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【受身のチェルシー、猛追のシティ】 -21/22 EPL 第6節 チェルシー v.s. マンチェスター・シティ- 9/29更新

 21/22イングランドプレミアリーグ第6節 Chelsea v.s. Manchester Cityのゲームは、0-1でマンチェスター・シティの勝利に終わりました。90分通して世界のレベルを見せつけるかのような試合でした。マンチェスター・シティのほうがトランジションの局面で大きく上回りました。

 チェルシーサポーターとしてはマウントいたらまた違ったなってめちゃめちゃ思いましたね…

青:チェルシー、水色:マンチェスター・シティ

Abstract

 チェルシーはマウントの怪我の影響もあって中盤3枚の5-3-2、シティはフォーデンがゼロトップの4-3-3で入りました。シティは序盤からマンマーク気味にプレスを行い、高い位置でボールを取ることに度々成功していました。それでもゴール前のところでチェルシーが踏ん張りつつ、カウンターを見せて均衡が45分間続いて後半へ。
 後半に入って、水色9番ジェズスがセットプレーのこぼれ球を泥臭く決めて0-1。ここから試合はオープンな展開をいくつか作りますが、青16番メンディを含めたチェルシー側のスーパープレーもあって、青7番カンテに代えて青29番ハヴァーツを入れて5-2-3にしてチャンスは作ったもののそのまま試合は0-1で終わりました。

得点シーンの振り返り

マンチェスター・シティ1点目 52分 ショートコーナーからのカンセロのシュートのこぼれ球をジェズス沈めたシーン

 これは、カンセロのシュートにブロックに入ったヴェルナーの対応がもうはぁって感じですね。ショートコーナーに対して2対1を作ってしまったところでシティが先手を取り続けた結果ですね。

My”Man of the match"

 チェルシー側は、メンディです。
 この試合メンディがいなかったら0-6とかで負けてます。去年のランパードが監督のときにデブライネのゼロトップにチンチンにされた試合みたいになっていたと思います。
 スーパーセーブ連発からクロス対応、ビルドアップの参加すべて満点ですね。言うことなしです。この選手が2,400万ユーロで取れたというのがもう事件ですね。

 マンチェスター・シティ側は、水色20番ベルナルド・シルバですね。
 圧巻でした。前半から動き続けて後半に入っても落ちない運動量といるべき場所にいる力があり、これほどチームを4局面(攻撃、ネガティブトランジション、守備、ポジティブトランジション)で助けられる選手なかなかいません。攻撃ではインサイドハーフからCBの脇に下りたり、逆サイドまで絡みに行ったりしたのに、守備では下りていく青8番コバチッチにマンマークでついていくということを約90分やるという変態さんがこの選手です。
 この試合ではほかにも、デ・ブライネ、フォーデン、カンセロによってチェルシーは破壊されましたが、やっぱりベルナルド・シルバですね。

Conclusion

 今回は、スコアはどうなるかわからなかったとはいえ完敗という印象を受けました。守備の局面では両チーム対照的でした。ハードにマークに行ったマンチェスター・シティとゆるくマークに行ったチェルシー。うまく後ろでフリーな選手を作ったシティとフリーの選手が作るのに苦労したチェルシー。次対戦するのが楽しみなゲームになりました。

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Focus:前半通して自分から見えたチェルシーの守備の図

 この試合、カンテがコンディションの面で不安があったのは後のトゥヘルのインタビューで知ったんですが、カンテはこの試合ではいつものパフォーマンスに比べると圧倒的に良くなかったかなと思います。アストン・ヴィラ戦での寄せを見た方ならわかると思いますが、この試合の寄せのスピードはとても遅かったです。
 そんなことないんじゃないって思う方もいると思うんですけど、後半ハヴァーツが交代して入った直後のプレーを見ればカンテのポジションでうまく前に出したかったのかなと思います。(1点ビハインドだとしても)

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Focus:14分 デ・ブライネのマイナスのクロスからの決定機の場面

 この場面では、カンテが寄せてごちゃってなったところでなんとかカンセロにパスしたところの図なんですが、リースジェームズが一旦はカンセロに寄せようとしたのにグリーリッシュの方に帰っていったんですよ。
 ここがジェームズの苦手な部分だなと感じていて、話がそれます。ジェームズはパワーとスピードがあって、胸トラップが世界一上手い自分からしたらアーノルドくらいの右足持ってるなって選手なんですけど不器用なんですよ😊。なので、1対1頑張るとか右の大外からクロスを入れるとかはできるんですけど、14分の場面のような選択を迫られたり、偽サイドバック的な仕事をして360°の視野でポジションを逐一取り直すみたいなプレーが今は苦手なんですよ〜って話でした。

