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私のマドレーヌ

私は紅茶を毎日飲みます。
英国に住んでいた頃、現地校に通い始めた時に毎朝母が朝食と一緒にミルクティーを出してくれていたのがきっかけでした。
いつの間にか朝の紅茶はストレートでしか飲まなくなりましたが、今でもたまに甘いミルクティーが飲みたくなります。
いつもというわけではないのですが、たまにふと英国で住んでいた家のリビングを思い出します。大体朝紅茶をのんでいる時です。

先日、NHK「グレーテルのかまど」という番組で、プルーストの長編小説「失われた時を求めて」に登場するマドレーヌのレシピが紹介されていました。

この小説では主人公がひとかけらのマドレーヌの香りで過去を思い出すところから始まります。その話になぞらえて、フランスでは「あなたの記憶を思い起こす香りは?」という意味で

"Quell est votre madeleine? (あなたにとってのマドレーヌは?)"

というフレーズがあるという紹介が番組内でされていました。

日本語では”プルースト効果”という表現がありますが、
「あなたにとってのマドレーヌは?」
ただの現象ではなく、その人の人柄や背景がわかるこの聞き方、めちゃくちゃ素敵なのでは。

自分語りをあまり”かっこいい”としない日本人こそ、こういった問いは向いているのではと思ったりして。


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