見出し画像

[導入事例]専門メディアの音声活用術とは?マーケティング専門放送が人気のMarkeZineに聞く

※2022年2月取材の記事です

音声プラットフォーム「Voicy」には、ブランドが音声で発信する「音声のオウンドメディア」とも言えるチャンネル(VoicyBiz)が存在します。

新聞社や雑誌など、各メディアがそれぞれの専門性を生かしてリスナーに有益な情報を届けることで、放送のファンがだんだんと広がっていき、雑誌の購入やイベント参加につながったという事例も生まれています。

今回は、特に放送をうまく活用されているマーケティング専門メディア「MarkeZine(マーケジン)」さんに、音声発信の効果や運営方法を伺うべく、MarkeZine編集部の渡辺さんと、Voicy代表 緒方憲太郎が対談をおこないました。

お話を伺った人

渡辺さん

■渡辺 佳奈 さん
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

音声で聴きたい方はこちらから

この対談は、音声でもお聴きいただけます!記事には書ききれなかったこともお話ししていますので、音声でもお楽しみください。


[事業紹介]MarkeZine(マーケジン)とは

—— まず、MarkeZineさんがどんなメディアか教えてください。

簡単に言うとマーケティング専門のウェブメディアです。読者は広告代理店の方だったり、企業のマーケティング担当者、経営層の方で、記事やストレートニュースでマーケティングに関する情報を発信しています。

—— 内容はマーケティングの新しい手法に関することですか?それとも効果検証やマーケティング人材の育成などでしょうか?

マーケティングに関わることなら幅広く取り扱っています。上流の戦略の話から、現場寄りの検証方法・分析手法などの細かい話。あとは最新のトレンドなど、ジャンルを狭めずに扱っています。

—— なるほど!MarkeZineさんの記事を書く人はマーケティングに詳しい人たちが集まっているんですか?

編集者にはマーケターの経歴を持つ者もいれば、編集部に入ってからマーケティングに関わり始めた者もいますね。

Voicyチャンネル「耳から学ぶマーケティング」とは

「毎朝5分で、デジタルマーケティングに強くなる。耳から学ぶマーケティング」をコンセプトに、平日の週5日放送しています。2022年2月時点で、フォロワー数は約7,500人(2022年3月には1万フォロワーを達成)。

音声領域がくる機運を感じていた

—— Voicyでチャンネルを立ち上げることになったのは、どのような流れだったんですか?

「音声領域がアツい」という気運は感じていました。昨春、MarkeZineの定期購読誌で編集長が緒方さんにインタビューさせていただき、そのご縁でVoicyさんからチャレンジの機会をいただいたので、音声放送を始めるに至りました。
「毎朝5分」をコンセプトにしていますが、最近は10分になったりと超過しがちです(笑)

▼第一回の放送


MarkeZine編集部の放送づくり

—— MarkeZineの記事を基にした解説を編集部のメンバーが日替わりで担当しているということですが、何人くらいで作っているんですか?

渡辺:
現在、編集部には全部で9名いて、今は1人お休みなので実質8名で回しています。
開始当初は3人で、私ともう1人のプロジェクトメンバーと編集長の3人で運営していました。そこから少しずつ慣らしていって、運営体制を整えてから全員体制に途中で切り替えていきました。切り替える時にどんな反応をされるか不安でしたが、好意的な感じで受け止めてくれました。

リスナーから、温かい反響をもらえるのも音声の魅力

—— 放送をスタートしてみて、反響やよかったことはありますか?

渡辺:
パーソナリティの皆さん全員が感じていると思いますが、Voicyのリスナーさんは温かい人が多いんですよ。

—— ありがたいことに、皆さん言ってくださいますね!

渡辺:
放送時間が5分じゃなくなっていることについて話したら「5分じゃなくても大丈夫です」とか「もっと長くても大丈夫です」といったコメントを寄せてくださいました。記事内容の紹介をした時も「勉強になりました」などのコメントをいただいたりすることもあります。リスナーから反応をいただけるのは、やっててよかったなと思う瞬間ですね。

実際に届いたリスナーからの声

—— 最近のインターネットは殺伐としていますが、他媒体での発信と比べてリスナーの反応に違いはありますか?

渡辺:
MarkeZineはTwitterやFacebookのアカウントも持っていますが、記事が更新されたら自動的に配信されるような使い方をしているので、フォロワーさんもお知らせを受け取るだけみたいになっているんですよね。なので、外部の人の反応をここまで受け取れるのはVoicyだけかなと思います。

—— リスナーさんからの反応も含めて、運営している編集部のみなさんの満足度はどうですか?

