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起業において、ごく一般的な人が人生の一大チャレンジをできるのは人生の中でもごく僅かの期間しかない。

今年一年を振り返って思った事を書こうと思ったのだが、それがこのタイトルの内容で、ごく一般的な人が、起業において「実は80〜100年の人生の中でチャレンジできるのは、人生の中でもごく僅かの期間しかない」という事である。

結論から述べると、それは「人生の中で30代前半だけ」という事である。

「ごく一般的な人」がというのはこの文章の重要な所で、親が裕福とか、宝くじが当たって大金を持っていたり、特殊な能力や知識を持っていれば、いつでもチャレンジが出来ると思うが、多くの人はそうでは無いだろう。そして、所謂スーパーマンみたいな人は今回は省かせてもらう。恐らく、年齢関係なくいつでもチャレンジ出来ると言うし、制限のある中でも成功してしまうからである。ただそういう書籍や著名人がいう内容は、現実離れしている時もある。(勿論、何歳になってもチャレンジをする事は忘れてはいけない!と思っているが。笑)

そして、起業においてのチャレンジという概念自体が人によって大きく変化すると思うのだが、私が思うチャレンジというのは「世の中にない事を実現しようとする事」である。チャレンジという観点で経営者を大きく2つに分けるとするなら、「世の中に既に存在している事を、独立してやっている経営者」と「世の中にまだ存在しない事を、実現しようとしている経営者」であり、後者が私のいうチャレンジをしている人という事だ。(「無謀な博打」というのが適した表現かもしれない。笑)

別に前者でもチャレンジしているのだ!と言うのであれば、言ってればいいと思う。「既存のビジネスのここだけを少し独自性があって、、、、」とか「このビジネスとこのビジネスを一つの会社でやっているのは弊社だけ、、、」とかそういう例もあると思うのだが、結局自分の中でチャレンジと思えるのであれば、それはチャレンジだろう。(ただこの文章内容的にはあまり当てはまらないというだけである。)

ごく一般的なビジネスパーソンである私自身は、30歳で初めて起業した。
30歳で起業するという事は、社会人になってからずっと置いていた目標でもあり、それを実現する事が出来たのだが、その時は今回思うような事を思っていたかと言うとそうでは無い。正直言うと、「たまたま」である。笑
しかし、このタイミングで起業した事が本当に良かったと思うし、今のこの時間を絶対に無駄にしてはいけないと今常々感じている。だからこそ伝えたいと思ったのだ。

それでは、それぞれ20代、30代前半、30代後半、40代以上という観点で述べたいと思う。

まずは20代から。
20代は、30代の次にチャレンジがしやすい年齢だと思う。
しかし、どうしてもそもそも社会を知らない事と、経験や知識・知見・スキルの無さ、人脈がほとんど無い事、そして毎日使うお金で創業資金も形成する事が出来ない事で、なかなかチャレンジが出来ない。(そもそも心理的ハードルが高い。)親が経営者などで、自分で経営する事を常日頃から触れ合ってきた人は、自分で経営する自信あると思うので、もしかしたら20代からチャレンジする人も多いだろう。しかし私の場合は、一般的なサラリーマン家庭で育ったので、なかなか心理的ハードルの高い事であった。

次は30代前半。
ここが一番チャレンジするのに適した年齢だと言える。
それは、一定のスキルや経験、人脈、そしてそこまでの金額では無いものの創業資金を持っており、結婚もしていないので子供もおらず、自分の為だけにお金を費やす事が出来るからである。
今まで色々な経営者を見てきているが、子供がいる人でチャレンジをしている人は多くはない。上述したように、経営者を大きく2つに分けるとするなら、「世の中に既に存在している事を、独立してやっている経営者」と「世の中にまだ存在しない事を、実現しようとしている経営者」だが、前者の場合であれば、結婚していても、子供がいても、問題ないだろう。ただ、そういう経営者が行き着く先は、世の中の99%を占める大企業の下請けの中小企業か、今後そうなっていくベンチャー企業である。

この「世の中に既に存在している事を、独立してやっている経営者」と「世の中にまだ存在しない事を、実現しようとしている経営者」を2つに分けるには大きな理由がある。
前者は、短期的に収益を生み出す事が出来るから大きなリスクを追う事もない。ただ後者は、まだマーケットが成熟していないという意味で、成功するかしないか手探り状態の訳で、短期的に収益は生まれないし、投資したお金が全て消えゆくかもしれない。これは大きな違いである。

30代後半から起業するのも、当然悪くはない。
30代前半よりも、スキルや経験、人脈、お金を持っているからである。しかし30代後半になると結婚して子供が生まれ、家をローンで買ったりする事で、そこまで仕事でリスクの負える状態にはならないからである。30代後半で起業した人も、「世の中に既に存在している事を、独立してやっている経営者」と「世の中にまだ存在しない事を、実現しようとしている経営者」でいうと、前者の場合が多い。そして、起業して思うのが、起業しなければ分からない事や起業しなければ必要が無いスキルや経験も多い。この経験やスキルを身に付けるには若ければ若いだけ良いだろう。
30代前半からチャレンジしておければ、30代後半になって子供が生まれるなどでプライベートを重視しなければいけなくなるタイミングでも対処できる。

40代以降になると、もっと考えがコンサバになる傾向があると思うし、そもそも体力的に身体がついていけない可能性がある。起業して初期フェーズの経営においては体力が求められる。そもそも40代になるまで起業した事無い人は起業しようと思えないというのは一番の理由だ。(ここは、自分が40歳になった時に、なんて生意気な事を言ってたんだろうと思う為の備忘録でもある。笑)

家庭やプライベートを全て投げ打ってチャレンジしている人からすると、これらの考察すら甘い!!!と言われそうだが、ごく一般的な人が、起業において人生の一大チャレンジをするには、30代前半が良いのが、これらの理由である。

結局、自分にしか自分の人生に責任はない。
他人からどうこう言われる事ではないし、比べるものでもない。
そしてチャレンジだけが、人生を形作るものでもない。
チャレンジしない事で得られる幸せも沢山あるだろう。

本当に心から満足して、自分はチャレンジした人生を送る事が出来た、と思って死ねるだろうか。


私はそう思って死にたいと思う。


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