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低迷期や負のスパイラルの対処法 横浜DeNAを例に

さて、年度末が近ついてきました。
当社もクライアントからの期末の案件が多くてラストスパート、2021年度に向けてのスタートダッシュを意識することも増えてきました。
そんなことを思っていました。

で、スタートダッシュのヒントとしてなんかないかなと思った時に、負の流れから如何に脱却するかをテーマにするのもありかなと。

そんな切り口で探していたときに見つけたテーマが”横浜DeNAベイスターズ”でした。

横浜を出る喜びとか、TBSの身売り問題など、2000年〜2010年題の前半ぐらいまでは、ちょいちょいネタにされたのを思い出した。

ただ、IT企業のDeNAがオーナーになってから着実に再建を果たしていったことを覚えているリスナーの皆さんも多いのではないでしょうか?

今日は、横浜DeNAベイスターズの再建から、低迷や負のスパイラルに陥った時の向き合い方、脱し方について考えたいと思います

何故ベイスターズは98年の優勝から暗黒時代に突入してしまったのか?

まず、DeNAがオーナーになる前の、横浜ベイスターズの1998年のリーグ優勝から2010年までの暗黒時代に陥ってしまった要因について触れていきます。

こちら、あらかじめお伝えしますが、いろんなYoutubeチャンネルの情報ソースでしたので、結構主観も入っているかと思いますのでご了承ください。

まず、1998年横浜ベイスターズですが、自慢のマシンガン打線が機能して、38年ぶりのリーグ優勝に輝きます。
チームを指揮したのは、権藤監督。
リーグ優勝の翌年の、99年、2000年もAクラス入りするなど、強豪チームへの地位を確立していきました。

しかし、この当時の権藤監督の方針は、
・良い意味では伸び伸び選手の自主性を重んじる、
・悪くいうと放任主義でした。

当時のセオリーでは、例えばチャンスを広げるという意味でのバントのサインも全くなかったようです。
この流れがあり、現場もさらに上を目指していきたいということで、緻密な戦略を求めるようになりました。

そんな時に白羽の矢が立ったのが、90年代の西武黄金時代を作った森監督。
しかし、これが結果論になりますが、暗黒時代の突入の引き金になってしまいます。

この理由を紐解いてきます。
まず、森監督のスタイルは、権藤監督との真逆な徹底的な管理野球でした。
そこで重宝された、野手陣も、打撃力よりも守備力の高い選手。

打撃センスがあって、守備に難はある、これから鍛えれば、成長していくという若手も混乱をしてしまい、世代交代に失敗していきます。
さらには、99年以降、守護神の佐々木選手のメジャー移籍、チームの主軸ローズの退団、ベテランの駒田選手の引退と主力選手の退団も続きました。

こんな感じで、皮肉にもチームの良さが少しずつ消されていきました。

さらには、チームの守備の要であった、谷繁選手と森監督のそりが合わないということから、中日に谷繁選手は移籍します。

こんな感じで、緻密な野球を植え付け、ステップアップを狙った計画が裏目に出て、森監督は2年連続最下位、2年目の途中で退任してしまいました。


そこからは、負のスパイラル、沼に少しずつ、ハマって行ってしまいます。

・2003年〜2004年の山下監督では、大チャンス打線と銘を打って、のちの主力になる、村田選手、内川選手、多村選手などの若手のめが出ますが、2年連続最下位

・2005年に牛島監督が就任して、投手陣の立て直しをはかり、3年連続の最下位を脱出してAクラスになりますが、翌年はチームの不振で最下位に逆戻り、シーズンの途中で「責任を持って退任する」と会見しました。

ただ、表向きは責任を持って引退とのことですが、その裏ではチーム強化をめぐっての球団、TBSとの確執が原因とも一部封じられました。

真相は定かではありませんが、ここから、横浜ベイスターズは迷走をしてしまいました。

・2007年、前回優勝チームの基礎を作った、大矢監督が再登板するも、立て直しに失敗2007年は4位、2008年、2009年は2年連続最下位
・2010年、2011年は尾花監督が就任しますが2シーズン連続の最下位

暗黒時代の末期である、
尾花政権時代では、こんなエピソードもあったみたいです。
・獲得の要望を出していたけれども、全く違う選手が獲得されている
・当時、チームの主力だった、内川選手がグラウンドに来ても、誰も来ていないので、対戦チームの練習に混ぜてもらった。
・他球団から横浜に来た選手が、練習量の少なさにびっくりしていた、他球団の半分ぐらいの練習量
・助っ人外国人で内野手を獲得したと思ったが、外野しか守れない
などなどです。

