見出し画像

SDGs17の目標-日本の課題は?

SDGsとは?

日本の課題とは?

皆さん、SDGsをご存じですか?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
その目標は17個あります。現状、日本ではどうなっているのか解説していきます。


SDGsの17の目標とは

①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑤ジェンダー平等を実現しよう
⑥安全な水とトイレを世界中に
⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに
⑧働きがいも経済成長も
⑨産業と技術革新の基盤をつくろう
⑩人や国の不平等をなくそう
⑪住み続けられるまちづくりを
⑫つくる責任つかう責任
⑬気候変動に具体的な対策を
⑭海の豊かさを守ろう
⑮陸の豊かさも守ろう
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう

この17個になります。

では、日本の課題と達成状況を見ていきましょう。


日本の現状は?

日本はSDGs達成度ランキングで、2017年で11位でしたが、2023年には21位に後退してしまいました。

そもそも、達成度はどうやって測るの?

これには「232の指標」が基準として用いられています。(SDG指標)

SDGsの17の目標に対して、2016年にSDGs実施指針を発表し、その後2019年にSDGs実施指針改訂版8つの優先課題を掲げました。

「SDGs実施指針改訂版8つの優先課題」

①あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
②健康・長寿の達成
③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
④持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
⑤省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
⑦平和と安全・安心社会の実現
⑧SDGs実施推進の体制と手段

これらの解決に向けて、具体的な施策としてまとめられたのがSDGsアクションプランです。アクションプランの方向性として3つ決められています。

<SDGsアクションプラン~3つの方向性~>

①ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society5.0」の推進~
②SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
③SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

アクションプラン2023の重点事項としては「5つのP」があります。

people人間:多様性ある包摂社会の実現とwith•コロナの下での取組
→女性活躍の推進、次世代のために人への投資、外国人との共生、公衆衛生危機に対する備え。
Prosperity 繁栄:成長と分配の好循環
→地方の活性化、海外企業との連携。
Planet 地球:地球の未来への貢献
→GX(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行)の推進、食品ロス低減。
Peace 平和:普遍的価値の遵守
→アフリカへのフォロー、いじめ問題への対応支援、国際取引の円滑化や外国人を含む全ての人の司法アクセスの確保を図る。
Partnership パートナーシップ:絆の力を呼び起こす
→、国内外のあらゆる関係者との連携を促進・強化。

日本が達成している項目

「4,質の高い教育をみんなに」

世界を見ると学校に行きたくても行けない子供はたくさんいます。日本では義務教育があり、ほとんどの子供は学校へ行くことができる環境にあります。

ただ、問題点としては
・教員不足による教育の質の低下
・いじめによる不登校児童の増加
・病気により登校が困難
など様々な理由で教育が受けられない子供がいます。
これらのことに関して今後改善が必要です。

「9,産業と技術革命の基盤を作ろう」

インフラの老朽化が問題となっています。今後20年間で、建設から50年以上経過する建物の割合が増えると考えられているからです。
また、研究開発費の伸び悩みの問題があり、開発費自体は世界3位だが1位や2位との差はどんどん開いています。


「16,平和と公正をすべての人に」

日本では、子供への虐待、性的搾取、いじめ、体罰を優先するべき課題として挙げています。
虐待で死亡した子供は多くおり、また虐待が気づかれていない子供も数多くいると考えられています。このような現状を解決していく必要があります。

世界では難民の数は8000万人を超えると言われ、難民への支援が必要です。また、現在ウクライナが侵攻されており、ウクライナへの支援なども急務となってきます。

日本の課題

「5,ジェンダー平等」について

2021年に世界経済フォーラムが発表した「The Global Gender Gap Report 2021」において、日本のジェンダーギャップ指数は156カ国中120位とかなり低い。¹⁾
日本企業における女性の管理職は14.7%、パートとして働く女性は男性の約2倍です。こうした背景があり、女性の平均所得は男性より43.7%低い²⁾

主な取り組みとしては、

働き方改革
 →すべての人が社会進出しやすい環境を作る改革。

なでしこ銘柄
 →女性活躍に優れた上場企業を優良企業として投資家に紹介。

「12,つくる責任 つかう責任」について

大きく3つの問題があります。

1つ目に、「食品ロス」これは世界的にも問題になっています。
世界の食料の3分の1が捨てられていると言われています。
主に、野菜や果物が多く、腐敗したり傷んだものが捨てられています。