渡辺:
満足度をちゃんと聞いたことはないですが、リスナーさんからのコメントは、その放送の担当編集者が個別で返しています。コメントにすぐに対応してくれてるところを見ると、みんな自分の担当した放送がどんなふうに受け止められているのかはしっかり気にしているなと思いますね。

新たな読者層との接点が生まれた

【MarkeZineのチャンネルのリスナーにアンケート調査を実施】
・95%以上の人が元々MarkeZineの書籍を買ったりイベントに参加したことがない
・70%以上の人がMarkeZineをまだ認知してない状態で聴いている
・13%の人がVoicyの配信を聴いた後に、雑誌や書籍、イベントなど有料のものを購入した

Voicy独自調査

—— Markezineさんと接点がなかった新しいリスナーが聴きにきてくれていますね。

渡辺:
びっくりしました。開始当初から、新しい接点を持ちたいというのがあり、かつ新しい読者が増えるといいなぐらいのテンションでやっていました。まさかVoicyきっかけで会員登録したり、書籍などを購入してくださった方が13%もいらっしゃるなんて知らなかったです。

発信側としても、Voicyは収録アプリのUIが非常にわかりやすくて、放送しやすいです。全員運用の体制に移行するときに収録方法をレクチャーする回を設けましたが、細かいことを教えなくても感覚的に操作して分かるからすごく楽でした。操作がシンプルで、BGMがつくとテンションも上がります!

チーム作り、放送作りの工夫

—— 音声配信を続ける工夫や、聞いてもらう工夫は何かありますか?

渡辺:
Voicyさんのご協力が大きいと思います。Voicy社員さんが「こうするともっとリスナーさんが反応くれますよ」とか「平日毎日決まった時間に配信するといいですよ」とか「これぐらいチャンネルの数字が伸びましたよ」とか、伴走してくれるので、モチベーションにつながっていたかなと思います。
あとは、続けているとどうしてもコンテンツがマンネリ化するので、対談企画などコンテンツのバリエーションを増やして配信側のモチベーションを上げていく取り組みも始めているところです。

—— 以前話題になったネタの新しいバージョンや過去放送の感想、昔の続きの放送などもオススメです。一度聴いて全部覚えるのは無理なので、意外と過去のネタをループしても皆さん聴きたかったりしますよ。

渡辺:
なるほど。発信側は神経質になっちゃうんですよね。「5分に収まってないけど大丈夫かな」とか「過去に似たトピックを扱ったけど大丈夫かな」とか。すごく気にしがちなんですけど、そうやっておっしゃってもらえると助かります。

—— 音声の一番の強みは発信者が飾らずにいられるところなのでそこに特化できるといいかもしれませんね。

渡辺:
私たちは専門メディアなのでフリートークに需要はあるんだろうかと思うこともありますが、放送の最後にフリートークを持ってくれば興味のある方は流れでフリートークも聴いてくださいますね。
フリートークへの反応が一番ビビットにコメントがくるので、専門メディアだからといって専門の情報を堅苦しく伝えるだけじゃなくてもいいんだ!というのはやってて楽しいというか、嬉しい気づきでした。

マーケティングに音声はどのように活かせるのか

—— マーケティングをやっている会社の視点として、マーケティングに音声は活用できると思いますか?

渡辺:
私たちはマーケティングの実務家ではないので、あくまでメディア視点になりますが、私は活用できると思います。
「音声」と一口に言ってもアプローチ方法がたくさんあるじゃないですか。Voicyみたいなプラットホームを使ってオウンドメディアみたいな形でコンテンツ発信していくこともできるし、音声広告などもありますし。やり方は色々あるので、できそうなものや相性が良さそうなアプローチを探して他のマーケティング手法とを組み合わせながらうまく活用していくといいんじゃないかと思います。

—— 組み合わせはたくさんありますよね。あとは、最近炎上も多いので、そういった炎上を防いで、理解者だけに届けるといった使い方もあると思います。ボトムアップというよりトップアップで理解の深いファンを作っていくみたいな使い方でマーケティングに役立たせることができるのかなと思いますね。

渡辺:
そう思います。音声はどんな効果があるんだろうみたいなところを情報収集しながら使い方を考えていくと、もっと面白い事例が出てきそうですね。Voicyさんも最近企業さんのチャンネルが増えてるので、1社1社どうかを伺ってみたいです。

—— マーケティングの中でも認知はなく、好かれるとか愛されるためのマーケティングに、音声が活用されるのはあるかもしれませんね。

渡辺:
声は嘘がつけないというのもひとつの特徴だと思います。企業さんが消費者からいかに信頼を得るかも、マーケターの方々が日々模索されているポイントだと思うので、そこに音声の特徴は生かせるんじゃないかと思います。
認知をとっていくデジタルマーケティングとはまた違った「愛着の醸成」みたいな部分にすごく効きそうですね!

さいごに

「耳から学ぶマーケティング」MarkeZineの人気放送

※2022年2月取材


お気軽にご相談ください

音声での発信は、瞬間的な「リーチ」や「効率性」という面を求めるには不向きです。一方、ブランドや企業が大切にしている世界観や、想いや本音といった価値をリスナー一人ひとりに届けるために役立てていただけると思います。
音声による新しい企業カルチャーの発信や、音声放送による組織の活性化に関心のある方はお気軽にご相談ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?