ちょっと煽り気味のネタ的な要素が一部あるかもしれませんが、ちょっとすごいエピソードだなと思いました。

また、補強戦略もうまく機能していなかったみたいです。
・例えばドラフトでは当時、指名枠があったのですが、そこで獲得した投手がほとんど活躍できていない
・では、外国人選手で穴埋めしたといと思って補強しても機能しない
・そういうこともあり、一部の中継ぎ投手にかなりの皺寄せがいき、故障や選手生命が絶たれてしまう

それがチームの悪循環を生んでしまいました。


さらには一部の主力選手である内川選手や村田選手も、”自分の力では、チームを浮上できない”と無力感を感じるようになり、移籍をしてしまいました。


こんな状態が続くので、球場もガラガラになることも多くて、売り上げも赤字体質、最終的には他の地方への身売りも考えていたようです。

そんな中で、手をあげたのが、IT企業であるDena。

Denaが球団経営を引き継いでから、最初の1年、2年では順位という結果には結びつかないのですが、少しずつ体質も改善されていきました。
次のチャプターでは、DeNAベイスターズの再建について取り上げていきたいと思います。

横浜DeNAベイスターズの球団再建

さて、このチャプター 横浜DeNAベイスターズの再建ですが
「中畑監督、ラミレス監督のチーム改善」「オーナー企業であるDenaの球団経営」の大きく2つのテーマで考えていきます。

まず一つ目の中畑監督とラミレス監督のチーム改善についてです。

横浜DeNAになってからの1年目の2012年〜2015年まで中畑監督は指揮を取りました。
この就任時期では、最下位、5位、5位、最下位と一度もAクラスにはなれなかったのですが、チームの体質を徹底的に変えていきました。
負け癖がついた停滞していた空気を、持ち前の明るさと前向きな性格、プロ意識を浸透して戦う集団に変化。

順位だけで見ると、結果は変わっていないように見えますが、着実に他チームとの差は縮まりました。こちらは、ベースボールチャンネルの記事の抜粋です。

中畑監督の4年間(今年は2日まで)の勝率は239勝318敗17分 勝率.429
その前の4年間は194勝368敗14分 勝率.345

中畑監督就任以前の横浜ベイスターズは、優勝争いにほとんど絡むことがなかった。首位とはほとんどが30ゲーム以上離された。今季は現時点で最下位だが優勝したヤクルトとは14ゲーム差。

昨年はセリーグ球団の中で唯一巨人に勝ち越し、今季は前半戦は首位だった。セの5球団との実力差は確実に縮まっていた。若手の育成に力を注ぎ、チームの土台を築いたのも中畑監督だった。

2012年、100打席以上の野手の平均年齢は29.4歳だったが、今季は25.8歳。
筒香嘉智、梶谷隆幸ら20代の若手選手が主軸に成長した。

さらに集客アップにも多大な貢献をします。
就任前の2011年では110万人、最終年の2015年では179万人。(約1.5倍以上増加しました)

そして、中畑監督の後を受けたラミレス監督。海外選手はつの2000本安打、さらには、独立リーグに在籍など様々な経験を積んで、2016年シーズンからチームを率いました。

時に意外性のある采配を取りながらも、2016年は3位と11年ぶりのAクラス入り、2017年も3位でしたがクライマックスシリーズでカープを破り、日本シリーズに進出しました。

ソフトバンクホークスに2勝4敗で惜しくも日本一には輝けませんでしたが、暗黒時代から完全に脱却できたといえます。

また、ラミレス監督を抜擢した、理由を当時の球団社長である池田氏はこのように振り返っていました。Number Webの抜粋です。

ラミレスは、選手のころから“平常心”に重きを置いていた。打った日も、打てない日も、ブレない自分を持ち続ける精神力を持っていました。彼が監督になれば、チームにもブレない軸ができるのでは……。そう考え、ラミレスを監督に抜擢したのです。

このように明確な狙いがあるからこそ結果に結びついていると思いました。

続いて2つ目の球団経営についてです。

こちらは現代ビジネスの記事 わずか5年でハマスタが常時満員!伝説の球団社長が明かす「組織論」を中心に抜粋します。

2011年末、チームの再建を担当したのは当時35歳の池田純さん。
当時の問題をこのように振り返っていました。
・就任する前の前年の赤字は24億円で当時はスタジアムの空席も目立つ状態
・社員の考えや組織を知るため、120人の社員に1対1でMTGをしたが、ぬるま湯体質で、ひたすらルーティンワークをこなしているのみ

