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「生活を回す」のエッセンス

ベテラン職員のアドバイス

以前の借金を作らないを書きながら思い出したエピソードから始めます。
ある新任職員さんに、ケア職員がこんなアドバイスをしていました。
「幼児さんの寮舎朝のルーティンについて、子どもが起きる前にそれぞれの椅子をテレビが見やすいところに並べ、テレビをつける」というコツを紹介していました。
実は、この新任職員は子どもと一緒に起きて、ご飯を作りながら、子どもに仕度をさせながら、ドタバタをしていました。
そして、子どもへの注意が増えていき、子どもたちも不穏な行動へとエスカレートしていくという朝でした。
このアドバイスによって、朝起きてから朝食までの流れを自然に職員が想定内でつくることができるようになります。そして心地よい会話が増えていきました。

またこのアドバイスをした職員は朝食が終わったあとにみかんを用意して、それぞれにキャクターの顔やら、すきなセリフを書いて早く終わった順に食べれるような仕組みまで用意していたこともありました。

個別化の中での集団養育のエッセンスを活かす。

施設は個別化、小規模化の流れの中で、集団養育の重要性はあまり言われなくなってきています。
一般的に言う「生活を回す」とかはあまり言われなくなってきているのかなと思います。ただ、ケア職員の関わりを見ていると集団養育のエッセンスは今の支援でも活かせるところがあるなと思っています。
集団療育のエッセンスとしては、集団をマネージメントすることがひとつあります。子どもにすべてを自由に任せることで無駄なトラブルを起こすことがあります。そうならないために、ある程度のレールを引くような感じです。
これもやり過ぎると管理的になっていく危険性もあります。
ただ、無駄なトラブルをへらすことで、前回の「貯金を増やす」関わりに時間をさけるようになります。


つまり起こったことに対応することよりも、起きないような対応のほうが最初はやりやすいですし、安全なことが多いです。
もっと経験や関係が積み重なると、そういう子ども同士の衝突も子どもがコミュニケーションを学ぶよい機会にもなるという見方もできるようになると思います。

今日は以上です。
また来週に更新したいと思います。


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