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スポーツの日特別回その1 羽生結弦が創るフィギュアスケートのONE TEAM感

本日は、「羽生結弦が創るフィギュアスケートのONE TEAM感」です。
さて今日は、スポーツの日でもあり元々東京オリンピックの開会式の日でもあるということで、スペシャル回としてこの朝7時の回、そしてお昼11時の回、夕方17時の回、の3回配信いたします。また、取り上げる人はオリンピック繋がりで、全員オリンピックのメダリストです。
第1弾の今回は、先日ISUスケーティングアワードでMost valuable Skaterという最優秀選手賞を初代受賞された「羽生結弦選手」を取り上げます。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部抜粋です。
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第1弾の今回は、先日ISUスケーティングアワードでMost valuable Skaterという最優秀選手賞を初代受賞された「羽生結弦選手」を取り上げます。
この最優秀選手賞は「実績に加え、ファン・メディアの注目・スポンサーの評価により、フィギュアスケートの人気を高めた」2019/20シーズンのスケーターに贈られる賞のことを指します。全フィギュアスケーターの中から、選ばれた非常に名誉ある賞です。

で、この賞を受賞した際、羽生選手がインタビューで答えた内容があり聞いたんですが、衝撃を受けました。羽生選手が考えている範囲の広さ/見ている視点/視座の高さに。ここが一社会人として、実現したいことを実現するときに生かせるポイントが沢山あるなと感じますので、そのポイントをご紹介します。題して、「羽生結弦が作るフィギュアスケートのONe Team感」です。

Iメッセージによる、プロ選手とアマ選手を巻き込むOne Team感の醸成

羽生選手のインタビュー内容の一部を後ほど引用して話しますが、私が凄いなと思ったポイントを先にお伝えします。
何かと言うと、「ある種、個人競技という観点が強いフィギュアスケートというジャンルを、アマチュア・プロを1つのチームとして盛り上げようとしている&その盛り上げを自らが先頭を切ってやろうとしている。しかも、プレーヤーとしてもトッププレーヤーを目指しつつ」というところ。

つまり、「プレーヤーとして」という観点に加えて「スケート界全体」というマネジメントの観点、つまりAs Player、As Manager2つの立場を、両方とも同じぐらいの重要度で考えていることが伺えるんですよ。

実際、彼の言葉には多くのプロフィギュア選手/アマチュア選手が勇気づけられたのではと感じます。では、MVSを受賞した直後の内容を一部話します。

まず、「あなたのスケートを応援する人やスケートに参加する人を増やすことはどれほど大切ですか?」という質問を受け、羽生選手はこう答えます。1分弱話します。

応援を受けているのは私だけではないので訂正させてください。
フィギュアスケートはスポーツです。ショーではありますが私たちはアスリートで、競技です。1人だけでは競技にはなりません。多くのアマチュアスケーターがいて競技は成り立っています。これがスポーツとしてのフィギュアスケートです。」
「私は、日常生活においてほぼ常にフィギュアスケートについて考えています。常に、より強く、よりうまくなろうと考えています。1人のアマチュアスケーターとして、一生懸命、頑張って、自分が望む結果を出したいと思っています。家族やファン、コーチが私に期待するものをかなえたい。」
そして、インタビュアーから「次世代の若きスケーターへアドバイスを」と聞かれこう答えます。
「すべてのスケーターは、それぞれが自分が表現したいスタイルを持っています。それぞれ表現したいこと、できることは違います。だから私はアドバイスする立場にはありません。世界のトップスケーターたちの、最高のフィギュアスケートを見ることを楽しみたいと思っています。」

以上です。

この内容のどこが私の琴線に触れた部分かといいますと、まず冒頭の部分です。
「受賞したこと/ファンからの後押し」に対して、応援されているのは自分だけではないと、フィギュアスケート界全体を見ての視点で答えているところ。普通なら「ありがとうございます。嬉しいです」とか出るはずなんだけどそうじゃない。最初から訂正してくるんですよね!