これを変えるために、色々なことに挑戦して時に失敗をしますが、成功体験を作っていくことにこだわり、徐々に成果を出していきました。
そして、ファンを呼び戻すべきだと改革を起こしました。

・98年の横浜優勝してから遠のいている30代、40代の元ファンへのテコ入れ
・野球をエンターテイメントとして捉えて、ファン体験の向上のの施策も投入。

さらにファン体験向上するにあたって、必要な条件といえる横浜スタジアムなのですが、当時は別会社だったようです。
それを、友好的なTOBで傘下に納めて、意思決定と実行の部分でのボトルネックを解消もしていきました。
例えば、球場内の飲食面での改善、球団独自のビールの開発などなどです。

こういった改革により、少しずつ、オールドファンは戻っていき、新規ファンの開拓にも成功します。

また、昨シーズンはコロナ渦でしたが、強みであるIT・デジタルの力を用いて、オンラインバーチャル観戦ということで、アバターを作ってバーチャル球場に訪れて、オンラインでの配信を楽しむなど様々な試みをしました。

こんな感じで監督のチーム改革、球団のチーム改革がピタッとハマり、選手も戦う集団に徐々に変わっていきました。
これが好循環を生んで、2016年以降はAクラスの常連、昨シーズンはBクラスに沈みましたが、新しく就任した三浦監督の手腕に期待したいなと思います。

次のチャプターでは、Tipsについて考えていきたいと思います。

停滞しないために意識すること 及び 低迷してしまった時に意識することとは?

さて、今回のTipsについてです。

反面教師にすること、現場改善に目を向けるかによって、いろんな捉え方がまずあるなと思います。
そんな前提なのですが、大きく2つあるかなと思います。

まず1つ目:決め方を決める

この言葉について少し説明させてください。
こちらは、Voicyのチャンネル「採用とキャリアと私とボイシー」の3月12日の放送からの受け売りです。

こちらのチャンネルは、オンライン人事サービス キャスタービズリクルーティングの事業部長、森数さんが先月立ち上げたチャンネルです。

さて、この3月12日の回は「失敗しない会社選びと決め方」という回だったのですが、その時に出たのが「決め方を決める」でした。

我々ビジネスパーソンは、何かと、意思決定するシーンは多々あります。
ただ、感覚的なこととかで決めるのではなく、原点に立ち戻るというか、こういうプロセスで判断したんだから、みんなが納得できるというように動くことも大事と言えます。

私の推測も入りますが、暗黒時代の当時は、監督がシーズンの途中で休養に入ることが多々ありました。
前のシーズンではうまくいっても、次のシーズンで不調であれば、すぐに退任するというのは、チームとしてもよくはないと思います。

うまくいっていない時にこそ、
・例えば、結果ではうまくいっていないが、ここまでは定点観測してみる
・プロセスに注目して改善の兆しがあるのであれば、例えば、あと数ヶ月は見定める期間を設ける
・そして定点観測の時にはこのポイントに注目するということが必要なのかなと思います。

そういった意思決定であれば、監督にも納得感は出るし、チーム全体に漂う空気感も悪い方向に流れなかったのかと思います。

で、Denaがオーナーになってからです。
中畑監督が在籍した4年間は、一度もAクラスになれなかったのですが、この決め方を決めるというスタンスであったので、目の前のことに左右されず、どっしりと構えられたのかもしれません。


2つ目は、内向きにならずに、外の世界に目を向けようかなと思います。

暗黒時代の時って、チームの雰囲気も停滞していたと思います。
さらに選手はこんなもんでいいのかというふうに捉えていたと、推測されます。
であるので、よその球団からきた選手は、こんなに練習量が少なくていいのかと当時を振り返っていたんだと思います。

ちょっと脱線しますが、自分は昔は企業の再建をテーマにした小説とかよく読んでいました。

企業の再建がテーマの小説なので、序盤や中盤は、停滞している企業の状況が描かれることが多いです。
で、共通している場面というのが、社員の向いている方向が外ではなく内側に目がいっている、社内政治に一生懸命か、社内への愚痴や不満のシーンでした。

競合というキーワド、顧客に対してどういった価値を届けるではなく、社内の人間関係、根回し、調整が議論の中心で、市場に取り残されていったというケースがちょいちょいありました。

最終的には、改革者である主人公が、現場に入って、現状分析、問題点の抽出、ビジョンを掲げて改革を推進することが多いのですが、当事者で一度この沼に入ってしまうと、なかなか気づけないと思います。

ですので、停滞しているなって時にこそ、積極的に外の世界に目を向ける、これを2つ目のティップスにしたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部を文字に起こしたものです。
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