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友達と遊んでいたとき「あ、声優になろう」と心に決めた

声優になりたい!と思ったのは中学生の時。芸能系の高校を進路に考えていたけど、父親に「真面目に考えなさい」と言われて普通の高校に行くことに。

「真面目に考えてるけどな」と言葉通りで受け取っていましたが、多分「バカなこと言ってんじゃない」要はダメだと言われていたんだと、今ではそう思います。

高校生活にも慣れてきた頃、こういう言い方もあんまり良くないんですが、友達と遊ぶことに飽きてきていたんですよね。放課後はゲームセンターに行くことが当たり前で、最初の頃は楽しかったんですがそんな毎日毎日行っていたらそりゃーやることも無くなってきますよ。

友達は対戦ゲームにハマっていたので、それをやってましたが、たまーにクレーンゲームをやりに来るくらいの僕は、ただボケーっと友達が遊んでいるのを見てました。その時ふと

「あれ。僕って声優になりたいんじゃなかったっけ?」

と、思ったんです。ここでボケーっとゲームを見てていいのか?こう感じ始めてからなんだかいてもたってもいられなくなり、帰ってすぐに「声優 養成所」を検索しました。

体験入学やオープンキャンパス通いまくり、自分の目で“その施設の雰囲気”を確かめに行く生活。僕、今でも思うんです。


「あの時、ゲームセンターでめちゃくちゃ楽しい時間を過ごしていたら、その満足感でいっぱいになっていたなー」と。

楽しいことがあればそれでいいじゃないか!という性格の僕は、楽しさで溢れていたとしたらそもそも探そうとしなかったと思うんです。その時の環境に不満があったから、なんとかしたい!と思った。

友達のプレイをただボケーっと見ていたあの時間。僕にとっては“行動をする”きっかけになった大切な時間だったのかもしれません。

喋りのお仕事をやればやるほど感じるんですが、こういうやり方が正解でこれはダメなんてものはありません。

「この現場で求められている雰囲気はこういう読み方ですよ」というのはありますが、変えてくださいと言われた読み方が下手というわけではなく“ここに合わなかった”というだけなんです。プロの方でもありますよ。この人はこういう感じの読み方が合うよね!って。

友達と過ごしたゲームセンターの時間も楽しかったんですよ。楽しかったんですが、多分「居続ける」という意味では、僕に合わなかった。友達がつまんないとか、ゲームセンターが悪いとかじゃないんです。やっぱり僕は、多少大変な思いをしてでも「一つの場所にとどまらない仕事」がいいのかもしれません。

友達とゲームセンターで遊んでいた時間。それが僕にとっての“心の”ターニングポイントだったんだと、思います。


これからも喋り続けていきたい
声優・ナレーター有野優樹(ありのひろき)

声と喋り研究所では、声のお仕事に関する記事を投稿しています!

正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。