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帝国劇場『千と千尋の神隠し』に行ってきた

タイトル通り、帝劇の『千と千尋の神隠し』を観劇しました。
橋本環奈さんの、帝劇千秋楽の回です。

抽選の段階で出しまくってたんですが全く引っかからず、リセールのキャンセル拾いでなんとか購入できました!!!

でも席は二階席の一番うしろ!!しかたないね!B席だからね!!!

でも席に結構角度がついていたのでちゃんと見えました。


キャストはこんな感じ

みてはじめに思ったのは、いろんなキャストのバージョンを見比べてみたい!!!ということ

これ絶対人によって感じ違うよ!!当たり前だけども!!


千尋って、最初はどんくさくてうじうじしている感じがあるじゃないですか。子供心に「しゃきっとしなさいよ」と思った覚えがあります。まぁ千尋は小学生なのでしょうがないというか、年相応だと思いますけど。

環奈ちゃんの千尋は、異世界にビビってはいるけどうじうじしてないんですね!この千尋ならやっていけそう!強い子!!

そして可愛いんですね〜
もちろん顔もかわいいんですが(めちゃめちゃ遠かったので顔はちゃんと見えないんですがそれでも伝わってくる可愛さ、オペラグラス買えばよかった)人柄というか、カオナシやネズミになった坊を気遣う姿がとても優しくてかわいいんです。


釜爺役の田口トモロヲさんも素敵でした。
とにかく釜爺優しいんですよね。そのなかでギャグ部分を担っている。「グッドラック」とか「グッドアイデア」とか「ラブ…♡」とか言ってくれるんですけど、そのタイミングに合わせてすべての手がその形になるんです。
釜爺の手はたくさんあるので、それぞれを別の役者さんが動かしているのですがこれをぴったり揃えるのって絶対大変ですよね。

場内アナウンスも釜爺でした。優しい〜

カオナシも、最初は一人だけど飲み込んで巨大化していくうちに沢山の人で構成されていきます。みんなで一体を作り上げるって大変過ぎ!!

カオナシ役はどなたもダンサーさんですが、あれはほんとにすごいですね。多分黒い全身タイツの上に、ヨギボーの袋みたいな、伸び縮みする素材の布を被っていると思うんですけど、その布を変形させたり、腕を引っ込めたり出したり、そんな動きの組み合わせでうごうごと蠢く人っぽい魔物が生まれます。すっごい縮んだりする。ほんとに??って思う動きの連続で、不気味だけど目が離せない感覚になりました。 

リンと千尋の母が同じ役者さんなのもすごい。全く別人の声ですもん。この二人は特にアニメ版に近い感じがしました。そしてリンが最高。友だちになりたい。あんなん大好きになっちゃうでしょ。優しいし快活で。

ハクは登場シーンからもう心掴まれますね。有名な、息で魔法をふーっと吹くやつ、あれかっこよすぎ。
そしてハク龍が美しい。3つ形態があるのかな?
白い布を棒で支えて、凧のように動かすもの、顔がついていて体は布のもの、そして体まですべてパペットのもの。これには千尋も乗ります。

このみっつで距離の違いを表していて、パペットからは人間のハクがあらわれたりもします。


このパペットがすごくてですね、とくにおしらさま!白くて大根みたいなかみさまです。
これがぽよぽよしてて、ほんとに映画そのまんまにみえました。舞台から落ちないかなと心配になるくらい動きづらそうなんですが、揺れ方とか歩き方とかほんとそのまんまでかわいいです。


湯婆婆も、怒ると顔が巨大パペットになります。これ、初演時のドキュメンタリーで見たんですけどすごく重いんですってね。それぞれの顔のパーツを独立して動かすから、全体としてずれないようにするのも大変そう。しかしこの演出方法はすごいですね。
湯婆婆が髪をおろしてる姿もみえました。結局湯婆婆含め、千と千尋の登場人物ってほんとにみんな魅力的でいい人だなぁと感じました。


オペラグラス買えばよかったかな


舞台になったことで、よりリアルになったなと思うところもありました。

特に、冒頭の両親が豚になるシーン。映画ではアニメーションの魔法すげー、と思っていました。
しかし、舞台で実際に人が演じているのを見ると、両親が理性を失って料理をむさぼり食うさまはホラーです。その場を離れた千尋が戻ってくると、もう両親の顔はリアルで大きな豚の頭になっているわけです。
これは人間側がリアルだからこそより奇妙さや恐ろしさが引き立つように感じました。


また、カオナシの欲望もよりリアルに感じました。これは自分が大人になったからわかるようになっただけかもしれませんが。
湯屋のなかで、人を喰らい、欲望を吸収するカオナシがどんどん欲深くなっていく様がとてもわかり易かったです。舞台だからこそ、背景のシンプルさ故に引き立っていたようにも感じます。料理を喰らい
、湯船を求め、踊りも要求する。肥大化するにつれて構成する人間の数も増えていくので、より多くの人から成り立っているようにもみえます。人の煩悩や欲望の集合体のようにも見えました。口が大きいのもそれっぽいですね。

そんなカオナシを拒絶しない千尋は「あの人はあそこにはいないほうがいい」といって、一緒に銭婆のところへ連れていきます。湯屋が欲望の渦巻く場所とわかっての発言でしょう。カオナシも「…サミシイ」とつぶやいて暴走していました。寂しさを埋めるために欲望に駆られ喰らい尽くす。
そんなカオナシは、銭婆の手助けをすることで居場所を手に入れる。なんて素敵な話なんだと思いました。こんなに学びがあるのか。

もちろんすべて原作にある流れですが、より身近にと言うか、リアルなものとして感じました。


ところどころ挟まれる湯女たちによる歌もよかったです。
あと、定期的に走る列車はなんだったのでしょうか。千尋が高いところに上がると、舞台上を列車が走ります。プラレールみたいな。あれなにかを象徴してる気がするんですがね。なんでしょう。


観劇して、ほんとうに素晴らしい物語だと感じました。千尋がハクにもらったおにぎり食べるシーンとか泣いちゃったよ。みんなも泣いてた。

ぜひまた映画を見返して、そして舞台も他の方のバージョンを見てみたいなと感じました。最高だったなぁ。



帝国劇場の近くにはカヤトーストの店があります。うめーー



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