これに対する主な取り組みとしては、

サプライチェーンの効率化」があります。

サプライチェーンとは、
効率的な生産と消費者に届くまでの過程」のことです。


2つ目に、「水質汚染・土壌汚染」の問題があります。

地球には多くの水があふれていますが、実際に飲用できる水は全体の3%に満たないです。2.5%は南極などの氷河が占めているため、世界の人たちは0.5%の水を分け合っている状態です。しかも、淡水の70%は農業で使用されているため、直接的に飲用水として用いられている水分はごくわずかです。

淡水は本来、自然の力で浄化されますが、廃棄物による汚染のスピードのほうが早いと言われています。

取り組みとしては、

•水質汚染に関しては環境基準を設定
•土壌汚染に関しては汚染物質の除去・運搬の規制

個人単位での節水やゴミの削減、有害物質の廃棄をできる限り無くしていくことも重要だ。

3つ目に、「エネルギー消費の増大」という問題もあります。

世界的に技術は進歩しており、それに伴いエネルギー消費量も増加傾向にあります。このように、エネルギー需要は増加しており、石油などの資源が将来的に枯渇すると言われています。
2020年時点の可採年数は、石油が53.5年、天然ガスが48.8年、石炭が139年とされている³⁾。

取り組みとしては、
カーボンニュートラル」があります。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出をできるだけ抑えたうえで、吸収や除去により全体として温室効果ガスの排出をゼロにすることです。

日本のCO2排出・吸収割合を見てみると、排出量が11億7000万トン、吸収量が4760万トンと⁴⁾、まだまだ先は長そうです。

実現に向け、再生可能エネルギーの導入や原子力発電の技術開発、火力発電の脱炭素化が進められています。

「13,気候変動に具体的な対策を」

気候変動対策には2種類あります。

緩和策
→地球温暖化の進行を止める(緩める)ための取組。

適応策
→気候変動の影響を回避・低減を図る取組


「14,海の豊かさを守ろう」

海のごみのほとんどはプラスチックごみで、このまま放置すると2050年には魚の量を上回るとされています。
また、工場排水による化学物質の流出、地球温暖化による海の酸性化(サンゴや貝が体を形成できなくなる。)、人口増加による魚介類消費量増加による魚の減少など多くの問題があります。

取り組みとしては、

「海のエコラベル」
→MSC認証(海の環境に配慮した魚の獲り方を守っている水産物に与えられるラベル)
→ASC認証(環境や地域社会に配慮した養殖業で生産された水産物)
これらのラベルがついた生産物を増やす。

「サンゴの保全活動」
→サンゴは二酸化炭素の吸収機能があるため温室効果ガス低減のためにも必要。

「15,陸の豊かさも守ろう」

森林の面積自体は維持しているが、林業で高齢化が進み管理できる人が減っています。
また、安い輸入木材を使うことが多く、国産木材が使われなくなっています。
樹木にも収穫適齢期があり、放置していると森林の高齢化が進んでしまいます。

取り組みとしては、

「絶滅危惧種の保全」
「30by30」
→2030年までに陸・海の30%の保全・保護を目指す。

違法伐採木材を使わない、保護価値の高い森林からとられた原料を調達しない、森林認証制度を優先的に利用する、などの調達方針を持っているかどうかを見た上で、製造・販売・流通等に関わる企業を選択していくことも、世界の森林保全への貢献につながります。

「17,パートナーシップで目標を達成しよう」

SDGs達成のためには、途上国の発展が欠かせないません。しかし、現状では途上国への支援資金不足があります。その要因としては、難民受け入れをしているヨーロッパからの援助が少なくなったことやコロナウイルスによる影響があります。
まずは、国際開発支援などを通じて、国内の資金調達を図ることが必要です。

インターネットの普及率を見てみると先進国では80%以上が利用、途上国では20~45%と大きな格差があります。
先進国の技術を途上国にあげれば解決するという問題ではなく、現地での能力構築が必要になります。

<3種類の能力構築の方法>

南北協力
→途上国の発展のために、先進国の技術や資金を提供。

南南協力
→成果を出している途上国が、同じ課題を抱える途上国に技術を提供。

三角協力
→南南協力で資金が難航した際に、先進国が資金面での支援を行う。

また、貿易に関して、不平等な貿易を防ぐために国際フェアトレード基準の見直しなどが行われました。


まとめ

日本の課題はまだまだ多く、またウクライナ侵攻など世界情勢も大きく影響してきます。 
現在、達成している項目も達成していない項目も課題はたくさんあります。
目標を達成するために個人でできることもたくさんあります。みんなの力でより良い世界を作っていきましょう。

文献

1,https://jp.weforum.org/press/2021/03/jp-another-generation-lost-world-must-wait-135-years-for-gender-parity/
2,https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2021/202105/202105_05.html
3,https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/html/2-2-2.html

4,https://www.env.go.jp/press/press_01477.html

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?