LTO(Linear Tape Open)などの別のメディアにバックアップしていただくことをお勧めします。LTOとはデータの長期保存に適しているテープメディアです。お客様がLTOのドライブをお持ちでない場合は、グループ会社のクープでLTOの運用をお手伝いします。

Aさん クラウドにどんどんデータをアップしていくと、かなりのお金がかかってしまうのでしょうか?

田崎 AWSの場合ですと、データをすぐに取り出すことができる領域と、すぐには使わないデータを保存していく領域があり、それぞれ価格が違います。後者は低価格なので、頻繁に取り出す必要のないデータを分けて保存することで、全体の費用を抑えることができます。それらの費用の詳細については、別途お見積りしますので、弊社にお問い合わせください。

メモリーテック株式会社 デジタルソリューション事業部の田崎雅嗣さん

Aさん 予算も気になるのですが、日々新作映画の公開やメディアの対応に追われていて、なかなかアーカイブに手を付ける時間的余裕がないというのも悩みです。過去にさかのぼって調べるのも大変ですし…。
まずはどういうところから手を付けてアーカイブを始めていけばいいでしょうか?

田崎 カレイダアークのようなコンテンツ管理のシステムをご検討いただく際に、その前段階の「整理」をしっかり行われることをお勧めします。貴社にはビデオテープやフィルム、紙の資料など、どういった種類のものがどれくらいあるのか、どこまでをデジタル化して、アーカイブする必要があるのか、お持ちの資産の現状把握と整理をするところから始めていただくのがいいと思います。そうすることで、予算の全体を検討し、無駄なコストも圧縮することができます。

参考記事:アーカイブの入口は「整理」から ―アーカイブの専門家に聞く!#1【前編】

https://note.com/vp_archive/n/n5d6de11697ce

また、その過程を経ればメタデータも既に管理されている状態に近くなると思いますので、カレイダアークを導入いただくときにも、登録がスムーズになります。
メモリーテックグループでは、グループ会社で連携して、整理からクラウドアーカイブまでお手伝いできますので、まずはお気軽にご相談ください!

Aさん わかりました!本日はありがとうございました。

※本記事は取材を元に構成したフィクションです。


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