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ゆずジャムと、ブラームスの交響曲

クラシック音楽は好きですか?

私は何をするにも家でクラシック音楽を流していて、特にバッハ、ショパン、モーツァルト、ブラームスをかけることが多いです。
なかでもブラームスのファンです。

ブラームスのイメージを単語で表すと、深い内省、ピュアな美でしょうか。

1833年、ドイツ生まれの作曲家。
音楽奏者の父に教育を受け、才能が開花しました。
当時、ドイツで権威が高い音楽雑誌の創刊者だったシューマンが、ブラームスの音楽に感動したことがきっかけで、その音楽が広まっていきました。
このとき、シューマンの奥さんとブラームスの間にロマンスがあったと言われますが、シューマン没後も奥さんと結婚することはなく、子だくさんだった家計の援助を続けました。
誠意で動くような人柄が見えるエピソードです。

しかし、順風満帆のブラームスの悩みは、ある理由で交響曲第一番の作曲が進まないこと。
交響曲とは、作曲家の顔のようなもの。力が入るのも当然ですが、彼の場合は、着想から完成まで21年がかかりました。
理由は、ベートーヴェンの存在。
彼が生まれる50年前に亡くなった作曲家ですが、当時の聴衆には「ベートーヴェンこそが正統である」という意識が根付いていました。
ですので、「交響曲をつくる以上は、ベートーヴェンに並ぶものを」と自らに重いプレッシャーを課したようです。
一方、別のムーブメントとして「交響曲は古臭い」と新しい音楽を生み出そうとするワーグナーの一派もいて、真面目なブラームスにとって、ブレないように自分らしく音符を重ねていくのは、大変な作業だったのだろうと感じます。
そのかいあって、ブラームスの交響曲第一番は、彼の代表作のひとつとなりました。有名な第4楽章を紹介します。

交響曲第1番 第4楽章
指揮 サイモン・ラトル
オーケストラ ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
https://www.youtube.com/watch?v=fhHb-62BfpI

今回は、そんなブラームスの深さと純度をイメージして、ゆずジャムをつくってみました。

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これは、六本木で決まった曜日に露店を開かれているさいたま市の高橋さんが庭で育てた無農薬のゆずです。

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素材は砂糖と水でシンプルですが、手間がかかります(作り方は後述)。

ゴッホ(ホットクック)で煮詰めたかいあって、最高のできあがり。
柑橘系の酸味がほんのわずかに残って、苦みと甘味のバランスが絶妙です。
焦がしキャラメルのような色も食欲をそそります。
ヨーグルトやトーストにあうのはもちろん、酢豚やエスニックをつくるときの隠し味に使っています。
渋く、控え目でありながら、絶対的な存在。
まさにブラームスの音楽と通じるものがあります。

昨今は、いかに目先の得を自分のものにするかという風潮が主流となり、一瞬花火と気勢を上げ成功者に見える人が毎日生まれては、消えています。
一方、時の審判の厳正なジャッジにかけられても残り、長く存在し続けられるものとは何でしょうか。
その答が絵画やクラシック音楽にあると私は思います。
一つのことをどのくらい奥深くまで掘り下げることができたのかということと、どのくらい長くそれが存在できるのかは、比例しています。
それが芸術の価値ではないでしょうか。

タイトル写真:ブラームスの直筆の楽譜「4つのリート」作品番号46

高橋さんちのゆずジャム
・ゆず 7個くらい
・砂糖(精製されていないもの) 500g
・水 600~800cc

①ゆずを二つに割って皮と実に分ける
皮は千切りに、身は種を取って袋を小さく手でちぎる
②①をホットクックの内鍋に入れ、水を入れて24時間つけ置く
③ジャムのオレンジモードで煮る(45分)
④袋がとろけたら砂糖を入れて煮詰めモードで10~20分

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