また、最後の「みんな表現したいこと、できることは違うから自分はアドバイスする立場にはない」という言葉から、心の底から自分だけがフィギュアを支えているわけでは全然ないという考えが伺い知れますし、この言葉を裏返すと、「一人一人のフィギュアスケーターは、自分のベストを尽くしてね。それが見たいし、フィギュア界全体の盛り上がりにもつながるよ。自分もそれをしているだけだよ」とも受け取れます。

つまり、プレーヤーとしての羽生結弦は、「自分が表現したいこと/出来ること」を突き詰めているだけと言えばだけ。という話です。

この「自分が表現したいこと/出来ること」を突き詰めるのはとても難しいことだと思うのですが、「自分はそれをやっているよ。みんなにもやって欲しいし、やっている姿を見たいよ。それがフィギュアスケート全体を盛り上げていくポイントだよ」というメッセージになっているということ。

現役トップの選手が、このような発言をすることは、スケートをしている選手なら響くものがあるでしょうし、「フィギュアスケートはスポーツで、1人だけでは競技にならない。多くのアマチュアスケーターがいて競技が成り立っている」という言葉。プロスポーツ(いわゆるダンスとかで公演/ショーをする)側面だけでなく、アマチュア選手(競技そのもの/オリンピックにでる)への強いリスペクトを感じます。

改めて今こうやって話してみて感じますが、羽生選手がこのような言葉をインタビュー受けて速攻出るのは、普段から相当考えている証拠だなと感じます。
要は、「プロ選手はアマ選手がいて成り立っているのを忘れないですね」「アマ選手はプロみたいに、自分の実現したいこと/表現したいことをちゃんと突き詰めてね」と、個人競技感の強いフィギュアスケートをアマとプロ両方一緒に、フィギュアスケートチーム、Oneteamとして進んでいこう!という、スケータ~に向けて、氷上の上では1人だけど多くの仲間がいるので団結していこうという、スケーター同士の繋がり/一体感を意識したメッセージを出しているんですよね。
なんでこんなに羽生選手の言葉は力強いのか、感じるものがあるのか?をもう少し深掘りして考察してみると1つの共通点があります。意見や考えをいう時にちゃんと主語を「私は」にしているんです。コーチングでは主語を私は、なのでIメッセージと呼びます。

このIメッセージの何がポイントなのかというと、「評価をしない」ということ。
これはどういうことなのか、また私の日常にどう生かせるのか次のチャプターでお話しします。

「私はアドバイスする立場にはありません。世界のトップスケーターたちの、最高のフィギュアスケートを見ることを楽しみたいと思っています」から読み取れること

Iメッセージは「評価しない」言葉だとお伝えしましたが、対語になるyouメッセージ「あなたは」だと評価が入るんです。
どういうことなのか例をあげます。例えば、先ほどの羽生選手の一番最後の言葉「 世界のトップスケーターたちの、最高のフィギュアスケートを見ることを楽しみたいと思っています。」ここは、楽しみなの羽生選手なので、Iメッセージです。
Iメッセージって何かと言うと、嬉しい、楽しい、好き、嫌い、とか主語が私で割と感情を出すような言葉。

先ほどの言葉をYouメッセージに変えるとこんな感じ。「最高のフィギュアスケートを見せてほしい」。「あなたが、私や世界に・・・」といった感じ。youメッセージにはどういう言葉があるかと言うと、「すごい!天才!素晴らしい!」とか。これって全部あなたはすごい!天才!素晴らしい!とかという言葉。これって、立場が上から下の人に使うのはしっくりくるんですよね。上司が部下に行ったり。なぜかというと評価が入るから。
でも、羽生選手はこの言葉を多くは使いません。

しかも、若手スケーターに向けた質問に対する答えなので、通常は若手にエールを送るような、〇〇目指してね!がんばってね!とかyouメッセージで、やや上からの立場で伝えがちなんですけど、そうはせず「楽しみだ」と答えているのが感銘を受けたポイントです。


羽生結弦選手の言葉って、Iメッセージが多いので目上の人にも目下(若手)にも刺さる.伝わるコトバなことが多い。これが、より多くのファンを引き付ける理由のうちの1つかなと感じます。当然スケーターとしての表現力、スケーティング力など、この言葉よりも大きなポイントは沢山ありますが、今回は言葉に注目してみた次第です。

ということで、今日のTipsはこちら。「Iメッセージを意識して会話してみましょう」。

嬉しい.楽しい/好き/嫌い/なかなか日本人はこういう感情を出す系の言葉は苦手と言われますが、この言葉を言われた方は嬉しいものです。
私も提案書を作っていて、「この構成素晴らしい!」と言われるのも嬉しいですが、「この構成にしているの、俺は好きだわ」と言われると、分かります?結構こだわってんすよ!みたいに「素晴らしい」よりも認められている感じがしてつい嬉しくて話しちゃう。
是非、普段Youメッセージを使っていたら羽生選手のように主語をIで話すメッセージを増やしてみましょう。

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