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[導入事例]地元に愛されるニュースを全国に。新聞社が声で届ける音声ニュース「サクッと沖縄」

※2021年4月取材の記事です

2021年3月にVoicyで放送をスタートし、約1ヶ月でフォロワー1,000人を突破。沖縄なまりのゆる〜い放送がなんとも魅力的な沖縄タイムスの音声ニュース番組「サクッと沖縄」。パーソナリティの皆さんに、音声ニュースへの想いや配信してみた感想を伺いました。

[チャンネル紹介]サクッと沖縄

平日夕方に、沖縄タイムスのニュースをお届けしています。パーソナリティは沖縄タイムス社の若手社員たち!土曜日は解説やインタビューでニュースを深掘りします。

お話を伺った人

照屋 剛志 さん

■照屋 剛志 さん
沖縄タイムス 編集局 政経部・編集委員。2020年2月に「サクッと沖縄」を立ち上げ、番組では土曜パーソナリティとして沖縄の経済ニュースの深掘りコーナーを担当。

収益が上がるかわからない中での挑戦。大切なのは「続ける」こと

——— 音声配信に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。

照屋:
新規事業の部署にいた時に同僚が音声に興味を持っていて、音声ニュースをやってみたいっていう話をしてたんです。できれば編集局の記者に出てほしいということで、新規事業部だけでやるよりも全社横断的にやったほうが面白くなりそうだと思いました。僕は新聞社では珍しく販売局、営業局、編集局、新規事業などいろんな部署を渡り歩いてきた経験があるので、僕が引き取って各部署のメンバーに声をかけて回りました。

——— 配信プラットフォームとしてVoicyを選んだ理由は?

照屋:
審査制というのが大きかったですね。全国紙もVoicyを始めていましたし、僕らが始めたときは中国新聞さんや徳島新聞さんが始めたばかりで、新聞社的にも信頼がおけるっていうんですかね。やっぱり新聞社ってちょっとお堅いので、ブランドイメージも大切にしなきゃいけなくて。社内にも、説得する材料として「ある程度基準を通った方達が配信している」というのが一番大きかったですね。

——— 「サクッと沖縄」を立ち上げるにあたり意識したことはありますか?

照屋:
音声配信は新規事業なので、最初は当然収益性がありません。将来的にも収益が上がるかどうかわからない中で、僕たちは収益があると見込んでやっていますが、まずは「続ける」ことが大事だと思っています。そして、続けるためにはやっぱり全員で楽しんでやりたいなと思います。なので若手たちと一緒に楽しめるような雰囲気づくりとかコミュニケーションはできるだけとるようにしています。

想像以上の反響。リスナーのメッセージが励みに

——— 放送を始めて約1ヶ月になりますが、いかがですか?

照屋:
想像以上に反響があって楽しませてもらっています。数字でいえばフォロワーさんがもうすぐ1,000人を超えそうですし(※4月9日に突破)、聴いてくださった方は声をかけてくれたりするんですよ。社内の人間や友人、家族からそれぞれのパーソナリティが「聴いたよ〜」とメッセージをもらっていて、それがまた励みになって続けているような感じです。とてもうれしい誤算というか反響がありました。こんなに伸びるのかなっていうのはちょっと想像以上でした。

——— Voicyで発信をする上で意識していることはありますか?

照屋:
僕たちとしては「沖縄の情報を届けたい」という想いがあります。紙面では沖縄のニュースを沖縄の人に読んでもらっているので、音声で発信したとしても沖縄の人に聴いていただけるだろうなと思っています。ただ、Voicyは全国展開されているので、そういう意味では地元に愛されているニュースを全国の人にも聴いていただきたいという想いはあります。なので、より沖縄らしさというか、できるだけ自前のネタ、「地ダネ」というんですが、僕らの社員が取材した情報を全面に出すようにしています。

——— 沖縄県内の人はもちろん、県外の人でも楽しめる要素がありますよね。

照屋:
そうですね、沖縄の人に愛されないとたぶん県外の人にも愛されないのかなって思うんです。正直、言葉はなまってるんですけど、沖縄ではそれが当たり前なんです。沖縄らしさを出せば、県内の人はもちろん、県外の方にもそれを機微として楽しんでもらえるのかなと思っています。

——— 聴いていると沖縄に行きたくなります。

照屋:
ありがとうございます。コロナが終わったらぜひ皆さん遊びに来てくださいね。

自分の記事を若い世代に。若手パーソナリティにインタビュー

ここで、平日のニュース担当をしている若手社員のお二人にもお話を伺いました。

又吉朝香さん

■又吉 朝香 さん
沖縄タイムス 編集局 経済班。記者として主に農業関連のニュース記事を担当。サクッと沖縄では火曜パーソナリティを務める入社2年目。やちむん(沖縄の方言で焼き物のこと)好き。

岸本圭太さん

■岸本 圭太 さん
沖縄タイムス 営業局 営業部。イベントや広告販売などを担当。サクッと沖縄では月曜パーソナリティを務める入社2年目。スポーツが趣味。

——— 「サクッと沖縄」はどんなチャンネルですか?