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 そうするとカンセロが前向いた状態でフリーになるので、考えられるパスの選択肢が下の図に書いてある以外にもカンセロの中ではたくさんあったと思うんですがデ・ブライネにパスを選択。

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 ついていったジョルジーニョのをかわすようにマイナスにクロスを入れたところでなんとかアロンソが来て得点ならずという場面でした。
 マルコス・アロンソが機転を利かせてマイナスに入っていったのはベリーグッドです。

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Focus:15分 シティの決定機からのカウンターでルカクの不発に終わった場面

 このシーンはチェルシー側の狙いが見えたシーンだったと思います。
 ルカクのポストで攻め上がりを待ちつつ落としたところからスペースに走る。この形はシティ相手だったら当然あってしかるべきな戦術だったと思います。ルカクのポストは相変わらず凄いですね。

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 今季チェルシーのカウンターのユニットは基本的に、2TOP+アロンソ(+マウント)でゴールまで行くシーンが多いんですが、15分の場面でも特徴が出ていますね。

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 下の場面でめっちゃ気になったのがヴェルナーの走り方なんです。ハイライトとかであったら見てほしいんですけど、試合とおしてそうなんですけどめっちゃ直線で走るからこのシーンも、直線で走ってから後ろ見てディフェンスラインの確認、カンセロ浮いてた、じゃあそのまま走ろうなんですよ。オフサイド王の名にふさわしい活躍はいいですが、ドイツではもうちょっと裏抜けうまかったことない?って思いましたと言うかいつも思ってます。
 ハヴァーツの裏への駆け引きぜひ見てください。動き直しとか諸々うますぎます。

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 ここのシーンで気になったのは、「確認できず」のところなんですよ。この後の数秒でラポルト、ロドリ、デ・ブライネとボールが渡るんですけど、このときにデ・ブライネがフリーなんですね。ということはつまり、カンテはカウンターにあんまりトップスピードでは走ってなかったってことなんですよ。この理由は多分カンテの体調不良によるものが大きいとは思うんですけど、ここがあるのとないのではカウンターの成功率が低くなっちゃいますよね。この試合は不運でしたかね。ジェームズが内側に捻ってしまってスプリントがあまりできなかったのも大きいです。

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Focus:あおの考察

 今回のシティのビルドアップに対してどうすべきだったのかと言うのを考えていたんですが、結論、トゥヘルは「ジェームズ負傷してかつ、このビルドアップやったら4バックにしたいな。やったらアロンソやなくてチルウェル起用しとけばよかった」って思っていたんじゃないかと言うのがあおなりの仮説ですね。
 ビルドアップの形が下図のような感じだったんですけど、CBがフリーで持ちすぎて中盤の3枚の守備負担が尋常じゃなかったんですよ。かつ、中盤3枚の間が振られすぎてガバガバでフォーデンは下りてくるし、デ・ブライネに簡単に入るしで…

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 ジェームズが負傷交代するときに4バックの可能性もよぎったとは思うんですけど、チェルシー見てる人はアロンソのLSBとアスピリクエタのRSB起用危ないなーって絶対に思います。そんなことないんじゃないかなって思う人は夢見過ぎですね。アスピリクエタは大好きな選手ですが、それでもです。この試合のグリーリッシュだったらいいんですが、フォーデン左に回されたらちんちんにされるのが目に見えますね。でも右はこれでもいいですが左は無理ですね。
 なので、いつも5バックなのも考慮して5バックの継続を選んだんだと思います。例えば、ジャームズからここでハヴァーツに代えたとしたら4−3−1−2になると思います。

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 4−3−1−2にして、上図のように2TOPが外のコース消しながらプレスするとCBに圧力かけられるし、苦労したロドリ消しもできるんですよ。シティのCBからして縦のパスコースは中盤3枚の間が狭くなるので入れにくくなる。
 ベルナルド・シウバが前目で受けたらとかウォーカーにボールはいっちゃうじゃんの声に対してはウォーカーは攻撃があまり得意ではないです。なので、持たせてから引き込んだところで刈り取ればもう後ろにはデザートのてんこ盛りなんですよ。かつ、この試合のコバチッチはCBライン付近まで降りるシウバに手を焼いていたわけで、少し前で受けるということはコバチッチのアプローチもしやすくなるんですよ。
 これ以上のメリットやパターンは書きませんが、4−3−1−2はデメリットもあります。ウイングがボール持ちやすくなるとか。ですが選択肢としてはありだったんだろうなという妄想でした。

 読んでくださりありがとうございました。また読みに来てください!

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