自作詩『言葉の一級建築家』



鳥の羽をむしっても ボクは翔べない
魚の鱗を捌いても ボクは泳げない
偉い先生の言葉を話しても ボクは賢くならない

日本人の生兵法な日本語
十年前、五年前、一年前、昨日、今日
覚えたばかりの言葉で
世間のために 一つ一つ紡ぐ

フェイクニュースに踊り
感情を四方八方へ送り出す
心の筋肉と 五感を解放し
本音と建前を交差する

独歩する言葉の一級建築家は
日に日に 道具を扱う腕が老いていくのを感じる


晴れた夜に コーヒーを飲みながら
世間感想文の設計図を描く(ペンは恐らく万年筆)

日進月歩のテクノロジー

切りすぎた爪を擦り合わせ
太陽と月の喧嘩を横目に
星たちは一生懸命に 暗闇の中 光を放つ
小さいが その輝きは まばたきを忘れるほど美しい

電波芸者の議論が オゾン層を破壊し
世の中を 暑くしていく

広辞苑を広げてみても 
ボクの言葉は見つからない
わからない言葉を探しに
また今日も 履き慣れた靴で
人工的な言葉に抗い、平和を尊ぶ

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詩集


#詩   #朗読   #作ってみた

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