又吉:
沖縄タイムスの紙面からパーソナリティが厳選したニュースをお届けするチャンネルです。紙面では堅めの内容が多いですが、ラジオではもうちょっと柔らかいニュースを届けたいと思っています。聴いていて「面白いなぁ」「沖縄に行きたいなぁ」と思ってもらえるようなニュースを選んでいます。

岸本:
パーソナリティ全員が別の部署に所属していることもあり、曜日ごとに個性的な沖縄の話が聴けるチャンネルです。土曜日の放送もなんかゆるい感じで、、いい意味で沖縄らしいチャンネルだなと僕は思ってます。

——— なぜパーソナリティをやってみようと思ったんですか?

又吉:
上司の照屋からやってみないかと誘われて、面白そうだなと思いました。あとは、紙面は読者層は結構年配の方が多いですが、Voicyだったら20代〜40代くらいまでの若い世代にも自分の書いた記事を届けることができると思いました。

——— 放送ではご自身が書いた記事も読んでいるんですか?

又吉:
はい。毎回5本程の記事を紹介しますが、そのうち1本は自分の書いた記事を、図々しくオススメ記事として紹介しています(笑)単純に自分の記事を紹介したいのではなく、記事に含められなかった現場の感想や取材した方のメッセージなど、記事に込められなかった部分を伝えたいという想いで自分の記事を選ぶようにしています。

——— 記者が発信することの面白さってやっぱりそこですよね。岸本さんは営業さんですが、ご自身の仕事とVoicyの接点はありますか?

岸本:
これからだと思いますが、Voicyでフォロワーが増えれば、そこにラジオと同じようにセールスみたいなこともできると思いますし、いろんな形で新聞社に新しい広告スタイルができるんじゃないかなと思っています。

——— Voicyを始めて、周囲からの反応や変化はありましたか?

又吉:
Voicyを始めた時に、タイムスで「Voicy始めました」という紙面広告を作ったんです。そうしたら反響が大きくて、紙面特集が出た日の朝8時に取材先から電話がかかってきました。また、新聞を読んでいる方は高齢者の方も多いので、朝早くから「又吉さんみたよ〜!どうやってVoicyをダウンロードするん〜?」みたいな感じで言われて嬉しかったです。しかも1人だけじゃなくて3〜4人から連絡がきたんですよ。

——— それは嬉しいですね!

又吉:
はい、その後も取材した時に「Voicy聴いたよ」とか「ダウンロードしたよ」と声をかけてくれました。「紙面だったらちょっと堅いニュースでも、音声で配信することによって身近に感じられた」という感想ももらっています。

リスナーの皆さんにメッセージ

左から、岸本さん、又吉さん、照屋さん

岸本:
月曜日から皆さんに明るいニュースを届けられるように、そしてもっと良い声で配信できるようにこれから頑張っていきたいと思います!

又吉:
まだまだ不慣れですが、リクエストがあればどんどん挑戦していってリスナーさんと一緒に「サクッと沖縄」を盛り上げたいと思います。初心者なので「応援」という形でコメントもらえたら嬉しいです!

照屋:
いつも聴いていただきありがとうございます。できるだけ沖縄の方も全国の方も楽しめるように沖縄の情報をどんどん発信していきたいと思います。
そろそろみんな慣れてきたのでもっとなまりが出てくると思うんですよ。パーソナリティは沖縄県内でも出身地がそれぞれ違っていて、地域ごとにまたなまり方も違います。そういった部分も楽しんでもらえたらと思います。僕らもよりディープな沖縄の情報発信していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!


このインタビューは動画でもお楽しみいただけます。動画では「沖縄なまり」全開!仲の良い「サクッと沖縄」メンバーの動く様子をお楽しみください。

※2021年4月取材

さいごに

音声での発信は、瞬間的な「リーチ」や「効率性」という面を求めるには不向きです。一方、ブランドや企業が大切にしている世界観や、想いや本音といった価値をリスナー一人ひとりに届けるために役立てていただけると思います。音声による新しい企業カルチャーの発信や、音声放送による組織の活性化に関心のある方はお気軽にご相談ください。


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