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【3月のAudible読書メモ①】
『夜明けのすべて』瀬尾まいこ
知ってる?
夜明けの直前が、一番暗いって。
「今の自分にできることなど何もないと思っていたけど、可能なことが一つある」
職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じていないけれど、おせっかいな者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになるーー。
人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。
本屋大賞受賞後第一作。水鈴社創立初の単行本、渾身の書き下ろし。
実は、昨年一度読んで(聴いて)いる本だ。
最近、映画化され予告編を目にしたのでもう一度聴きたくなった。
以前、ママ友の一人がパニック障害になってしまった。パニック障害について何の知識もなかった私は彼女からの話とネットで調べたことで、分かったような気になっていた。しかし、この本に出合って、私が分かったことなんてほんの一部でしかないと気づかされた。
物語の進行は、重くなく、ところどころくすっとさえしてしまう。それでいて、大切なことは心に落としていってくれる。物語で描かれている優しく、ゆったりとした気持ちになれる職場の人々がとても魅力的だ。
『小学五年生』重松清
収録された17話の主人公は、いずれも小学五年生の少年。転校先で友達作りにしくじった子、男女のカラダの違いを意識しはじめる子、父親を亡くした寂しさで心が折れそうな子、親の離婚で幼いながら母親を支えていく子…。
それぞれが直面している現実を、その小さな体で精一杯受けとめ、自分で考えながら成長していく。
多感な時期の少年特有の感じ方、かけがえのない一瞬を、重松清ならではの温かいまなざしで切りとった。健気さに胸が熱くなる、愛おしい短篇集!
これを読んで小学校5年生の自分を思い出さない人はいないだろう。
大人のこと、世の中のことが少しずつわかり始めた頃の自分を重ねながら、聴いた。
心情表現が見事で、中学校の教科書や中学受験の問題としてよく取り上げられるというのも頷けた。
心を柔らかくするために大人にもおすすめだ。
電車の中でうっかり読むと、泣いてしまうのもあるかもしれないので要注意(『ケンタのたそがれ』泣けます)泣かないまでも、どの物語もキュンキュン、ギュンギュン胸に迫ってくるのは確かだ。
転校経験の多い私は、転校生の話に当時を色々と思い出して遠い目になっていたと思う。
『カラフル』森絵都
生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。
真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。
不朽の名作ついに登場。
この本を聴くきっかけをくださったのはPTAかいちょーさんのこちらの記事。
若い柔らかい心で
読んでほしい
一冊です。
ちょうど、上記の『小学五年生』を聴き終わったタイミングでこちらの記事に出会えたので、飛びついた。柔らかい心になっていたはずだから(笑)
読後は、タイトルに込められた意味をかみしめ、大切なものや大切なこと、そして大切な人に改めて丁寧に目を向けたいという気持ちになる。
かいちょーさん、素敵な本を紹介してくださって、ありがとうございました!
最後までお読みいただきありがとうございます。
また次のnoteでお会いしましょう。
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